団塊の世代の世間話

60年を生きてきた思いを綴った「ゼロマイナス1 団塊の世代の世間話」を上梓し、その延長でブログを発信。

身障者の水増し雇用

2018-10-24 10:31:24 | Weblog
 官公庁で身障者雇用の水増しが糾弾されている。近眼の人も身障者にカウントされている、という呆れた実態も明らかになっている。
 今後は改善されるにしても、どうしてそうなってしまったのか、という報道がほとんどない。最初に雇用者の数字ありきで、各役所にその数を割り振って、仕事は終わり、という感覚だったのだろう。
 もともと押し付けの政策なのだから、どの役所も歓迎していないことだった。実際、どの程度の身障者かによって異なることだが、受け入れる準備のないところに、1人の身障者が入ってくれば、仕事は遅滞するし周りは面倒なことに巻き込まれる。
 それを承知で、というより、しっかりしたリサーチをして、受け入れ態勢を作ってやってきたのか、ということが問われるわけだ。
 たまたまこの問題が浮上した時に、身障者のそばにいる人が述懐していた。例えば車椅子の人を雇うとする。その人がうちから勤め先まで来る手段はあるのか。誰かが手伝うことができるのか。勤め先まで来て、中に入って、誰が案内するのか。バリアフリーになっているか。机に着き、さて、仕事をどう進めるのか。それを考える管理者はいるのか。
 すべていちから準備をしなければならない。身障者といってひと括りにはできない。みんなそれぞれの不便な症状が違うわけで、それぞれに対応しなければならない。  
 そこまで考えて施行されたのだろうか。だから数字合わせで終わってしまったのだろう。
現実的な解決策としては、各勤め先で同じような障害のある身障者を一定数集めて、そこで仕事をしてもらうことではないか。車椅子の人、腕の不自由な人、目の悪い人、と同じ障害を持っているなら、それに見合ったこなせる仕事を割り振ることができる。
 しかしすべて身障者という括りでみると、ものが見えなくなってくるのではないか。現在でも身障者として働いている人は多いが、もう一度、彼らの本音を聞いて、できることから改善を進めていくことが、こうした問題を解決する道につながる。所詮、健常者が考えるとこのザマであるが、表沙汰になったことで、これから良くなるのであろう。
 
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