この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

CODE46。

2008-07-24 22:24:23 | 旧作映画
 マイケル・ウィンターボトム監督、『CODE46』、DVDにて鑑賞。

 先日の記事で借りてきた六本のDVDを一括りにして、B級臭漂うなどと称してしまいましたが、申し訳ありません、本作の監督であるウィンターボトムは超有名な映画監督でしたね。いやぁ、我ながら不明でした。汗。

 本作を鑑賞すればウィンターボトムが才能ある映画監督なんだろうなぁということは伺えます。
 どのシーン、どのカットもスタイリッシュとはこういうことだ!というような撮られ方をしているので、そういう映画が好きな方にはたまらない一本に違いありません。

 が、しかし。
 本作はSFなんですよね。
 クローン技術が実用化されてるんだから、舞台は間違いなく未来で(少なくとも五十年以上は先?)、作中用いられるツールも今の時代にはないものが出てきます。
 なので本作がSFであることは間違いないんですが、所々、現代がそのまんま出てくるのです。
 未来は現代の映し鏡だとか何とか、高尚なことをいう人もいるかもしれないですが、未来が現代そのままじゃ、やっぱりおかしいんですよ。どこかしら進化(もしくは退化)していないと。

 おそらく監督であるウィンターボトムはSFがさほど好きではないのでしょう。
 この作品のテーマである「禁断の愛」を表現するためにとりあえずSF的な世界をテキトーに作ってみました、そんな印象を本作からは強く受けます。
 世界観に説得力がない。
 当然登場人物の運命を左右する「CODE46」という法律もなぜ存在するのかがまったくわからない。下界に逃亡した人がどうインモラルに生きたって、政府が関知するわけがないです。
 そのように設定に説得力が欠けるので、その世界で運命にどう翻弄されようが、登場人物に感情移入がまったく出来ない。

 ウィンターボトムには同じような未来社会を舞台に、同じように遺伝子に翻弄される人々が登場する、傑作SF『ガタカ』を見て、SFとは何かを勉強し直して欲しいです。
 まぁウィンターボトムがもう一度SFに手を出すとは到底思えないですけどね。笑。
コメント (3)
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