団塊の世代の世間話

60年を生きてきた思いを綴った「ゼロマイナス1 団塊の世代の世間話」を上梓し、その延長でブログを発信。

カフェでのある体験

2015-06-18 14:23:02 | Weblog
 安いコーヒーを飲ませるカフェはありがたい。長く居ても目立たないし、コーヒー一杯で粘れる。取材の時間などで間が開くと、利用することが多い。
 先日、こんな体験をした。ブレンドコーヒーを頼んで2階に上がり好みの席についた。読みかけの文庫本を開くと、妙に耳障りな声が気に耳に入った。
 さほど近い席にいるわけではないが、ずっと携帯で長電話をしている中年のおっさんがいた。割りと耳に響く声で、電話を切ったりかけたりしている。内容を漏れ聞くと、時々何億円という大金の話をしている。
 ははあん、たぶん不動産ブローカーだな、と見当をつけた。これが1時間以上も話し続けている。いい加減うんざりである。話し声ならいいのだが、電話の声というのは耳障りなものである。
 それにしても、まだこんな日本人がいたんだなあ、いい齢をしているし、周りのことを気にしないのかな、と無神経さに呆れる思いだった。いい加減、店の人が注意をしたらどうか、と思っていると、突如怒鳴り声が店内に響いた。
「こらあ、あんた、いつまで電話しているんだ、自分の事務所じゃあるまいし、みんな迷惑しているんだ、ここをどこだと思っているだ」
 振り返ると、60ぐらいのやはりおっさんが、その男の前に仁王立ちになっている。言われた方は黙ってしまい、やがて姿を消した。
 まあ、よく言ってくれた、と思ってはみたものの、これがたちの悪い男だったら、殴り合いの喧嘩にもなっていよう。言う方もちょっと言葉が乱暴である。日本人は頭に来ると、言葉を選ばない。ついつい乱暴な非難口調になってしまう。
 長電話の男が悪いのは決まっているとしても、少しは遠慮してください、と男のそばに寄って低い声で注意すべきなのだろう。それが丸く収めるコツなのではあるが、やはり店の人を呼んで、店から注意を促すのが筋であろう。
 こうしたカフェには、けっこうブローカー的な人間が集まって、あれこれ画策している様子をよく見る。たいていは人相風体が良くない。誰が利用しようと関知することではないが、不愉快な連中もいることは確かだ。
 それにしても、こんな馬鹿に何億円の取引をまかせるだろうか。よくニュースで偽の投資話に乗って大金を損した、と報じているが、被害者も欲をかき過ぎだろう。欲が強いから騙されるし、相手を見抜く目も曇るというものではないか。大金がない私には無縁の話ではあるが。
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