この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

REC/レック。

2008-07-07 23:19:30 | 新作映画
 ジャウマ・バラゲロ監督、『REC/レック』、7/5、ユナイテッド・シネマキャナルシティ博多にて鑑賞。2008年30本目。

 マイミクのデヴォンさんが日記で、
>今世紀最大の恐怖体験『REC』。
>ホラー映画に関しては、誰よりも詳しい俺が言うんだから間違いない。
>この作品は、絶対に興味本位では観ないで欲しい。
と書いていたので、果たしてどれだけ想像を絶する恐怖を味わえるのだろうと思って興味本位で観に行ってきました。
 結論から述べると、すいません、デヴォンさん、結構フツーに観れちゃいました。笑。
 といっても『REC/レック』が怖くなかったとか、自分が肝が据わっているとか、そういうわけではなくて。

 自分はめっちゃビビリです。その証拠に未だに一人で見るのが怖くて『悪魔のいけにえ』や『ゾンビ』といったホラー映画のDVDを借りることが出来ないでいます。
 でありながら一方『うる星やつら』の面堂終太郎体質というか、人の目があるとホラー映画を観るのが平気になっちゃうんですよね。
 今まで劇場で観たホラー映画は、『呪怨』(劇場版)、『SAW』シリーズ、『28週後・・・』、『箪笥』などがあるのですが、これらのホラー映画を観て怖いと思ったことが記憶にありません。
 同様に『REC/レック』もまた平気だったというわけです。古今東西あらゆるホラー映画に通じているデヴォンさんすら恐怖した『REC/レック』が平気だったのであれば、この先どんな恐ろしいホラー映画であっても(劇場で観る限りは)平気なんじゃないかなぁと思ったりします。
 家で一人で見るとなると話はまったく別ですが。汗。

 自分のことはさておき『REC/レック』に話を戻しますが、自分はこの映画、実にオーソドックスなゾンビ映画だと思いました(新機軸はありますけどね)。基本に忠実というか、お約束を律儀に守っているというか。
 どういったジャンルであれ、そのジャンル特有の決まりごと、お約束といったものがあると思います。
 例えばミステリー小説であれば、孤島(もしくは森の奥に佇む舘)に集められた登場人物は自分たちの中に凶悪な殺人鬼がいると知っていても夜は各自の部屋で一人で過ごします(そして案の定夜が明けると一人殺されている)。
 フツーに考えれば殺人鬼がいるとわかった時点で互いを監視するために大広間かどこかで全員集まって夜を明かすのが当たり前ですよね。
 でもそうはしない。
 まぁ理由や事情は様々なわけなんですけれど、なぜそうするのか(もしくはしないのか)、ぶっちゃけていうとそれがミステリー小説でのお約束だから、です。
 『REC/レック』もまた、ホラー映画におけるお約束を律儀なまでに守っています。

 お約束、その一「ホラー映画の登場人物は学ばない」。
 感染者に噛まれたら感染するということがすでにその時点でわかっているんですよ。なのに感染してゾンビと化している少女に向かって「大丈夫だから・・・」などといって手を差し伸べる登場人物A。案の定少女にガブリと噛まれて「うわぁ、噛まれたぁ」などと泣き叫びます。
 ほんと、このAに正座をさせて説教してやりたいですよ。お前はアホかと。噛まれたら終わりだってことがわかっているならそれなりに対処をして少女の相手をしたらどうなんだ、と。腕に布をグルグル捲きつけるも良し、いっそのこといきなり棒か何かで殴りつけるも良し、ともかく無策はないんじゃないのか、と噛まれた奴に説教してやりたい、、、って説教してる間にこっちが噛まれちゃいますけどね。笑。

 お約束、その2、「ホラー映画の登場人物は選択肢が二つ以上あった場合、最悪のものを選ぶ」。
 これはお約束の1と同じといえば同じなんですけどね。
 最後に生き残った女性レポーターとカメラマンはあるアイテムを探すためにアパートのある部屋に侵入するんです。その部屋にはどうやら感染者はいない。アイテムを見つけた女性レポーターが「行きましょう!」とカメラマンに声をかけ、二人は部屋を後にする。廊下や階段にはうじゃうじゃと感染者がいて、彼らに襲い掛かろうとします。 
 待て待て待て。
 部屋の中には感染者はいないんでしょ?だったらさ、どうして入り口にバリケードを築いて、その部屋で篭城をしようと思わない?事態が沈静化するまでせめて一晩、食料や水があれば二、三日、部屋でじっと待とうと思わない?
 もうほんとこの二人を正座させて説教して(以下略)。

 自分がいってることは正論だと思います。
 ただし、いうまでもなくホラー映画においてごくごく常識的な考えや理屈よりも、どう考えても不合理なお約束が尊重されるのは、その方がストーリーとしてより面白いからに他なりません。
 そんなわけで自分は『REC/レック』、非常に面白く観ることが出来ました。

 お気に入り度は★★★☆、お薦め度は★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
コメント (8)
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