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2011NHK杯~2011年11月11日 女子ショートプログラム感想


今日は一気にスケートの感想を書くはずが、マールイでもんもんとしたり、医者に行ったり、
エキシビ観ちゃったり(というか豊かの部屋をじっくり観ちゃったり。。。)、ほかにちょっと嬉しいロシア語を読んだりしていたので、すいません、女子のSPで力尽きました。。。

とりあえず、映像を観ながら記事を書くのは気が散ってよくないなと反省。
母親が「NHK杯総集編録画したけど観る?」というのを必死でやめさせました。
そんなことしたら、テレビの前から離れられません。
(マミーのテレビは今のところ我が家で一番いいテレビなので、これをつけられると、とりこになってしまう恐ろしさ。。。。)

ISU公式リザルトサイト
NHK スポーツ・オンラインのNHK杯特設ページ
・・・期間限定の動画クリップは必見です

女子ショートプログラムの結果
ジャッジスコア
Ladies - Short Program  Result Details
Pl. Name Nation TSS
= TES + PCS( SS TR PE CH IN) Ded. #StN.
1 Akiko SUZUKI JPN 66.55
35.09 31.46 (8.00 7.54 7.96 7.86 7.96) 0.00 #10
2 Alena LEONOVA RUS 61.76
31.79 29.97 (7.43 7.04 7.82 7.50 7.68) 0.00 #9
3 Mao ASADA JPN 58.42
28.33 30.09 (7.68 7.25 7.54 7.54 7.61) 0.00 #7
4 Elene GEDEVANISHVILI GEO 57.37
29.80 27.57 (6.89 6.54 7.07 6.93 7.04) 0.00 #5
5 Ashley WAGNER USA 55.88
29.45 26.43 (6.61 6.39 6.79 6.61 6.64) 0.00 #4
6 Agnes ZAWADZKI USA 53.84
29.39 24.45 (6.29 5.89 6.00 6.21 6.18) 0.00 #2
7 Kiira KORPI FIN 53.70
24.31 29.39 (7.46 7.14 7.25 7.39 7.50) 0.00 #8
8 Mae Berenice MEITE FRA 52.05
29.90 22.15 (5.86 5.25 5.54 5.54 5.50) 0.00 #3
9 Cynthia PHANEUF CAN 45.42
21.00 25.42 (6.39 6.21 6.18 6.46 6.54) 1.00 #6
10 Shoko ISHIKAWA JPN 45.07
23.64 21.43 (5.54 5.25 5.32 5.50 5.18) 0.00 #1




Shoko ISHIKAWA JPN
石川翔子 日本
La Rosa performed by Vale Tango

SPは宮本くんの振付ですね。
冒頭の3トゥループ&トゥループ、ちょっとセカンドが怪しいかな、と思ったのですが、
得点が出てみたら、3&3を決めたわりには低かったので、(2アクセルがシングルになっちゃったのもありますが)やや回転が足りていなかったみたいですね。
フリップもぎりぎりだったかな。
ジャンプはいいときの翔子ちゃんより、若干あれれでしたが(いいときはとても余裕があってオトコマエで好きなジャンプです。)
全体的には大きく動けていたとおもいますし、最後のフライングキャメルスピンもスピードがあって良かったです。
2回目でも緊張すると思うNHK杯、しかも第一滑走です。
きっと精神的にきついものはあるかと思うのですが、衣装も笑顔も素敵だったしタンゴのキビキビ感も良かったと思います。もっとキメキメ感といいますか「アタクシを見なさいよ!」みたいな迫力が出てきたらいいなあ。


Agnes ZAWADZKI USA
アグネス・ザワツキー アメリカ
Harlem Nocturne by Earle Hagen, arranged by David Rose
Whatever Lola Wants performed by Stan Kanton
Harlem Nocturne arranged by Duke Ellington

コーチが変わったのですね。ザカライセック先生じゃなかったよ。今季からコーチチェンジしたそうな。
彼女も3トゥ&3トゥを入れてきました。
ほんと、女子も3回転&3回転時代に、ほ~~~んとに、なりましたね。
意外とここまで長かったと思います。みどりちゃんやクリスティーが跳んでた頃からすると、実に実に長かった。それだけ大変だということなのですね。

3&3トゥは、セカンドジャンプでちょっと回り込みましたが、こらえました。
3ルッツはお手つき。
それ以外はなかなか良かったと思います!

アメリカも層が厚いですね~。

まだ淡々と滑っている「ハーレムノクターン」なので、もっと強弱のメリハリとかつけたら魅力アップすると思いますね~。

Mae Berenice MEITE FRA
マエ・ベレニス・メイテ フランス
Derniere lettre du Prince by Henri Torgue

青い綺麗な色づかいの衣装です。胸元と背中の紐の造りがその色使いに比べるとちょっとテケトーに見えちゃうのがもったいない。
それにしても今回の女子は背が高い子が多いなあ。

3トゥ&3トゥ、3ルッツ、2アクセルとジャンプは全部入りましたが、3ルッツはあまり綺麗な空中姿勢じゃなかったです。でもウォーミングアップでも上手くいってなかったのに、試合できちんと降りてすごいです。

マエ選手は大柄だし、なんだろうな、まだあんまり動きがシャープじゃないというか、
ジャンプやスピンの軸がもっとピーンとしてくるといいんじゃないかと思います。
SPだといいけど、LPだとなかだるみしちゃうというか、亡羊と見えちゃうきらいがある。
だもんでボナリーには見えませんでしたね。ボナリーはゴムマリというか、バネみたいというか、とにかく敏捷性が凄かったですから。

まだ17歳ですか~。今季の世界選手権は地元フランスですから、シーズン終盤までにルッツの調子を戻して頑張ってほしいですね。


Ashley WAGNER USA
アシュリー・ワグナー アメリカ
Pollock by Jeff Beal

ああ、麗しのアシュリー!紅い衣装がこれまた綺麗です。
なんてなんて彼女は素敵なんでしょ~。
もう、毎年来日してほしいです。
アシュリー枠、設けてほしいですよ。
3フリップ&2トゥ(トゥループは両手をあげて)、今回はルッツではなく3ループ。
コンビネーションはマイナスがついてましたが、両足だったの?あんまりよくわかんなかった。
(真央ちゃんと一緒で、フリーレッグを上げるのがちょっと遅いような気がします。)

今季からジョン・ニックスコーチに変わりましたね。プリシラ先生とのコンビも好きでしたが、
なかなかニックス先生との環境もよさげでなにより。
てか、ニックス先生、老けたなー。

年々アシュリー、腕がたくましくなってる気がする。(健康的でいいけど)
上半身の彼女の表現好きなのですが、PCSが思ったよりあまり伸びないのは、足元への評価が低いのかなー。
ま、可愛いし素敵だからいいです。
フリーでの巻き返しが期待できる仕上がり具合でした。


Elene GEDEVANISHVILI GEO
エレーネ・ゲデヴァニシヴィリ グルジア
Tango Jalousie by Jacob Garde

黒と赤の衣装でジェラシー。
髪も曲によりますが、わたしは黒いほうが好きかなー。
シースルーの具合も素敵だし、最後のキメポーズのなんてかっこよいことでしょう!
あ~、久しぶりに会心の出来!、、、、とまではいきませんでしたが、2アクセルのぐらつきが勿体無い!
それにしてもいい状態のエレーネに出会えて、スケートファンは嬉しかったと思います。
衝撃的だった、トリノ五輪のSPから、もう5年たっちゃいましたものね。
誰もが「この才能をこのまま埋もれさせるなんて勿体無い!」と願っていたと思います。
ようやく、オーサーとウィルソンという、素晴らしいコーチと振付陣、いい練習環境という、
才能を開花させるに、もってこいの条件を手に入れることが出来て、良かったと思いますね~。
オーサーは、いろいろ言われているけども、個人的にはジュニア選手やシニアでも若い若い子をみるのが上手だと思うので、相性もいいんじゃないかと感じました。



Cynthia PHANEUF CAN
シンシア・ファヌフ カナダ
Unbreak My Heart/Spanish Guitar
Bordao en oro
Afternoon at Satie's by Jesse Cook

シンシア、どうしちゃったんでしょう。。。。
ここまで不調だと、心配です。
彼女のレイバックスピン好きなのですが、スピードなかったなあ。
最後は音楽からも遅れちゃってたし。
課題のルッツでの転倒はともかく、難度を上げたかったから入れただろうループもダブルになっちゃって。
いい作品だと思うので、四大陸やワールドではクリーンな滑りに期待したいです。


Mao ASADA JPN
浅田真央 日本
Sheherazade by Nikolai Rimski-Korsakov

しかしまあ、音源はいったいなんなんでしょうね。
まじでシチェドリンの「カルメン」編曲といい勝負だと思います。
それにしてもあんなに賑やかでうるさいシェヘラザード(や、わたしは楽しくて好きですが、それでも「う、うるへ~~~~」と思ったりしなくもない・苦笑)を、これまた清らかに爽やかに清清しくしてしまう真央ちゃんのすごいことよ。。。なんなんだ、いったい、あのキラキラは。

衣装も良かったよ!(ザ・首輪~な、ああいうデザインはもうやめてけれー)
細い手足が十分生かされて、、、というか、腕がとても雄弁で美しかったと思います。

アクセルすっぽ抜けはありましたが、全然見ていて不安材料は無かったですし、とにかく滑りが綺麗で、笑顔も良くて、、、なんといっても、瞳の煌きが昨シーズンと全然違うじゃないですか。
昨季はなんか、義務だけで滑っていたように見えましたが、今季は滑る喜びが伝わってきて、感動しましたー。

はー、いいものを見せてもらえましたー。


意地悪な物言いをしますと。
ほかの選手にとっては、バンクーバーが終わったあとの昨シーズン、そして今季も、
彼らにとっては「今がチャンス」だったと思うのですね、星取りの。
スポーツ選手ですから、誰だってタイトルは欲しいはず。


キム・ヨナの休養と浅田真央の不調。2人の同世代に競技を続けるスケーターにとって、
常に目の前に立ちふさがる壁が二つともないとき、取れるだけ星は取りたかったと思いますし、
「あのライバル不在/不調のときに勝っても、しっくりこない」という意見もあるかもしれませんが、勝つべきときには勝つというのも、ライバルを追い抜くためには必要なことで。

しかし、このSPを観たとき、わたしは、
「真央ちゃん復活だ。。。。。」とはっきり感じました。
そして真央ちゃんにしても、ほかの選手にしても、「また大変な時代になったな」と。

これまでもテクニックにしても、芸術性にしても、凄い子だと思っていましたし、折々の試合で感動的な場面にもいくつか遭遇していましたが、この日ほど「滑る喜び」を彼女から感じたことってなかったです。今まで、そのときそのときの、周りの期待/課題をこなしていて、
そこに彼女自身の内側から発せられる感情みたいなものが、
なかなか見えてこなかったのですが、それが、このシェヘラザードでは、、、
キラキラでしたね~。

このまま浮上していってほしいな、と思いました。

そして世界選手権なり、五輪なり、そのときそのとき、各スケーターが自分の実力を出し切って、名勝負が生まれるといいなー、と思います。
で、「みんなにメダルあげたいのーーーーー」という悲鳴をあげるような、そんな状況になってほしいな、と。

Kiira KORPI FIN
キーラ・コルピ フィンランド
昨季と同じく、虹の彼方に。
黄色いシンプルな衣装が美しい。。。。。
美人は何を着ても美しいのかもしれませんが、キーラに着こなせないデザインや色って、無いんじゃなかろうか?と思いますね。
ISUの映像でもやたらとキーラのアップが多いのは、絶対に偶然じゃないはずだ。

練習では綺麗に決めていた3トゥ&3トゥは、2トゥ&3トゥになってしまいました。後アクセルがシングルに。ふたつミスが重なると得点が伸びないですね。3ループは美しかったと思います。

Alena LEONOVA RUS
アリョーナ・レオノワ ロシア
Sirens by Harry Gregson-Williams
Pirates of the Caribbean (soundtrack) by Klaus Badelt and Hans Zimmer

これはいい作品だわ。
アリョーナのキャラに合ってるし。個人的には、彼女にはロビンフッドとかも演じさせたい。
ステップが長いような気もするしいかにも「もろぞふ~」と言えなくもないけども、
でもいいよ。すばらしいよ。
(翌日のフリーは全くワタクシ、好きになれないプログラムだったので、余計にこのSPが素晴らしく見えますよ)
あまりの絶好調さとテンションの高さで、なんとなくスピンは荒っぽかったけども、それも作品にマッチしていたような・笑
大ガッツポーズも納得の素晴らしい演技でした。
こりゃアリョーナが1位かも、、、て思いました、このときは。


Akiko SUZUKI JPN
鈴木明子 日本
ハンガリアン・ラプソディー(エドウィン・マートンのアレンジ)

しかし。
あっこちゃんだったのだ、この日はなんといっても。

この日の満足感と感動は、ドリームオンアイスの「リベルタンゴ」と長野メモリアルの「タイタニック」に匹敵します。
わたしはあっこちゃんが好きだし、どの試合の記憶も捨てがたいものがありますが、
やー、やー、やー。

素晴らしかったー!!!!!!

もう、優勝しちゃって、お願いーーーーー!!!!
これがフィギュアスケートだってば!

本日唯一と言っていいくらい、会場全体スタオベでした!
いやもう、ちょっと、人生でこれが最高なすべりなんじゃないかと心配になるくらいの出来栄え。
でも、毎回あっこちゃんは、そういうのをやってのけて、、、さらにそれを乗り越えてきているんですよね。

これはご本人と周りの大きな努力の賜物以外の何ものでもないし、運、不運もあると思いますが、
(しいて言えば、冬季ユニバに出たあれ、あれで幸運を引き寄せたんでしょうね。あそこを逃していたら、復活も、さらなる伸びも、遅かったと思います。)
彼女のこの煌きは、ほかの選手にも、関係ない一般の人にも、すごく励みになるし、何より勇気や喜びを与えるものだと思います。

感動をありがとー、あっこちゃん!!!!




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オシポワとワシリエフの正式なデビューは3月


今回の記事は上半分はまじめに、下半分はマールイ的ぼやきです(笑)


バレエファンの間ではかなり話題になっている、ナタリア・オシポワとイワン・ワシリエフのミハイロフスキー劇場への移籍。

ロイター通信の記事
ミハイロフスキー劇場のニュース

大方の皆さんの想像どおり、
☆ゲストプリンシパル的なポジションで
☆ナチョ・デュアトのオリジナル作品の提供を受けつつ
☆ミハイロフスキー劇場でのいくつかの契約数のステージをこなしつつ
☆世界中で好きに踊りたい

ミハイロフスキー劇場での正式デビューというか、お披露目公演は3月です。
既にミハイロフスキー劇場と5年契約を結んだそうですが、それは3月からなのか、2012年1月1日をもってなのか?ちょっとわかりませんが、
2011年12月1日の公演への出演は、移籍話よりずーーーーーっと前から決まっていたことなので、
「12月1日から正式な移籍」というのは誤解で、あくまでも移籍はそれ以降。



当面の不安は既に彼らの名前で販売してしまっている、12月からのボリショイ・バレエの来日公演でしょう。
ま、このへんは、よほどのことが無い限り、ゲスト扱いかなんかでどうにかなるんじゃないかと。
そこらへんは、ビジネスですし、契約云々もあるだろうから、昔みたいに『劇場側(もしくは芸術監督だったり政府だったり)の逆鱗に触れて海外渡航不許可。仕事とりあげ。』みたいな無茶は無いと思います。
でも「よほどのこと」があると、わかんないですけどね。
なにしろロシアですからね。

オシポワとワシリエフ目当てでなく、ボリショイ目当て、作品目当て、バレエだったらなんでもOK、などなどの理由でチケットを購入した人は実害ないでしょうが、
彼らのことが大好きで、その日の公演のためにお休みの算段などをして、チケットを購入されたファンの方もいらっしゃると思います。
ですので、間近にせまった今度の来日公演では、可能な限り予定キャストで公演が行われるといいなと思います。


わたしは、格別彼らのファンではないのですが、ワシリエフを観るんだったら、スパルタクスかなあ、どうせ観るなら名古屋のでかい劇場なんかで観たいかなあー、なんて思っていました。
オシポワは、なんでしょうねー、最初に思ったのとは違う方向へどんどん進んじゃっているみたいでね。最初は、強靭なテクニックと豊かな芸術性をもって、ステパネンコ姐さんみたいになるんじゃないかと期待していたのですが。

っていうか、なんでそこまでワシリエフとオシポワはセットなんだろうな。
2人ともアクロバティックなところやスーパーテクニシャンぶりが強調されるここ数年ですが、
本来、違うタイプのダンサーだと感じています。

とはいっても、熱心に彼らを観てきたわけではないので、たいしたことは語れないですけど。。。

しかしなんで、マジで、マールイなんだろうネ。。。
ナチョの作品の魅力と、その他諸々の条件が良かったんだろうネ。。。

移籍したいというか、もっともっといろいろなレパートリーが欲しいという気持ちは痛いほどわかります。ダンサーの肉体には限界がありますから、踊れるうちにばんばん踊りたいと思う。
新作にも飢えていただろうし。
かのナタリア・マカロワも、亡命するまで来る日も来る日も、「ジゼル」と「白鳥の湖」ばかりという日々だったというし(入団以来、いろいろなタイトルロールを踊ってはいましたが、10年近くあれだけの才能の持ち主がジゼルとオデット/オディールばかり踊らなければならないなんて、息が詰まってしまいますよね。)


オシポワとワシリエフにそれぞれ与えられていた役柄、与えられたかった役柄、それにはいろいろ理由があると思います。
劇場側(監督や教師も含めて)が彼らに新しい役柄を与えなかったのが残念ながら過ちだったのか、
それとも「彼らの芸術性は『この役柄まで』」と範囲を決めていたことが、芸術的解釈として真に正しかったのか、
それはこの先答えが出るのかもしれませんし、わからないままなのかもしれません。

ただ、これだけは言えるのは、これまで彼らが与えられなかった役柄に関して、前の監督も今の監督も、教師たちも、「彼らには与えられない」と思うなんらかの理由があったのだと思います。
平たく言えば、これまでの劇場幹部も、今のフィーリンも、彼らの芸術性を受け入れていなかったということです。
(いつかデビューさせたいとか、そういう準備をしているなら、彼らも出て行くことは無かったと思います。)

もしかしたら劇場側にはきちんと育てようという意思があったのに、
それがちゃんと彼らには伝わっていなかったという不幸な可能性もありますが。

ただ単に、芸術監督との相性云々や、結局は人間同士ですから、エゴのぶつかり合いもあったかもしれません。

それは当事者じゃないとわからないことですものね。

プリセツカヤのように、60、70歳まであのように踊り続けられる人は限られていますし、オシポワとワシリエフは、ただただ、失われていく時間が惜しくて、自分たちがつかめるチャンスを正直につかんだだけのことだと思います。
今より若いときはないのですから。

時間や自由や新作と引き換えに、これまでのボリショイのスターダンサーの地位を捨てたことが、どんな結果になるかは彼らの今後の努力次第だと思います。


ロシアの劇場のダンサーは、好きなときに好きな場所で、レッスンやリハーサルをする自由があるという話が昔はありましたが、今もそれはそんなに変わってはいないと思います。
(あいかわらずルジマトフもマリインスキーやマールイでレッスンしているし)
(ま、おいそれと、「わたしはこの先生に教えてほしい!」というわけにはいきませんが)
だからオシポワとワシリエフがロシアを拠点にするというのは、彼らのためには良いことなんじゃないかと思います。新しい先生にしろ、これまでの先生にしろ、同じロシアにいるのですから。



しかしまあ。(ここからぼやっきー)


「腐ってもボリショイ」という言葉があるように、
腐っていようが、腐っていまいが、ボリショイはボリショイです。
(あ、誤解を招く言い方ですが、わたしはボリショイバレエが大好きです。)
ネームヴァリューは凄いものがあります。
その劇場のスターダンサーの地位と引き換えに、「ゲストプリンシパルの立場を得つつ、あちこちで自由に活動」だったら、海外のメジャーバレエ団(ボリショイと同格かそれ以上の)を拠点にしそうなものですが。
あるいはボリショイにいたまま、もうちょっと自由にあちこちで踊るとか、ね。
でもそれは折り合いがつかなかったみたいですもんね。
(まあ今までのボリショイで、それを名実ともに体現できていたのは、ニーナ・アナニアシヴィリだけでしょうし、オシポワとワシリエフがニーナと並びえるとは、、、まだ言えないです。)
いきなりフリーランスで活動、ってのは無茶だし。(そんなのできるのはニーナやギエムくらいだよ。。。。)
ほんとはパリ・オペとかが良かったのかなあ。

それがマールイだもんなー。


移籍というか、ボリショイのポジションを捨ててほかへ拠点、というお話そのものは「びっくり」なのと、まあ、、、理由はわかるよー、なんですが。


それが移籍先がマールイとなると、ええ、もう、ただただ『困惑』(苦笑)
最初に聞いたときは
「ほんとにあのオッシーとワッシー?」と思いましたもんねー。


ですが、心から愛した「マールイ」ってのは、実はもう、既に「砂の城」のようなもので、いつも風にあおられ、浸食されているもの。。。。もう、思い出なんですよね、悲しいけれどもそれは現実。
今は言葉は悪いですが、惰性というか妥協で、まだ残っていてくれるダンサーのためにファンを続けているようなもんだからさ。

はー。

すっきりしないわ~。

正直な気持ちとしては、オッシーとワッシーには好きにあちこちでガンガン踊って下さい、
ほんで、これまでのソリストたちの出番をあまりとらないでくれたまえ~、

という、ええ、ほんっと、ワタクシって心が狭いなあと、自分でも嫌になりますが(苦笑)
オシポワとワシリエフには全然うらみはないんですよ。
好きも嫌いもないんです。

ですが自分のご贔屓さんたちが、てんでキャラが弱いもんでねぇ。
詰めが甘いタイプだもんなー、彼ら。。。太刀打ちできないよ。

現実的に、クラシック作品に関しては、そんなに実害(ごめんなさい)はなさそうなんですけども(オシポワとワシリエフが古典もばりばり踊りたいってなら話は別ですが。でも古典を踊りたい時なら、たぶんマールイよりマリインスキーを選びそう。)
ただ、もっと現実的な話、ナチョの体制になって、クラシックの上演機会、確実に減ってますから。
そこへサラファーノフ、そしてオシポワとワシリエフ。
彼らが踊るナチョ作品とクラシック作品の数を引いて、さらに、わたしの御贔屓さん以外のスターさんの出演数を引くと、、、、

マジで、「あたしの観る日ってあるのかな」状態。

ええ、ええ、いいんです、そりゃもう、もう20年来、「真ん中はいい、カンパニー全体のファン」を続けているんですから、慣れてますから。
慣れてるけど、寂しいなあ。

これで今度の冬の公演数が例年通りあれば、行けるだけ行きまくっちゃうよ、なんですけども、
公演数が少ない上、自分が行ける日って、どれくらいあるのかな?チケット全部買ってあるのにな、運任せってどうなんだろうな、、、、って。
現実は受け入れないといけないとわかっていますが諦めがつかないというか寂しいというか。


でも思うんです。
これまでたくさん素敵な感動をいただいてきたのだから、そんなに欲張っちゃいけないのかな、、なんてね。(もう、すごく弱気ING・笑)
今度の冬、たとえ3回くらいしか観に行けないとしても、その公演の成功を心から祈りたいと思っています。


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