2017年9月3日
山都町の八朔祭りは、この時期地元テレビのニュースになるお祭りですが、実際に見るのは初めてでした。
ただ、八朔といえば、柑橘類のハッサクみかんが浮かび、『ハッサクみかんの産地でもないのにどうして、ハッサクの祭り』の疑問は、子供の頃からずっとありました。
そこで、これを機会に調べてみました。
『八朔』=(ついたち)の読みで、時期的には稲穂が実り始める旧暦の八月朔日と分かりました
『目的』=当初は、豊作を祈り、商家の人々が店に作物を卸す農家をねぎらうために、普段からお世話になっている人へ酒や肴を用意するとともに、目でも楽しんでもらおうと店ごとに造り物を飾って手厚くもてなしていたのが始まりだそうです。
『他県』=八朔祭りは、山梨県(都留市)・秋田県(矢島)・茨城県(大洗)・京都・大阪府(堺・河南)・熊本県(山都町)等、全国各地にある祭りで、9月上旬に見られる祭りは、ほとんど八朔祭りを発祥に、どの祭りも山車を引き回し、町を練り歩くタイプの様です。
『歴史』=全国的には、400年以上も昔からというのもありましたが、山都町の「八朔祭」は江戸時代中期に約250年の歴史だそうです。
最初は商家で行われた規模が、いつの間にか中心地の浜町全体で協力し合って大々的に行うようになったそうです。
でも、個人的には通潤橋が完成しそれ以後の人々の暮らしが豊かになってから、現在見られるような『大造り物(おおつくりもん)引き廻しの八朔祭り』になったと勝手に推察しています。
つまり、布田保之助(ふたやすのすけ)による通潤橋が1854年に完成し、それまで水が無く荒地だった白糸台地に水田が整備され灌漑が出来るようになると、米の作付により農家の暮らしがやっと豊かになり、その後の産業連関で浜町商店街が活性化して来るのは、数年後の1860年位だろうから、157年前くらいからだと、勝手に推察しています。
国の重要文化財に指定されている通潤橋は、毎年の祭りの9月第1土曜・日曜に合わせて特別放水が実施されるのですが、昨年(平成28年4月)の熊本地震からの復旧が間に合わず、2年連続の放水中止が続いています。
さて、そんな予備知識を得ての、祭り観戦です。
まずは、町内のあちこちに鎮座された、引き廻し前の『大造り物』を見て回りました。
これは、パイレーツ オブ カリビアン のジャック・スパロウを演じる、ジョニー・デップ です
剣先4mを超える大きさで、材料はすべて自然素材を使ってあります。
靴底には太い蔓、ブーツにはシュロの皮。
ズボンは椿か樫の樹皮、上着には松ぼっくり、ベルトは蔦の蔓、編み込みの髪は細い蔓、頭のバンダナは、布に赤いササゲの豆を接着剤でびっしりと接着してありました。
やあ、見事な出来栄えでした
今年は、イ:大川町・下大川 ロ:矢部高校 ハ:新町上・水道町・城見町 ニ:役場 ホ:新町中 ヘ:浦川 ト:下馬尾 チ:矢部小学校 リ:仲町下 ヌ:仲町上 ル:下市 の11の連合組からの出展があっていました
毎年、歴史上の人物や伝説上の生き物、動物や、その時の世相を風刺したり、ダジャレを入れた願いモノなどさまざまな像が造られます
お昼前、かつて仕事で山都町に来るたびによく行っていた『おちかラーメン』を覗いたのですが、20名くらいの長蛇の列でした。残念
午後1時、いよいよ、引き廻しが出発しました。
あの、ジャック・スパロウも見上げる大きさに迫って通り過ぎます。
面白いのは、ジョニー・デップの剣やカマキリの頭など、4~5mにもなる造りの場合、電線に引っかかってしまいますので、カマキリの写真の法被の男性が持つ紅白布巻きの、サスマタみたいな長い棒で、電線の弛みを上にあげて通していく役割があることでした。
一番完成度が高いと評価した、山都町役場の『美女と野獣』です。
美女のドレスは杉の葉を突き詰めて剪定してあり、表情も良く現わされており、クオリティの高さに感服しました。
土・日の2日間とも天候に恵まれた、素晴らしい八朔祭りでした。
審査結果は、以下のとおりでした
金賞:下市連合組 歌舞伎俳優 市川海老蔵
銀賞:大川町下大川連合組 不死鳥(地震からの復興)
銅賞:仲町上連合組 ゴリラ(豪雨災害を「もう懲りゴリ」と訴えるゴリラ)
観客が選ぶ大造り物大賞:浦川連合組 「海賊もほしがる 山都の宝(自然)!」
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