2012年9月19日(水)
カントリーウオーカーで青少年国際野外旅行研究会の代表である「やまさん」こと
山浦 正昭さんと、パートナーの敬子さんが2年がかりで計画している、地中海から
大西洋へヨーロッパ横断大歩行の、前半コース約1200㎞をを今年5月から7月に
かけてを歩いた報告会が、14時から約2時間開催されました。
会場は、JR中央線や東京メトロ東西線、南北線、有楽町線などの飯田橋駅そばの、
東京セントラルユースホステルの会議室です。
この報告会には、やまさんの予想をはるかに超える21人が参加されました。
白板には、歩いたコース地図や、途中であった人たちとの写真、お二人の旅姿の写
真、用意していった旗などが貼られています。
お二人は、5月20日(日)にフランス、地中海の観光地ニースをスタートし、前
半は独自のコースを巡礼の町ル・ピュイまで約500㎞歩き、後半はル・ピュイから
スペインへの巡礼の道を約700㎞歩いて、スペイン国境のサン・ジェーン・ピエ・
ド・ポールに7月10日(火)に到達しました。
まずはやまさんから、計画のいきさつや地図を揃えるのが大変だったこと、後半の
巡礼の道に入ったら、初日から50人くらいの巡礼者に会って驚いたこと、などの話
がありました。
続いて山浦敬子さんが、ご自身で書いた紙芝居により、行程でのトピック的なこと
などを順次説明されました。
これが紙芝居のタイトル。
まず、コース概要の地図です。
お二人は、1993年夏にデンマークのスカーエンをスタートして、
毎年夏に約1か月ずつ歩いて、ドイツ、スイスを経てフランスに入り、
2002年にニースにゴールしました。その距離は4000㎞でした。
それから10年目の今年と来年、ゴールしたニースを出発して西へ
向かい、大西洋岸のスペイン巡礼の道のゴール、サンティアゴ・デ・
コンポスティラを目指す、ヨーロッパ横断の旅の今年は前半です。
最初は、1200㎞を歩き通してゴールのお二人。もう歩かなくてよいとホッとしたとか。
今年のゴール、サン・ジェーン・ピエ・ ド・ポールは、一面白壁に赤い屋根の美しい町並
みだったようです。
歩き出した日に、なんと尺八を吹く人が…。
1泊目はテント泊。ところが夜、雨になり、テントに浸水してビックリ!
2日目のグラースは香水の町。インフォメーションセンターの女性
が、四国遍路をしたいとのこと。
2日目に止まったジットエタップと呼ぶ宿の3人。普通の民家でした。
赤屋根の家の並ぶ集落。予定していた宿は閉まっていて不在。誰か
いないかと探しながら行ったら、窓から顔を出した人が居たので声を
かけて別の宿を教えてもらう。
その日泊まったのもジット、飛び込みだが食事も用意してくれた。
歩いていたら、反対から来た自動車のご夫婦に声をかけられ、その
家に泊まるよう勧められ、お世話になりました。
敬子さんの説明に、ときどきやまさんが補足の話をされました。
声をかけてくれた方の家は大きく、洗濯もさせてもらい庭に干しま
した。
前半の、やまさんオリジナルコースを歩き終え、巡礼のスタート地、ル ピュイに入ると、
今までとはうって変わり、人が多いのにビックリ!
皆、スペイン巡礼の道を目指して歩くときの目印、貝を下げていました。
巡礼の道のうちのG65コースに入り、前半最初の難所、オーブラ
ック越えにかかります。野道を歩くお二人。
コンク(Conques)では、大きな教会に併設の宿泊施設に。100人くらい泊まれ、
大勢のボランティアの方が食事などの世話をしてくれました。
ここは100年前から利用されていて、気持ちがホッとするところでした。
同じようなペースで歩くので、一緒になる機会が多かった若者3人。
左はパリから来たクレアさん。フィリピンでNGO活動をしていた
とか。真ん中は日本の青年、直樹くん。右はスイスのクリストフさん、
独・仏・英語が達者で、いろいろフランス語の仲介をしてくれた。
自転車にキャリアカーを付けて、2歳の子づれで巡礼の道を歩いていた人。
歩くペースがほぼ同じなので、親しくなった3人。
ゴール近くになると、一面のトウモロコシ畑やヒマワリ畑が1週間も続いていた。
ヒマワリは、自動車の燃料になるのだとか。
といったような、敬子さんの紙芝居でした。
この後やまさんから、質疑応答も含めていろいろな話がありました。その幾つかを…。
3日間町のないところもあり、そのときは3日分のパンを用意して歩き出した。
巡礼用のコースマップは、1日単位で見られるようになっていて、標識も多いので間違
うことは少ないが、一緒に歩いている人と話をしていると、マークを見逃すことがある。
フランス巡礼の道は、今まで数多く歩いたイギリスやドイツ以上に標識があり、道も整
備されていて分かりやすい。
巡礼コース上は5㎞、10㎞間隔くらいに宿があり、予約しなくても先着順で泊まれる。
かなり利用したジットエタップは、役所が提供のものと民間のものがあり、申込先も、
直接、インフォメーションセンター、役所のどこでもよく、コース上になくても場所を案
内する標識が出ているので探しやすい。
巡礼の道は、女子1人でも歩くことが出来、安全性は高い。
前半の一般道では、ほとんど歩く人に会わなかったが、後半の巡礼の道は歩く人が多く、
多くの人との交流が出来、ふれあいが得られる。
フランスの地方の美しさ(景観)は、屋根や壁の色や高さが統一されていて、どの町で
も石畳の古い町並みが残っている。
ユースホステルは2カ所だけだったが、そう安くはなく(1泊1500円くらい)、ジ
ット(巡礼宿)なら1000円、ホテルでも35ユーロ(約3500円)で泊まれ、日本
のユースホステルより安い。
どの宿もホスピタリティにあふれ、言葉(フランス語)の不自由さはほとんどない。
巡礼者は、ほとんど英語を話す。
今回歩いたフランスの巡礼の道の両端、ル・ピュイとサン・ジェント・ポールは世界遺
産になっており、当日早めにインフォメーションセンターに行けば、事前予約無しで泊ま
れる。この2都市だけでも歩き旅をお勧めする。
コース全体としては、集落、牧草地、町並みなど同じ景色が続くが、息切れや汗をかく
とか、のどが渇くような急斜面はない。
といった、多彩な話がありました。
ちなみに、来年お二人が歩く、スペインのサンティアゴ巡礼の道については、以下の
NPO法人日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会のウェブサイトをご覧下さい。
下は、以前紹介した今回の歩き旅をまとめた冊子。しかしもう余部はなく、増刷はしな
いとのことでした。
蛇足ながら、会場となった東京セントラルユースホステルは18階にあり、受付ロビー
からは新宿副都心などの展望が得られます。
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カントリーウオーカーで青少年国際野外旅行研究会の代表である「やまさん」こと
山浦 正昭さんと、パートナーの敬子さんが2年がかりで計画している、地中海から
大西洋へヨーロッパ横断大歩行の、前半コース約1200㎞をを今年5月から7月に
かけてを歩いた報告会が、14時から約2時間開催されました。
会場は、JR中央線や東京メトロ東西線、南北線、有楽町線などの飯田橋駅そばの、
東京セントラルユースホステルの会議室です。
この報告会には、やまさんの予想をはるかに超える21人が参加されました。
白板には、歩いたコース地図や、途中であった人たちとの写真、お二人の旅姿の写
真、用意していった旗などが貼られています。
お二人は、5月20日(日)にフランス、地中海の観光地ニースをスタートし、前
半は独自のコースを巡礼の町ル・ピュイまで約500㎞歩き、後半はル・ピュイから
スペインへの巡礼の道を約700㎞歩いて、スペイン国境のサン・ジェーン・ピエ・
ド・ポールに7月10日(火)に到達しました。
まずはやまさんから、計画のいきさつや地図を揃えるのが大変だったこと、後半の
巡礼の道に入ったら、初日から50人くらいの巡礼者に会って驚いたこと、などの話
がありました。
続いて山浦敬子さんが、ご自身で書いた紙芝居により、行程でのトピック的なこと
などを順次説明されました。
これが紙芝居のタイトル。
まず、コース概要の地図です。
お二人は、1993年夏にデンマークのスカーエンをスタートして、
毎年夏に約1か月ずつ歩いて、ドイツ、スイスを経てフランスに入り、
2002年にニースにゴールしました。その距離は4000㎞でした。
それから10年目の今年と来年、ゴールしたニースを出発して西へ
向かい、大西洋岸のスペイン巡礼の道のゴール、サンティアゴ・デ・
コンポスティラを目指す、ヨーロッパ横断の旅の今年は前半です。
最初は、1200㎞を歩き通してゴールのお二人。もう歩かなくてよいとホッとしたとか。
今年のゴール、サン・ジェーン・ピエ・ ド・ポールは、一面白壁に赤い屋根の美しい町並
みだったようです。
歩き出した日に、なんと尺八を吹く人が…。
1泊目はテント泊。ところが夜、雨になり、テントに浸水してビックリ!
2日目のグラースは香水の町。インフォメーションセンターの女性
が、四国遍路をしたいとのこと。
2日目に止まったジットエタップと呼ぶ宿の3人。普通の民家でした。
赤屋根の家の並ぶ集落。予定していた宿は閉まっていて不在。誰か
いないかと探しながら行ったら、窓から顔を出した人が居たので声を
かけて別の宿を教えてもらう。
その日泊まったのもジット、飛び込みだが食事も用意してくれた。
歩いていたら、反対から来た自動車のご夫婦に声をかけられ、その
家に泊まるよう勧められ、お世話になりました。
敬子さんの説明に、ときどきやまさんが補足の話をされました。
声をかけてくれた方の家は大きく、洗濯もさせてもらい庭に干しま
した。
前半の、やまさんオリジナルコースを歩き終え、巡礼のスタート地、ル ピュイに入ると、
今までとはうって変わり、人が多いのにビックリ!
皆、スペイン巡礼の道を目指して歩くときの目印、貝を下げていました。
巡礼の道のうちのG65コースに入り、前半最初の難所、オーブラ
ック越えにかかります。野道を歩くお二人。
コンク(Conques)では、大きな教会に併設の宿泊施設に。100人くらい泊まれ、
大勢のボランティアの方が食事などの世話をしてくれました。
ここは100年前から利用されていて、気持ちがホッとするところでした。
同じようなペースで歩くので、一緒になる機会が多かった若者3人。
左はパリから来たクレアさん。フィリピンでNGO活動をしていた
とか。真ん中は日本の青年、直樹くん。右はスイスのクリストフさん、
独・仏・英語が達者で、いろいろフランス語の仲介をしてくれた。
自転車にキャリアカーを付けて、2歳の子づれで巡礼の道を歩いていた人。
歩くペースがほぼ同じなので、親しくなった3人。
ゴール近くになると、一面のトウモロコシ畑やヒマワリ畑が1週間も続いていた。
ヒマワリは、自動車の燃料になるのだとか。
といったような、敬子さんの紙芝居でした。
この後やまさんから、質疑応答も含めていろいろな話がありました。その幾つかを…。
3日間町のないところもあり、そのときは3日分のパンを用意して歩き出した。
巡礼用のコースマップは、1日単位で見られるようになっていて、標識も多いので間違
うことは少ないが、一緒に歩いている人と話をしていると、マークを見逃すことがある。
フランス巡礼の道は、今まで数多く歩いたイギリスやドイツ以上に標識があり、道も整
備されていて分かりやすい。
巡礼コース上は5㎞、10㎞間隔くらいに宿があり、予約しなくても先着順で泊まれる。
かなり利用したジットエタップは、役所が提供のものと民間のものがあり、申込先も、
直接、インフォメーションセンター、役所のどこでもよく、コース上になくても場所を案
内する標識が出ているので探しやすい。
巡礼の道は、女子1人でも歩くことが出来、安全性は高い。
前半の一般道では、ほとんど歩く人に会わなかったが、後半の巡礼の道は歩く人が多く、
多くの人との交流が出来、ふれあいが得られる。
フランスの地方の美しさ(景観)は、屋根や壁の色や高さが統一されていて、どの町で
も石畳の古い町並みが残っている。
ユースホステルは2カ所だけだったが、そう安くはなく(1泊1500円くらい)、ジ
ット(巡礼宿)なら1000円、ホテルでも35ユーロ(約3500円)で泊まれ、日本
のユースホステルより安い。
どの宿もホスピタリティにあふれ、言葉(フランス語)の不自由さはほとんどない。
巡礼者は、ほとんど英語を話す。
今回歩いたフランスの巡礼の道の両端、ル・ピュイとサン・ジェント・ポールは世界遺
産になっており、当日早めにインフォメーションセンターに行けば、事前予約無しで泊ま
れる。この2都市だけでも歩き旅をお勧めする。
コース全体としては、集落、牧草地、町並みなど同じ景色が続くが、息切れや汗をかく
とか、のどが渇くような急斜面はない。
といった、多彩な話がありました。
ちなみに、来年お二人が歩く、スペインのサンティアゴ巡礼の道については、以下の
NPO法人日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会のウェブサイトをご覧下さい。
下は、以前紹介した今回の歩き旅をまとめた冊子。しかしもう余部はなく、増刷はしな
いとのことでした。
蛇足ながら、会場となった東京セントラルユースホステルは18階にあり、受付ロビー
からは新宿副都心などの展望が得られます。
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