この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

最恐のホラー映画を見て思ったこと。

2012-09-03 22:20:03 | 旧作映画
 今となっては信じがたいことですが、小さい頃はホラー映画が大の苦手でした。
 どれぐらい苦手かというと、テレビでホラー映画の予告が流れただけで、その日一日テレビをつけられなかったぐらい。笑。
 う~~~ん、あの頃の純朴な自分はどこに行ってしまったのでしょうか、母さん。

 実は今でもホラー映画は苦手だったりします。
 劇場で観る分には平気なんですが(周りに人がいるからね)、自室で夜中一人で見るのが耐えられない。
 何に耐えられないかというと、再生停止のボタンを押したい衝動に。笑。

 ところで、ホラー映画はいつが怖いですか?つまり、鑑賞前と鑑賞中と鑑賞後の、いつが一番怖いかということですが。
 そんなの見ている最中が一番怖いに決まってるじゃないか、と仰るかもしれませんが、自分は鑑賞前が一番怖いです。
 想像を絶する恐怖を味合わされるんじゃないかって思ってしまうのです。
 なので、自分にとってホラー映画を鑑賞するという行為は自らの恐怖心を克服することに他ならないとも言えます。

 さて、ネットでも最恐に怖いと評判の『屋敷女』を見ました。
 妊婦が屋敷に侵入してきた“屋敷女”に襲われる、というお話です。
 見る前は本当に怖くて怖くて仕方がありませんでした。
 何とか多人数で見れないものかといろいろ画策したりもしました。
 結局夜中に一人で見たんですけどね。
 耐え切れないほどの恐怖を味合わされたのか?
 ぶっちゃけ、結構平気でした。
 自分で思っている以上に自分にはホラー映画に対して耐性がついてるみたいです。笑。
 見終わった後、残ったのは恐怖ではなく、別のものでした。

 『エスター』というホラー映画があります。
 「エスター」という名前の少女を養子に迎えた一家を襲う恐怖を描いたお話です。
 一家の側からの視点では間違いなくホラー映画なのですが、エスターの立場に立つと別の物語が見えてきます。
 エスターが望み、欲したのはありふれた幸せだったんですよね。
 それが自分には決して手に入らないと悟った時、彼女は精神の均衡を崩してしまった。
 そう考えると『エスター』はすごく悲しいお話なんですよね。

 『屋敷女』にも同じことが言えると思います。
 “屋敷女”のやったことは決して許されるようなことではない。
 しかし彼女が本当に欲したのはエスターと同じく、やはりありふれた幸せだったんですよね。
 彼女も生まれつきキチガイだったってわけありません。
 彼女が長い間望み、ようやく手に入れようとした幸せを奪われたから、彼女は精神に異常を来たしてしまった。
 そう考えると『屋敷女』もすごく悲しいお話なのだと言えるのではないでしょうか。

 と、世間ではひたすら残虐な描写ばかり取り沙汰される『屋敷女』を擁護するような発言をしましたが、赤ん坊を奪いたいのであれば、出産前じゃなくて出産後に屋敷に訪れればよかったんじゃねぇの?などという実も蓋もないことを鑑賞後思ったことを最後に付記しておきます。笑。
コメント
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