けんきゅうきろく(と、あともうひとつ)

レアル・マドリー、リーガエスパニョーラ関係の、なんとなく気になるニュース。

公然の秘密

2010-05-02 16:48:36 | football
El Confidencialに載った2部構成の記事「リーガBBVAの秘密-代理人-」。リーガを代表する代理人が5人集まっての座談会という、なんか物凄い企画です。

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登場人物紹介
アルトゥーロ・カナレス
スペインIMG(マネージメント、コンサルタントなどの国際企業)のフットボール部門の責任者。現在のクライアントは、アグエロ、ピケ、ボージャン、マキシ・ロドリゲス、セサル、パロップ、アンデル・エレーラ、ビジャレアル監督のファン・カルロス・ガリードなど。

ヒネス・カルバハル
現在のクライアントは、ラウル、ビクトル・バルデス、モリエンテス、サパテル、ミチェル・サルガド、若手ではバルサのムニエサやデウロフェウ、マドリーのサラビア。またファンデ・ラモス監督も。

マノロ・ガルシア・キロン
個人経営(うまい言い方がわからない)の代理人の代表例。アトレチコのスカウトから代理人になった人物。クライアントは、監督ではベニテス、キケ・フローレス、マンサーノ。選手ではフラド、ハビ・ガルシア、アレクシス、ルベン、マルチェナ、バラハ、モヤ etc...

ペドロ・ブラボ
スペインの代理人協会の会長。カルロス・クエジャルやホナス・グティエレスなどの代理人を務めている。

ホセ・アントニオ・マルティン“ペトン”
100人の顧客を持つバイーアという会社のCEO。クライアントの代表はフェルナンド・トーレス。その他にも、ペドロ、カニ、ハビ・マルティネス、ラフィタなども。最近では、ヘスス・ナバスを顧客に迎えた。


第一部
フットボールはスペインの経済の重要な部分を占める。GDPの1.7%を占めるほどだ。このビジネスは、クラブとその首脳陣、選手とその代理人との間で形成される。その中でも代理人が、第5回「リーガBBVAの秘密」の主人公である。
(ちなみに第2回はフランチェスコリ、第3回がカマーチョとミチェル、第4回がフォルランのインタビュー。第1回は見つけられてません・・・)

ペドロ・ブラボ、ヒネス・カルバハル、ホセ・アントニオ・マルティン“ペトン”、マノロ・ガルシア・キロン、アルトゥーロ・カナレスという、スペインフットボール会において高額と高評を得る5人の代理人が、マドリーにあるレストラン、フリアン・デ・トロサ・デ・ラ・カバ・バハに集まり食事を共にした。2時間余りの間に、彼らはビジネスについて、フットボールについて大いに語った。この金曜日には、会話の中でもビジネスに関する部分をお届けする。明日土曜にお届けする部分では、彼らの主なクライアントの将来について、お互いに話し合っている。
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と、ここまで読んで方針変更。先に後半を読もう。前半は余力があったら。

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第二部
Q:夏になれば、ここにいる5人が再び大きな移籍話の中心になります。フェルナンド・トーレスの話から始めましょう。3年前にキロン氏は、この夏に大きな移籍の動きがあるだろう、ということを言っていました。それはまた繰り返されるのでしょうか?
ペトン:この夏のビジネスは、ラファ・ベニテスだろう。
キロン:フェルナンド(・トーレス)はビッグプレイヤーで、彼が再び登場する。移籍の可能性があるビッグクラブへのドアに立つことだろう。ラファ・ベニテスは契約があるが、我々はリバプールの状況を無視することはできない。フットボールでは、すべてが1週間で変化する。来シーズン何がおきるかなんて分からない。彼らの状況に興味を持っているクラブが複数あるのだが。
ペトン:私の印象だと、ラファは動くだろうがスペインに戻ってくることはしないだろう。マノロ(キロン)は正しい。今年は夏に監督の動きがあるだろう。ラファ・ベニテス、モウリーニョ……

Q:ではキケは?
キロン:彼はいま戦いの真っ最中で(アトレチコはコパとELでファイナルに残っている)、カレンダーもさらに厳しくなっている。だから彼の仕事を正確に評価することができないし、彼がクラブについてどう考えているかも本質的なアプローチも、知ることが難しい。
ペトン:良かったことは、彼が、チームがヨーロッパに進出できたらといったことに関するボーナスにサインしていないことだ。自動的に契約延長となる。何よりも良いのは、シーズンの終わりに、彼に契約を延長するかしないかの選択肢があること。仕事が既になされていて、何かを成す前というのではなくてね。これはとてもスマートだよ。
キロン:キケにもクラブにも選択の余地がある。自由に選べるというのは最高だね。

Q:マンサーノは?
キロン:彼はマジョルカでの4シーズン目を全うするところだ。彼はすばらしい仕事をしてきたし、データがそれを裏書している。彼が契約を終えるが、我々はマジョルカとも他のクラブとも話しをしていない。話を急ぎたがる人たちもいる。日和見主義の人々によれば、マンサーノの将来は3つか4つのチームの間にあるそうだが、マンサーノの評判が上がっているので本当のように思われている。しかし現在のところ、我々はどのクラブとも交渉していないよ。

Q:ラウルには何が起こるのでしょうか? あなたはラウルに何を望んでいるのですか?
ヒネス・カルバハル:ラウルに望むことを私が言えるとでも思っているのかな? 私はマノロと同じことを言うよ。ラウルは1年の契約を残しているし、それを全うするつもりでいる。これから、夏や来年の1月に何が起こるかなんて、我々には知る由もない。ラウルにはあと1年の契約が残っており、それは誰をも強制することなくサインされたものだ。

Q:この先何が起こると思いますか?
ヒネス:そうだな、契約を全うするだろうね。

Q:それは非常に決定的なものに聞こえますが…
キロン:はっきりしたものだな。ラウルの行動や態度は、疑いを許さないものだ。

Q:ではビクトール・バルデスについては? 彼はW杯に行くでしょうか?(イケル、レイナに次ぐ第3GKが誰になるかが議論の的になっている)
ヒネス:1人の男、つまりビセンテ・デル・ボスケが、彼が望むリストを作るだろう。我々には決める力はないんだよ。私はビクトルが行ってくれればと思うし、マノロにとってはレイナだろうし…
キロン:それとディエゴ・ロペスもだな(笑)。スペインには、そのレベルにあるGKが10人はいるよ。
ペトン:今シーズンのビクトルは驚くべきすばらしさだったな。
アルトゥーロ・カナレス:それでも、私はパロップかセサルが行くと思うんだがね。
ペドロ・ブラボ:もちろん、フットボールの大きなビジネスはW杯にも存在することだろう、スペインでの役割としてね。全地球規模のイベントが2つある。1つはワールドカップで、もう1つは、もしラウルがレアル・マドリーを離れることを決めたら、フットボールについてはそれがそうだ。(ラウルがマドリーを出ると決めたら)世界のフットボールにとって大きなものとなるだろう。

Q:カシージャスは、以前ほど疑問の余地のない選手ではなくなっているのでしょうか?
ペトン:カシージャスは、今シーズンのベストのGKではないが、しかし代表では疑問の余地がない存在だよ。
ヒネス:彼がスタメンでないことがあれば、フェアではないな。

Q:レアル・マドリーからラウルに向けられるジェスチャー(表現)を見逃すことはありませんか?
キロン:レアル・マドリーには能力のあるエージェントたちがいて、ラウルが表現することやラウルの行動に気づかないことはない。彼らには十分な仕事ができる。(聞いてることと逆?)
ペトン:もしクリスチアーノがベルナベウに8万の人々を集めたとしたら、彼(=ラウル)のために1週間で同じものが組織されなければならないだろう。彼に、何かに恩恵を受けているマドリディスモの人々でいっぱいのベルナベウが相応しいように。ラウルについては、フットボールの忠誠心と功績の時期だ。ラウルの最もすばらしいページは、今シーズン書かれてきた(いや、それはないだろ…)。そう、契約を終える1年前にクラブを離れるのも良いだろうと、私は思っている。充足した他の経験をまだすることができるし、あるいはラウルであったことを祝う思い出に残る何かをすることもできる。バルセロナにあったような出て行き方を繰り返すことはできない。(この人の発言は…よくわからん)

Q:ではクンは?
アルトゥーロ・カナレス:私が知っている限りでは、あの子は勝利者で夢を実現しようとして、そして今それをアトレチコで可能にしている。セルヒオ(・アグエロ)の頭には、アトレチコで最高のパフォーマンスを尽くすことしかないよ。
ペトン:どうなるか、だな。
(完了)
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後になればなるほどグダグダになってしまいました。一番気になるラウルの去就については、ヒネス・カルバハルがそう言うなら、基本は継続で考えていいんだろう、と思います。でも、「残るだろう」と「出ても良いのでは」の2つの意見が、スペインフットボール界の機微に精通した代理人からも、どちらとも出てくるというのが、やっぱりラウルの置かれた立ち位置の難しさを示すというか何というか……。

しかしまあ、ベニテスは動くだろうとか、フェルナンド・トーレスも移籍話が出るだろうとか、マンサーノには何の話もないんだけどなとか、けっこう大胆に色々ぶっちゃけるんだな、と変に感心した。