きのうはやあるきのじいさんにおいぬかれる

犬と酒依存症のおっさんが、車椅子を漕ぎながら、ネガティブに日々見たり聞いたり感じたりした暗めの話題を綴ります。

吉備路

2012-02-10 22:00:00 | 遠くへ~少しだけ非日常
吉備路

これもまた先日のこと。
最近、研修会みたいなものには出かけることが少なくなってきたが、思い立って県外の研修会に顔を出すことにした。主目的は、あくまで研修である。
がしかし、自費で出向く研修だし、せっかく時間があるわけだしと「少しだけ」走った。「吉備路」である。
吉備路の傍や通過のみなら、単車で走ったことは一度や二度ではない。でも、そのときは惹かれるものはあまりなかった。きっとその先の蒜山であったり大山であったり、そこへ行くことが目的だったからだろう。単車は車よりいろいろものおもうことができる手段だがそれでも通り過ぎるだけになってしまうところは多い気がする。今回の研修先である岡山からなら牛窓や宇野、津山(さすがに少し遠いか・・・)等に行くこともできたが、はじめから頭の中では吉備路になっていた。特別吉備路に惹かれた理由は見あたらない。でもまあ、一昨年ぐらいから、気になっていたのは確かか。以前とあるスポ少みたいな運動クラブに入っていたムスコやムスメの送迎や応援によく行っていたが、その一つの総社で行われる大会に行ったときに「吉備路」という看板を目にして、この辺がそうなのかと漠然と思ったことを覚えていて、どうもそれを引きずっていた気がする。
走り終えた後、岡山の駅で手にした総社市の観光パンフには、「古代吉備王国」とある。実を言えば、日本史は最も得意だったが、古代の歴史に関して言えばさほど興味があるわけではない。でも奈良の「吉野」とか「明日香」とか聞くだけで、走りたくなる。それも確かだから、「吉備路」という文字を目にして、走らずにはいられなかった。事前のリサーチは忙しくてほとんどしていない。JRの時刻表と自転車道のことを調べたぐらいか。

前日勤務を終え、長距離バスで岡山に到着(バスの中で早速慰労)。駅に近いカプセルに宿泊(カプセル内でも慰労)。久しぶりのパドが良かった。

快適でサービスのいいカプセルだった。パンと卵、コーヒーの朝食サービスもありがたい。朝早くから結構人の動きがあってちょっとびっくりした。儂も暗い中出発した。
国道を西へ西へと進む。コンビニでトイレ休憩をする。

トイレ休憩の間隔は通勤ランの時ほどではない。朝食をがっつりは食べていないからだろう。
備前一宮の駅の手前から吉備津彦神社に入る。


ここから、自転車道。田舎道だが表示が細かく出ていてわかりやすい。

吉備線もゆっくりと通り過ぎる。

しかしコンビニ等がないからトイレのことが多少心配になる。地図やら街中の表示やらでおおよその見当がつかないかといったん自転車道を出る。いろいろ確認してとりあえず元に戻る。時間的目的的にちょこちょこロスが生じるが、織り込み済みなのでそれほど気にならない。
吉備津神社は思ったより大きい。

迷ったが中には入らずに先を行く。あっち、こっちと表示板の指示通りに進み、ただただ田圃の中を走る。


明治天皇の御野立所らしい。小さな公園になっている。

カモが泳いでいる。風はずっとやや抵抗を感じるくらいの逆風。

高速のジャンクションを過ぎた当たりで道に迷う。

おおよそで見当をつけ造山古墳の方角を見つけ事なきを得る。

古墳を過ぎると、ガイドブックには載っていない牧場を見つける。馬が暮らしている。


そろそろかなとトイレを我慢しつつ先を急ぐ。国分尼寺跡当時はかなり大きかったようである。

でようやく国分寺が見える。おそらく吉備路のメインであろう国分寺である。


国分寺周辺では、学生が走る姿やリュックをしょって走るランナーの姿も散見した。国分寺でトイレ休憩し、出発。しばらく行くと作山古墳があった。古墳のすぐ近くに家があるのがいい感じだった。後でガイドブックを見たらミニ「お四国」霊場巡りができるようになっていたらしい。写真とってなかった。風も気温もほとんど変化がない。ペースもそれほど変化がない。しかし、腹が減ってきた。総社市内に入り、総社宮を目指すが、道を間違え(後で地図見たら何で?って感じだった我ながら)、もういいかとそのままコンビニに入る。

カロリーチャージをすると気分に余裕が戻る。市役所を通過し(マラソンがあるんですね)、駅を確認して南下することにする。まだ時間はある。

伯備線の線路を見ながらとことこと進む。

見たことのある風景があった。ようやく記憶がつながったという感じだった。

応援に行った試合会場の学校、それから体育館。見つけたら頭の中で地図が瞬く間に完成した。道一つ外したら、さっきの総社宮のように行き着けなかったのに、偶然というか、巡り合わせというか、一人で勝手に感動していた。「吉備路」に導かれるきっかけのあの道路も走ることができた。出発前は全く見通しがなかったのに。総社には、縁があるのかなあと思った。

実はここからがとてもとても長く感じた。清音の村を通り、高梁川に出る。

後で見たら、もう少し我慢して、軽部神社というところに行ってもよかったか。でも、のんびりとした風景の中にある伯備線の線路を見ながら、ゆっくりと走ることで充分満足だった。ただ、ぼちぼち疲れてきたのか、ペースはややダウン。地図で見た時はそう思わなかったのに、長かった。エネルギー切れか。さっきシュークリーム食べたのにな。クリーム食べ損ねて思ったより落としていたかなと思ったり(来ていたピステにべとっとつくぐらい大量にこぼしていた・・・)。井原鉄道の鉄橋を見る。

山陽新幹線と山陽自動車道の高架をくぐる。

くぐる前後に、小野小町の墓という案内碑(?)があった。パンフにも載っていた。研修開始時刻を考え、残念ながらパス。
長い信号待ちの交差点。青になった瞬間に、右手にある表示に気付く。倉敷駅北口0.9㎞。
ようやく安心する。

三井アウトレットも美観地区もパスして、来た電車に乗り込む。山陽本線の時刻は調べていなかったが、吉備線と違ってまあまあ本数はあるだろうと思ってはいた。これは当たりで寒い想いをすることなく、結構いいタイミングで来た電車に乗り込むことができた。暖かい車内で休息した。とにかく腹が減った・・・。

この後、昼ご飯にクレープとお握りを食べ、研修先の東岡山へJRで行く。しっかり勉強して再び駅に戻り、土産も買ってバスに乗り込む。そして慰労する。

土産は、愛媛にはないワッフルが好評だった。定番の吉備団子もよし。


今回のルート。

ろくにリサーチもしないので、吉備路の奥深さは相変わらずよく消化できていないが、自分にとって得るものがあったから充分。写真を見るとどれも曇り空で寒々としているけれども、ぼんやりと走るには良かったのかなと思う。何故か人にもほとんど会わんかったがそれもまた良しだった。ただまあ、お金は結構かかったかな。それでも、大会出るのもいいけど、こういうのも(が)いい。(研修の)機会見つけてお金貯めて時々したいなと思ってます。