いかに人倫が地に落ちているかの事件が頻発している。というのは、権力を握っている人間の腐敗だ。
直近で、FIFAのプラッター元会長が57億円を不正に入手していた、という事件が公になった。FIFAは完全に利権の巣窟になっていて、上り詰め権力を掌握し、その権力を悪用して腐敗した金を握るのだ。オリンピックもそうなっているだろうし、その下の各競技の協会にもつながっていよう。日本のオリンピック委員会も狙われたし、国連もそんな面が否定できない。わが都知事もその好例である。
どうしてそうなったのか。民主主義の負の側面といえる。どんな小国にも一票の権利がある。多くはそうやって会長とか執行部を選ぶ。かつては欧米が中心だったが、現在は世界各国の国々がメンバーになっており、誰を選ぶかは自由ではあるが、国益、利権、賄賂などなど、自分にとって得になる選択をするようになる。買収するような悪人だからこそ、トップになれるわけだ。トップになれば私利私欲に狂奔する。
誤解を恐れずにいえば、契約を前提とした近代市民社会を経験した国は、自由な選択をするために、道義を優先する。例外はあるが、欧米各国や日本だ。他の国は、そんな道義よりも、自己の利益優先主義だ。だから、そうした立場になって、ひと財産を築くのが目的になっている。
そんな環境で不正がなくならないわけがない。多くの国際的な権威機関が汚職の温床になっているのは、そういう理由からではないか。
じゃあ、解決策はあるのか、という議論であろう。やはり何かを決める時に、いかに透明性を確保して、その選択のプロセスを公開することではないか。つまり私利私欲が入る余地をいかになくすか、という方法論であり、法制化であろう。
日本でこうした腐敗がまだ少ないのは、やはり江戸時代から続いた武士道の土壌があるからだ。武士道は儒教であり、人の上に立つ気構えを説いた。自らは清貧を保ち、民のために尽くす、という生き方を貫いた。
それが明治、大正、昭和、平成にまで光を投げている。役人も企業も、やはりそうした武士道精神を維持しているが、一部の政治家は自らを貶めた。
ただ最近は、欧米でも日本でも怪しい人たちが増えてきた。パナマ文書に名を連ねる人たちや企業は、やはり国民の指弾を浴びなければならない。国家はまず公平性を担保しなければならないからだ。
参院選が近いが、私は参議院議員は100人ぐらいの有識者グループにすればいい。どう代表を選ぶかの議論は置くとして、しっかりと衆議院のチェックができれば役目は足りる。今の参議院では衆議院と一緒にしたって何の痛痒もないだろう。参議院は登院日の日当制にすればコストも下がる。地方議会もそれで十分で、そんなところから日本を変えていくことが大切なのではないか。
エッセー「団塊SONGS」を配信中。原則的に隔週の日曜日にhttp://ameblo.jp/shiratorimn/にアップロードしています。エッセーで書いた歌は「団塊SONGS」(検索)で聴くことができます。カメラと写真の情報は「Web写真人」で。URLはhttp://camerajoho.web.fc2/com/
直近で、FIFAのプラッター元会長が57億円を不正に入手していた、という事件が公になった。FIFAは完全に利権の巣窟になっていて、上り詰め権力を掌握し、その権力を悪用して腐敗した金を握るのだ。オリンピックもそうなっているだろうし、その下の各競技の協会にもつながっていよう。日本のオリンピック委員会も狙われたし、国連もそんな面が否定できない。わが都知事もその好例である。
どうしてそうなったのか。民主主義の負の側面といえる。どんな小国にも一票の権利がある。多くはそうやって会長とか執行部を選ぶ。かつては欧米が中心だったが、現在は世界各国の国々がメンバーになっており、誰を選ぶかは自由ではあるが、国益、利権、賄賂などなど、自分にとって得になる選択をするようになる。買収するような悪人だからこそ、トップになれるわけだ。トップになれば私利私欲に狂奔する。
誤解を恐れずにいえば、契約を前提とした近代市民社会を経験した国は、自由な選択をするために、道義を優先する。例外はあるが、欧米各国や日本だ。他の国は、そんな道義よりも、自己の利益優先主義だ。だから、そうした立場になって、ひと財産を築くのが目的になっている。
そんな環境で不正がなくならないわけがない。多くの国際的な権威機関が汚職の温床になっているのは、そういう理由からではないか。
じゃあ、解決策はあるのか、という議論であろう。やはり何かを決める時に、いかに透明性を確保して、その選択のプロセスを公開することではないか。つまり私利私欲が入る余地をいかになくすか、という方法論であり、法制化であろう。
日本でこうした腐敗がまだ少ないのは、やはり江戸時代から続いた武士道の土壌があるからだ。武士道は儒教であり、人の上に立つ気構えを説いた。自らは清貧を保ち、民のために尽くす、という生き方を貫いた。
それが明治、大正、昭和、平成にまで光を投げている。役人も企業も、やはりそうした武士道精神を維持しているが、一部の政治家は自らを貶めた。
ただ最近は、欧米でも日本でも怪しい人たちが増えてきた。パナマ文書に名を連ねる人たちや企業は、やはり国民の指弾を浴びなければならない。国家はまず公平性を担保しなければならないからだ。
参院選が近いが、私は参議院議員は100人ぐらいの有識者グループにすればいい。どう代表を選ぶかの議論は置くとして、しっかりと衆議院のチェックができれば役目は足りる。今の参議院では衆議院と一緒にしたって何の痛痒もないだろう。参議院は登院日の日当制にすればコストも下がる。地方議会もそれで十分で、そんなところから日本を変えていくことが大切なのではないか。
エッセー「団塊SONGS」を配信中。原則的に隔週の日曜日にhttp://ameblo.jp/shiratorimn/にアップロードしています。エッセーで書いた歌は「団塊SONGS」(検索)で聴くことができます。カメラと写真の情報は「Web写真人」で。URLはhttp://camerajoho.web.fc2/com/