きのうはやあるきのじいさんにおいぬかれる

犬と酒依存症のおっさんが、車椅子を漕ぎながら、ネガティブに日々見たり聞いたり感じたりした暗めの話題を綴ります。

脊髄損傷者連合会編アンケートに答えてみる

2020-09-09 18:15:39 | 脊髄内血管腫との邂逅
2019,12段階で、脊髄損傷者連合会編「私の場合~排泄管理アンケート回答集」(2010)に答えてみる。

【プロフィール】
性別:男   受傷高位(←部位?):胸髄   麻痺の程度:不全   受傷後:2年
【質問項目と回答】
1 排泄(便、尿)をうまくする工夫、あるいは失禁しないための工夫として、普段から習慣化していることがあれば、お教えください。
(例:生活習慣、食事内容、水分摂取、下剤使用、各々の実施時期など)
2 排泄(便、尿)をうまくするために、あるいは失禁しないために、ご自分の体調の変化に対して注意していることがあれば、お教えください。
→ (1と2まとめて)
 排尿については結果的にではあるが、平日(勤務日)は、尿意の有無にかかわらず1時間から1時間半ごとにトイレに行くという定時排尿に近い形になっている。
①4時半(起床後)←カテーテルでの自己導尿
②7時半~ 8時で ←お腹に圧をかける
③9時半~10時で ←お腹に圧をかける
④11時~11時半で ←お腹に圧をかける
⑤12時半~13時半で ←お腹に圧をかける
⑥14時半~15時半で ←お腹に圧をかける
⑦16時半~17時で ←カテーテルでの自己導尿
⑧20時~21時で ←カテーテルでの自己導尿
 毎朝の10キロ漕走のときは、途中か終了後にほぼ確実に失禁しているが、これは仕方がないにしても、それ以外で失禁を防げているかというと完全ではない。尿意は、静止している状態から体を動かしたときに思い出したように感じることが多い。じっとしていると尿意がないためうっかりして間隔が少し開いてしまったり、利用できるトイレが一つしかないためトイレが使用中で、待っていたらその間に出てしまったりと、失敗はほぼ毎日ある。以前は、起床時と就寝時のみカテーテルを使用していたが、夕方も使用することで、仕事が終わった後リラックスして過ごせるようになった。水分摂取は、朝は多めに摂るが、それ以外であまり水分を摂ることはない。それで困るようなこともない。
 休日は、カテーテルでの自己導尿のみで、4~6回ぐらい。起床就寝時に各1回と外に出る前後で各1回、後は、季節によって(特に冬)+1~2回導尿する。お酒(麦酒)を呑むと、1時間以内の間隔でも大量(オムツで受けきれなくなる量)に出ることもあり、休日の方が失敗は多い。排尿に関しては、飲酒時は大量に尿が出て大失敗することが多いが、このことで、飲酒を制限したり注意したりはしていない。
 排便については、毎日朝摘便をしている。以前(入院中)はプルセニドを服用し、浣腸で処置をしていたが、リハビリ中に便失禁することがあり、非常につらかったのを覚えている。ただ、便秘がちなので、どうしても下剤は必要だった。退院後、下剤(酸化マグネシウム錠)+浣腸(座薬)で便失禁を何度か繰り返し、下剤の量を減らして(6→2)自己摘便を始めてから、便は固くなり、出しにくいものの失禁の回数が減り漸くコントロールしやすくなってきた。平日は②のところ、休日は起床後すぐと外出(漕走)が終わってからの2回行う。出るときと出ないときがあり、だいたい2日に1回ペース。排尿間隔が短時間にも拘わらず、思わぬ形で失禁したりしているときはお腹の膀胱が腸に圧迫されている(?)らしく排便した方が良いことが多いが、確実ではない。おならは便には関係ない。また、下腹が痛いときも出るときがあるが、こちらはむしろ「出そうな感じだが出ない」という感じで「騙される」ことの方が多い。摘便を始めてから、平日は、下剤(酸化マグネシウム錠・2錠)を使用しているが、毎日お通じがあるわけではなくいつもコロコロ便でもある。ただ、先述のように、それ以上の下剤を常用しようとは思わない。
 下剤に関係なく便が柔らかくなることもあり、それで、これまで数回便失禁を経験したが、食事や排便習慣において傾向や予兆はあまり分からないので不安はある。唯一、下痢をしたときはニンニクを食べ過ぎてだったので、以来、ニンニクやキムチを大量に食べないようにしている。が、それ以外のことで特に食事を制限したり注意したりはしていない。風邪を引いて抗生物質を飲んでいるときは、便が柔らかくなり、回数も増えるようだが、失禁を防ぐための確実な方法は分からないので、オムツやパッドを重ねてセットしたりしている。調子が悪いときは下痢止め系の整腸剤を使う。
 また、導尿カテーテルの使用回数と排便、飲酒量、体重、体脂肪率、毎日の漕走のキロ数については、毎日記録している。

3 外出や出勤する際、失禁(便、尿)しないように、あるいは失禁していてもできるだけ困らないように、事前に準備していることがあれば、お教えください。
4 旅行をする際に、失禁(便、尿)しないように、あるいは失禁していてもできるだけ困らないように、事前に準備していることがあれば、お教えください。
→ (3と4まとめて)
 オムツとパッド、ビニール袋、導尿カテーテル、使い捨てのゴム手袋(摘便用)、アルコール消毒液などをセットにして、100均で買ったB5版のケース+シューズ袋に入れて常に持ち歩いている。ただ、ウェットティッシュとかはそう使うものでもないので入れていないが、たまに失禁したりするとこの装備では足りず、困ることもある。オムツではなくズボンを濡らすほどの失禁、あるいは便失禁はそれほど頻回ではないため、着替えの準備はしていない(というより怠っている)。

5 外出や旅行先で障害者用トイレがない場合の、排泄場所の確保や排泄方法の工夫などがありましたらお教えください。
 基本的には、ない。排尿については、3~4時間ならオムツがパンパンになっても我慢することにしているので、そのままオムツにしてしまうことが多い。排便については、一度だけ、一般用トイレに車いすで近くまで横付けし、戸をあけっぱなしにして便器へ移乗し(車いすで途中まで入るので逆に戸が閉まらない)、排便したことがある。ただこれは、もうやりたくはない。
 障がい者用トイレがなくて困ったことはそうないが、以前はよくジョギングで行っていた、あまりトイレの設備が整っていない方面には出ていかなくなったのは確かで、トイレが確保できそうな場所を漕ぐのが基本である。本格的に遠出するときは、道の駅、SA、スーパーやホテル、平日なら公共施設なども含めてあらかじめトイレの場所を確認するようにしている。これまででは「しまなみ縦走」のときのトイレの確保が大変だった(が何とかなった)。
 
6 外出先、勤務先、あるいは旅行先などで失禁してしまった場合に、どのように対応したか、ご経験をお教えください。
 尿をオムツに漏らすのは日常茶飯事だが、便は、外出先の公共施設の身障者用トイレで処置したことが数回ある。汚れたTシャツはそのまま捨てたがズボンは汚れをふき取っただけでそのまま履いて帰って着替えた。なかなか厳しい経験だった。漕走で何時間か経つと突然そういうことになるので対応がしにくいと感じる。対応はできたが、対策はなかなかない。

7 人工肛門や膀胱ろうを造られている方で、外出や旅行の際に、事前に準備したり、特に気をつけたりしたりしていることがありましたらお教えください。
 人工肛門、膀胱ろうではない。

8 その他、排泄の工夫について、社会参加の観点から役に立つ情報があればお教えください。
 役立つ情報ではないが、意見はある。「みんなのトイレ」は理念的には賛成だが、数が少ないのにみんなが使うと、そこしか使えない脊損者が困るのは確かである。かといって「車いす用」としてしまうと内部障害者や人工肛門の人が入れなくなる。「みんなのトイレ」と「障がい者用トイレ」の2つを設けることで、いざというときに使えなくなる事態は随分減るのではないかと思うが。

ついでに。

先日の新聞記事。