団塊の世代の世間話

60年を生きてきた思いを綴った「ゼロマイナス1 団塊の世代の世間話」を上梓し、その延長でブログを発信。

もう景気は良くならない理由

2010-01-07 09:22:16 | Weblog
 新年明けて、正月からいろいろとあるが、いまさら世の中を嘆いても始まらないし、まして民主党政治を糾弾してもしかたがない。
 恒例の新年会で、経済団体がいっていることは、押しなべて新興アジア市場に期待するコメントが金太郎飴のごとく目立った。考えていることはみんな同じで、トップ経営者といっても、ほとんどサラリーマン重役で、予め用意されたコメントをしているのだろう。
 ただ国内市場をどうするのか、というコメントはなかった。実際、国内経済の景気はもう上向くことはないのではないか。少子化とか高齢化という問題ではなく、人口構成の変遷がそうならざるを得ないのではないかと思う。
 現在、日本の人口の最大ボリュームゾーンの団塊の世代が20年前は40歳である。子供の成長期でもありローンもあって、可処分所得は少ないながら、市場により大きなお金を遣っていたろう。
 しかし現在は60歳。この60歳の人間が、どれほどのお金を市場に落とせるのか。この差は歴然としており、収入の実態に沿うことだが、たぶん40歳の時の半分程度であろう。
 ということは、最大の年齢層がこの有様であれば、かつて景気の良かった時代は、やはりそうしたボリュームゾーンの世代がより多くのお金を遣えた時代であったのであろう。
 しかも欲しいものがいっぱいあり、技術革新でモノが溢れる時代だった。現在も技術革新は続いているが、大抵は上積みではなく、よりコストダウンと便利さの代替品に変わるほうが多い。アナログからデジタルへ、という具合だ。
 ユニクロが好調という。この理由は、商品戦略もあるが、実際は子供からシニアまで幅広い客を取り込めることができたからだ。店に行けば、年配の夫婦が若者より多い時がある。
 すべての年代を相手にできれば、それだけ商機が広がる。幸い、団塊の世代もファッションに敏感で、子供と同じ服を着ることになってしまった。
 現在の好調企業は、ユニクロのようにすべての世代を相手にできる商品ラインアップを持っていることではないか。ソニーPSが任天堂に負けたのは、ここにも理由がありそうだ。
 すべてを世代で説明できるわけではないが、その世代が遣える金のボリュームこそが問題であるなら、マクロ的には過去の景気のピークを超えられるわけがない。だから外需に頼るしかない。
 ただ景気が良くならなくても、国民の満足度の高い生活が実現できればいいわけで、そういう視点で経済政策も行ってほしいものだ。
 いずれ少子化、高齢化が極限にまで来れば、適度な移民政策を実行していくことになるだろう。移民によって、また日本が元気になれればいい。

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