きのうはやあるきのじいさんにおいぬかれる

犬と酒依存症のおっさんが、車椅子を漕ぎながら、ネガティブに日々見たり聞いたり感じたりした暗めの話題を綴ります。

「脊髄損傷(頚髄損傷+胸・腰髄損傷)のある方へ・大阪府」を要約してみた。その4

2020-04-06 20:35:32 | 徒然に2018-2020
⑫車いす選び、シーティング
【要約】最も基本になることは、まず第一にタイヤの空気圧を管理して座面(ヒップポイント=坐骨ポイント)の位置・高さが動かない、変わらないようにすること。その上で、車いすの座面や背面のシートを人の身体に合わせるシーティングを行う。作業や運動のための姿勢か、軽作業のための姿勢か、安楽な姿勢かといった活動や状態にあわせて座面と背面の角度を決める。それぞれに設定が相反することがある。脊損者の場合、マヒ域に感覚がないので、微調整を重ねなければならないが、業者がおざなりにしがち。そのためにも脊損者本人が要領を把握しておくことが肝心。次に、クッションの種類を決めて、自分の座り姿勢と、体重と、でん部の骨のとがった部分になる座骨や仙骨の位置から座面に対するクッションの設置位置を決め、座面基準高を決める。その後、足の前後位置と高さ、日常的に利用する履物を履いた状態でのクッションと脚とひざ裏の当り、適当な座幅(骨盤の幅に+5~6cm)、最後にお尻の収まり、腰の支え(ランバーサポート)、背もたれの高さと角度などを決める。
【一言】車いすは、家用、外用(漕走用)、職場用と3台になったので、ぼちぼちそれぞれの適性を考えたシーティングは研究していく必要がある。ただ、正直説明されてもよく分からんのも事実。少々乗り心地が悪いと思っていても、慣れてきてしまう面も少なからずある。

職場の車椅子は、ヤフオクで落札した中古のOXの。元々のモノはいい筈だが、中古らしいがたつきも当然ある。クッションとか高さ調整のマットとか足元のベルトとかすべて100均。不便な面もあるとは思うが、ただ慣れているのも確か。

【おわりに】今まで、いろいろな資料やHPを見てきたが、これが一番欲しい情報が入っていた。よく分かった、というより、よく教えてくれた、という感じ。感想の多くは「あるある」と「知らんかった」に集約できる。自分に当てはまることの中で、理由は分からないが何となくそうなのかなと思っていたことで、そうだったのか、と納得できたことが「あるある」で、知識として知っておいたらもう少し楽に考えることができたのにと思うこと、知らずにいたが本当はヤバいことになる可能性が高いのだなと思ったことが「しらんかった」である。いずれも、入院先で教えてくれていたら、と思うことしきり。今回知るきっかけになったのは、あくまで自分から情報を探っていった結果。リハビリの時の医者はとりあえず、退院後のことを第一に考えて、割と早め早めに対応してくれた。ただ、看護師は、入院中にトラブルがないことを第一に考えているためか、排便や移動等、自分でできるといった観点でサポートする意識はあまりなかったように感じた。浣腸とか摘便の仕方とか、こちらが教えてくれというまで、知ることはなかった(摘便は、病院では教えてはくれない)退院後のQOLを第一に考えてくれているはずのリハの先生も、「せきそん」専門ではない。PTの先生はとにかく歩くことに時間をかけたが、現実問題として、歩くといっても実用的な歩行レベルまで回復するのは無理だったし、一人で歩く場合は、段差や方向転換などのスキルが全然足りてなかったので、その辺りをもう少しやって欲しかった。二人のOTの先生は一人がベーシックな筋トレ、もう一人が家の中での動きを想定した訓練だったが、退院後に役立ったのは、段差のある風呂への移動のための足上げ練習。かなり具体的。また、別のOTの先生が、退院後に「別府(重度障害者センター)」で訓練を受けた方がいいというようなことを言ってくれたが、そのときは生活の問題もあって本気では考えられなかった(今、言ってくれた重みが分かってきた)。