あるきメデス

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羽村取水堰からチューリップまつりへ(東京・羽村)〈前半〉

2022-04-17 21:02:34 | 江戸・東京を歩く
 2022年4月13日(水)〈前半・羽村駅から羽村取水堰へ〉

 いつも拝見しているakioさんのブログで今日辺りは見ごろと知り、連れ合いと「羽村チ
ューリップまつり」を見に行くことにした。

 西武池袋線から西武新宿線、西武拝島線、JR青梅線を乗り継ぎ、羽村(はむら)駅に
11時13分に着いた。



 西口を出て南へ、まずは以前も来たことのある羽村市観光案内所に寄り、市内の観光パ
ンフレット「ぶらりはむら」などを入手する。

 所長の話では、今日はパンフレットの写真のようにチューリップが見ごろだろうという。

 今日の歩行ルートは「ぶらりはむら」の地図の一部、黒線矢印のとおり


 すぐ先で新奥多摩街道との交差点を横断して、そばの稲荷神社へ。

 創建年月は不詳だが、江戸後期の地誌「新編武蔵風土記稿(しんぺんむさしふどきこう)」
には記述されていて、本殿には全面に彫刻が施され、江戸時代後期の嘉永元(1848)
年竣工と推定され、社寺建築洋式の典型的建築のよう。でも、拝観はできない。


     
 境内西側から階段を下る途中、多摩川右岸背後に延びる草花(くさばな)丘陵などの展
望がよい。


 階段を降りて道路を挟んだ東側は、臨済宗建長寺派の禅林寺(ぜんりんじ)。道路際か
ら境内に入る。

 創建は文禄2(1593)年で、小説「大菩薩峠」の作者、中里介山の菩提寺。中里家
は寺の近くにあったようで、墓所は背後の高台にあり以前来たときに訪れたが今日は省く。


 境内の2本ヤエザクラが咲き出し、本堂左手の道路際に「天明義挙の碑」がある。




      
 江戸後期の天明4(1784)年2月、羽村の名主や組頭層を中心に近郷40か所を巻
き込み、狭山地方の豪農商層の倉などを打ち壊した世にいう天明一揆のひとつの農民一揆
で、明治27(1894)年に一揆の犠牲者9名を「義民」として称えた記念碑という。

 
 本堂前の一角にイチリンソウ↑やヒトリシズカ↓、白花のヤマブキが咲く。







 山門は文久9(1862)年の建立、天井には「雨乞龍」と呼ばれる龍が描かれている
ようだが見逃した。

     
 山門前の民家に紅白のしだれ桜が咲き残り、その横には色鮮やかなトキワマンサクが。




 少し下った奥多摩街道と交わる羽村堰入口交差点際に、「羽村橋のケヤキ」と呼ばれる
ケヤキの古木が新芽を伸ばし始めている。
     
    樹齢は400~600年以上と推定され、東京都指定天然記念物という。

     
 羽村橋からは、玉川上水の両岸に葉桜に代わりつつあるソメイヨシノの並木が望まれる。


 橋を渡り、大きなタンク塔の方に進む。この塔は都水道局の羽村小作間調圧水槽で、地
上高は24.75mあるようだ。
     


 反対側は多摩川の流れ、すぐ先、上流が玉川上水の取水点となる羽村取水堰(しゅすい
せき)である。

 玉川上水は、承応2(1653)年、江戸市中への給水を目的としてつくられたもので、
ここから新宿区四谷大木戸まで開削された全長約43㎞の素掘りの水路。


 堰は洪水などのときには投渡木と呼ばれる材木を横に渡したものを取り払い、堰が流さ
れないように工夫されていて、土木学会の選奨土木遺産に認定されている。


 堰のそばの広場には、この玉川上水を開削した玉川兄弟の像がある。玉川兄弟はこの工
事の請負人に任命され、わずか8か月で開削したとのこと。
     
 手前が弟の清右衛門、後が兄の庄右衛門で、兄弟はその功労により「玉川」姓を与えら
れたようだ。

 広場の上水側には、昔の川の治水技術のひとつ、牛枠(川倉水制)(うしわく(かわく
らすいせい))がある。
     
 洪水時などに水の勢いを弱め、堤防が崩れるのを防ぐもので、堤防に植えた河畔林を切
り出して組み立てたという。

     
 歩行者だけ通行できる細い橋で玉川上水を渡り、奥多摩街道に上がった。


     
 羽村南郵便局のすぐ先、都水道局羽村取水管理事務所の道路側に植え込まれた、若木で
白花のトキワマンサクが10数本花開く。
    

 近くには、東京水道の守護神である玉川水神社が祭られていた。

 玉川上水が完成した翌年の承応3(1654)年に玉川兄弟の創建で、以後江戸町民や
上水路沿いの住民から厚く信仰されてきたもので、水神社としては最も古いものの一つの
ようだ。

 狭い境内には、羽村市指定史跡である玉川上水羽村陣屋の陣屋門が移築されていた。



 その横で奥多摩街道に分かれて多摩川左岸沿いの道路へ。上流から堰を見下ろしたり、
多摩川の流れや対岸の草花丘陵を眺めたりしながら進む。



 沿道の民家には、たくさんの草花が咲き競い、多摩川の「海から54k」標柱横から車
道を離れて左岸沿いの遊歩道を進むと、花が終わり新緑に変わりつつある三春の滝桜が1
本立っていた。

 羽村市制10周年を記念して、平成13(2001)年に羽村市福島県人会から寄贈さ
れたようだ。

 その先、多摩川左岸堤防沿いはソメイヨシノの桜並木が続く桜づつみ公園になっていて、
堤の北側は幼児用プールのある羽村市親水公園だが、今はプールに水は無い。


 12時30分を過ぎたので親水公園のトイレを借りた後、ベンチで昼食とし、拝島駅構
内で買ってきた握り飯をほうばる。隣には円形プールがあり、市の水上公園である。


 昼食を終えてさらに先へ、平成7(1995)年に造られた「桜づつみ植樹記念碑」の
周辺には、数本のしだれ桜が咲き残る。


     

 桜の向こうに羽村市浄水場の建物が見下ろせ、その尽きた辺りまで進むと、右手前方に
チューリップまつり会場が見えてきた。

                      
                                    〈続く〉
 



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