師走も10日が過ぎ、すっかり年の瀬だ。
行事も立て込み、人々は慌ただしく、巷は華やかに彩る。
こうもしてまで、日本人は年末・年始をありがたがる。
不思議な習性だとは思うが、昔は、庶民は盆暮れしか休みを取って、家に帰り寛ぐことが許されなかった。
せめてもの命の洗濯の時期と、いやが応にも忙しいこの季節を、さらに忙しくする。
これも何かの業かもしれない。
顔見世や屋号呼ぶのも祝儀の気 素閑
顔見世や浮き立つ人の堀の上 素閑
電車告ぐ駅員独り顔見世や 素閑
苫の家に報せは届けり顔見世や 素閑
破れ障子歌舞伎正月見せにけり 素閑