裁判員制度の初の公判の4日間は、マスコミの報道が連日続いた。その分、国民にその詳細が伝わり、いろいろと論議も高まった。
それにしても、結局は予定調和的な判決で、裁判員でやる必要もない裁判だった。そもそも裁判官だけでは一般常識から乖離した判決が出やすい、という欠点をカバーするために、裁判員制度が導入されたわけだが、殺人などの凶悪犯罪の判決に、常識外れもなかろう、と思う。
今回の裁判はもめようもない明瞭な事案だった。犯人は自白、証拠も明確で、ただ量刑のみを争った。検察官は求刑16年、被害者の代理人の弁護士が20年を希望。被告の弁護士は量刑をいわなかった。16と20の間の18年でいいじゃないか、と思ったが、実際は15年に落ち着いた。
検察官の求刑に拘束されて、従来の量刑よりも重くなったようだ。そもそも殺人の量刑は3年以上から死刑まで幅広い。その量刑を決定するのは、これまでの判例しかなく、裁判官も裁判員に対して、それらを示したに違いない。
しかし、判例にあるというだけで、これに従うのもおかしい。裁判員らが本当に新鮮な視点で裁判をみれば、また違った意見があったのでないか。被告は72歳。量刑8年でも80歳だ。刑務所の中で死亡する可能性も高い。しかしそれでは被告の遺族の無念が晴れない。
まあ、そんなジレンマがあったのかもしれないが、一般的な判決よりは重い量刑に落ち着いた。しかもたった4日間で。
裁判員だから4日間なのか。つまり裁判の短縮化なんか、やればできる、ということだろう。じゃあ、どこが悪くて長期化していたのか、という究明こそも必要だ。
結局、裁判員が本当に必要な裁判は、今回のような凶悪事件ではなく、国民を二分するような見方が分かれる事案だ。公害、薬害、一票の重みなど裁判官が憲法判断を避けるような訴訟だ。そこでこそ、裁判員の一般常識が発揮される。
だが、10年20年も続けられる裁判に、裁判員が付き合っていくことは不可能だ。だから、今回のような単純な殺人事件が適用された。
いわば裁判所のヤル気を見せたセレモニーでしかなかったろう。パソコンやプロジェクターを使って分かりやすくした、と自慢気だった。そんなものはどんな裁判でも、いまや使って当たり前で、いまさらの感もあるが、なんだかんだで税金の無駄遣いであったことは否定できない。
カメラ・写真、フォトギャラリーの動向に興味のある方は「Web写真人」をご覧ください。また拙著「団塊の世代の世間話」の案内ページにもアクセスできます。「Web写真人」(http://shashingin.web.infoseek.co.jp)で検索できます。アクセスをお願い申し上げます。首都圏のフォトサロン/ギャラリー一覧を掲載。http://www.blogmura.com/ にほんブログ村
それにしても、結局は予定調和的な判決で、裁判員でやる必要もない裁判だった。そもそも裁判官だけでは一般常識から乖離した判決が出やすい、という欠点をカバーするために、裁判員制度が導入されたわけだが、殺人などの凶悪犯罪の判決に、常識外れもなかろう、と思う。
今回の裁判はもめようもない明瞭な事案だった。犯人は自白、証拠も明確で、ただ量刑のみを争った。検察官は求刑16年、被害者の代理人の弁護士が20年を希望。被告の弁護士は量刑をいわなかった。16と20の間の18年でいいじゃないか、と思ったが、実際は15年に落ち着いた。
検察官の求刑に拘束されて、従来の量刑よりも重くなったようだ。そもそも殺人の量刑は3年以上から死刑まで幅広い。その量刑を決定するのは、これまでの判例しかなく、裁判官も裁判員に対して、それらを示したに違いない。
しかし、判例にあるというだけで、これに従うのもおかしい。裁判員らが本当に新鮮な視点で裁判をみれば、また違った意見があったのでないか。被告は72歳。量刑8年でも80歳だ。刑務所の中で死亡する可能性も高い。しかしそれでは被告の遺族の無念が晴れない。
まあ、そんなジレンマがあったのかもしれないが、一般的な判決よりは重い量刑に落ち着いた。しかもたった4日間で。
裁判員だから4日間なのか。つまり裁判の短縮化なんか、やればできる、ということだろう。じゃあ、どこが悪くて長期化していたのか、という究明こそも必要だ。
結局、裁判員が本当に必要な裁判は、今回のような凶悪事件ではなく、国民を二分するような見方が分かれる事案だ。公害、薬害、一票の重みなど裁判官が憲法判断を避けるような訴訟だ。そこでこそ、裁判員の一般常識が発揮される。
だが、10年20年も続けられる裁判に、裁判員が付き合っていくことは不可能だ。だから、今回のような単純な殺人事件が適用された。
いわば裁判所のヤル気を見せたセレモニーでしかなかったろう。パソコンやプロジェクターを使って分かりやすくした、と自慢気だった。そんなものはどんな裁判でも、いまや使って当たり前で、いまさらの感もあるが、なんだかんだで税金の無駄遣いであったことは否定できない。
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