昼のガスパール・オカブ日記

閑人オカブの日常、つらつら思ったことなど。語るもせんなき繰り言を俳句を交えて独吟。

冬の川

2017-12-18 00:31:29 | 俳句

約、10年前にパリに行った。
それ以来、行っていない。
仕事を兼ねた旅行だったが、とても楽しかった。
別に観光地を巡ったわけでも、高級レストランに行ったわけでもないが、昔ながらのパリの街に心惹かれた。
ところが、それ以来、パリも変貌が激しいと聞く。
パリは第二共和制時にオスマン男爵が、緻密な都市計画の下、大改造をして、今の形になった。
これが、いわゆる、我々日本人がパリ情緒を感じる、パリの姿だ。
ユトリロや荻須高徳の画にある、あの街並みである。
カフェがあり、アパルトマンがあり、公園があり・・・・それは変わっていないだろうが、新しい建造物がどんどん建っているという。
パリの中心街の建物は高さの規制があって、5階と決まっている。
しかし、その規制も次第に緩和されていると聞く。
ルーヴル美術館のガラスのピラミッドも、計画を立てた段階で、パリっ子から大反対を受けた。
それを言うなら、エッフェル塔だって建てる時は総スカンだった。
しかし、それらは既にパリの姿として馴染んでいる。
物事は何事も変遷する。
しかし、少し寂しいような気もする。

冬の川広大無辺の小身や   素閑

水底にこふべ映して冬の川   素閑

北駅へ石畳の道冬の川   素閑

別れたり一人の岸辺冬の川   素閑

船頭のあてなく漕げり冬の川   素閑

蕭条と鳥も避くるや冬の川   素閑


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