2011年4月16日
さて、観音様はだいたい完成したとはいえ、これをポツンと置く訳にはいかない。台座が必要だ。台座とは仏像を安置する台で、仏像を神聖化する荘厳具(しょうごんぐ)の一つとされるセットもの。事前の勉強で、大きく分けて蓮華(れんげ)をかたどった蓮華座と須弥山(しゅみせん)をかたどった須弥座が多いと分かった。さて、どっちの台座にすべきか?身近なイメージで蓮の花弁の台座「蓮台」(は(ち)すのうてな)が多いのでコッチにした。蓮を「はちす」というのは、花托の部分が「ハチの巣」を逆さまにした形に似ており、穴がいくつもあるからとの事~なるほどです。そもそもハスと仏教の縁は、仏教以前の古代インド(3000年前)では、「ハスの女神」像が崇拝されて~蓮は女性の母胎(胎蔵)と考えられ、多産・生命の創造をあらわし~のちに、豊穣・幸運・繁栄・長寿・健康の意味が加わったとの事。また、インド最古の文献『ヴェーダ』によると、ハスの女神は、蓮の花の上に立ち、蓮華の飾りをして誕生したとあり、これがベースになっているようです。そして紀元前5世紀のおシャカ様の誕生時には一斉に花を咲かせた、という荘厳伝説?があります。
さて、台座にすべきヒノキの輪切りはこれまでのいろいろな作業台に使っていたもの。丸太なのでこれまたいつ割れるか分からないので、先ず中心まで背割りをした。
次いでこれを正円にカットしなければならないが、でかいコンパスなど無い。台所から一番大きな鍋の蓋(直径29cm)を持って来て、なんとか丸く取れる位置で円をなぞった。
あとは、グラグラしない平面で、同じ厚さにカット~これも丸い円柱に円周の一直線を引くのは意外と難しい~10cmの所で印を打ち、ポイントを結んで行った。
チェーンソーを入れて、切り出し成功。
もう一度鍋ブタを使って円の縁どり~今度は裏表に同じ円だが、これまた綺麗な円柱になるための、同じ垂直関係の円描きは難しい~
悩んでいても仕方ないので、『たいぎゃどこっで、妥協』
さあ、またまたチェーンソーの出番。
(写真:左)丸いRをもった曲面の切り出しは油断大敵。刃が材に当たるのは上刃(トッププレート)で、これは食い付き専門刃で、あっという間に食い込んでしまう性質なので細心の加減でバーの直線部分のソーを当てます。
(写真:右)切り出し面の凸凹は、チェーンソーでカンナをかけたようにある程度綺麗出来る。そのテクニックはこの様にバーを寝せて横刃(サイドプレート)部分を気の面凸凹に当てると、彫刻刀の平刃で削るように表面を滑らかにします。食い込む角度はあるのですが、平面のバーがあるためにバーより深くは絶対入れず、バーがなぞる表面をひたすら行き来するので、非常に滑らかになります。
(チェーンソーの刃を勉強したい人はコレをご覧ください)
http://www.geocities.jp/chidaten/maki/chanesaw/saw.htm
直径29cm・高さ10cmの円柱が出来ました。
イメージだけでも観音様に乗っかってもらいましょう(笑)
『台座、良いわね~ところでどんな台座になるの~?』
『ハイハイ観音様、豊穣・幸運・繁栄・長寿・健康を祈念して蓮華座とさせていただきます。』
『そう、変わり映えしないわね~。で、いつになったら、その台座に乗れるの~あたし、ここに来て一年も殆ど放置だったのよ(怒)』
『あ~あ~ご怒り、ごもっともでございます。ハイ、すぐにでも、今日明日にでも完成を目指します。』
ってな、独り言を喋りながら、今日明日にでも完成なんて早急なと呆れている、入り込んでいる自分に、呆れている。
さて、蓮華座のハスの花弁は八片が縁起ものの数だが、台座円周=29cm×3.14=91.06cm これを8で割ると、ひとつの花弁の幅は11.38cmとかになってしまう。ちなみに7で割ったら、13.008cmとちょうど13cmになった。
『よし、ラッキーセブンで、セブン・ハートにしよう、同じ大きさなら型紙~菓子箱を分解し型紙を作り、をぐるっとハートし、ぴったり収めた。
次に、台座の天板はどうする
で、デザインをあれこれ考えたが、台座の勉強で出てきた、須弥山(しゅみせん)をかたどった須弥座を思い出した。この縁どり部分にタコ焼きみたいな『太陽』が模られていたので、32個の太陽を彫る事になった
これで、蓮華座と須弥座の合体だ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Shumisen.jpg
ところで、この時『金輪際』(こんりんざい)の語源を知ってしまった(笑)
『とことん、地の果てまで行くぞ~お~っ』
台座は下が小さい面の為、台形にしなければならない~その為何かない
かな?と探し当てたのが『チンキャップ?』電子レンジでチンする時の蓋。これが直径22cmでちょうど良い。
果て?どうカットすればうまい具合小さく丸く出来るか?考えた末、斜めにチェーンソーの刃を、×に入れて、線止めにすれば斜めにカットできるハズ~
思いどうりになったぞ~
もう一度、ハートの型紙を書くが、下の方が合わなくなる。
須弥座の太陽なんて、知らなきゃ良かった~と、一刀入れてから後悔した。乾燥したヒノキは堅い~この『太陽』を32個も
2次元と3次元の違いは、立体である事、ゆえに小さな空間も何かしら、形を作らなければならない。との間の上の縁はハート自体の上の谷間は
太陽の縁どりには、この手づくりU字型ノミが役立った。
http://blog.goo.ne.jp/saisyohagoo_1959/e/28fba33dd82242f8daf712210eb4297e
それにしても、この太陽の数、この境目は金輪際~ってブツブツ言っていたら、付き出しナイフがブスッと左親指の爪の下から1cmも刺してしまった。一瞬冷たく感じ、ブルッと震えて、ジクッと痛みを感じ始めた。
死因は、不慮の事故からの不慮の死が一番統計的に多いが、怪我をし血を見る度に、あっけない、そんなものが人生だと思う
兎も角、バンドエイドと事務用の指サックを被せて、応急措置作業を続けた。午前9時から3時間で16個、太陽1個11分かあ~。
午後は、ピッチを上げて2時間で16個の太陽を彫った。腰も指関節も指先も痛い
数か所には、虫食いと腐れの穴が~プロが使う無節や、背割の必要の無い正目部分材などなかなか手に入らないから、仕方ない
ハートの花弁まで午後5時までかかった
室内に持ち込み、またまた晩酌の相手
とうとう16日~17日の丸1日で台座を彫ったことになる。
『あら、出来たじゃないやれば、出来るじゃない~、その調子で早く全体を仕上げてね。もう放置はヤよ~』
『ハイ~まことに済みませんでした~寂しい思いをさせてアチコチ放置して居りました。これからはハイ、居間にご鎮座願い、毎日のご拝顔をさせていただきます。』
まだまだ、完成ではありません~続きは(No4)へ
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