NHKドラマ「夫婦善哉」では、
蝶子さんこと尾野真千子さんが
素敵なきものを見せてくれています。
とんぼの帯が素敵
ダメンズ男としっかり者の女というこのお話、
男がよほど魅力的じゃないと、
女の強さだけが浮き彫りになってしまうなあ、
と思いつつ拝見しておりました。
船場の化粧品問屋のぼんぼんに
森山未來さん。
うまい役者さんだなあとは思うのですが、
男の色気というものがチト~~。
ふと思いついて、昔の映画を見てみました。
男は森繁久弥さん。女は淡島千景さんです。
いやあ、もう堪能、納得。
モノクロの古い映画なので最初は
ノラなかったのですが、
森繁さんの男の色気とズルさと
可愛さはもう抜群。
こんな魅力的な男となら、
苦労も楽しかろと思ってしまうほど。
淡島千景さんの蝶子さんが、
彼と一緒にいるだけで
嬉しくてたまらないという様子が、
画面から伝わってきます。
深刻なシーンも、
森繁のしゃべりで思わず笑ってしまいます。
蝶子の尽くし方は考えられないほどで、
①タバコの火を自分で
点けてくわえさせてやる、
②トイレから出てくるときには
手ぬぐいを持って待っている、
③きものを着かえさせてやる、
④ご飯粒が口の周りにつくと、
すかさず取ってやる、
ともう至れり尽せり~。
過保護の母親みたい。
いえ、過保護の母親でも
ここまではやらないでしょう。
それも森繁の甘え方がうまい、
うますぎるせいで決して不自然には見えない?
森繁さん、この時御年42歳。
顔も大きいしイケメンとは遠いのですが、
「おばはん、頼りにしてまっせ」
と言われると、蝶子でなくても
「まかせとき、おっさん」
と言いたくなるほど?
映画では最後に、
勘当され行き場のなくなった二人が
「夫婦ぜんざい」を食べるのですが、
そのシーンでは涙がこぼれます。
小雨降るなか、柳吉が
「ふたりで濡れていこか」
といえば、蝶子は
「はい。ええ、道行やわ」
というラストシーン
モノクロなので、
残念ながらきものは
はっきりとはわからないのですが、
日本髪とは別の蝶子の髪型がステキ
こういう人情ものは苦手なのですが、
この映画は見てよかった。
男のダメさもここまでになると、
女もシアワセになる?
森繁、改めてすごい役者さんだなあ
との思いを新たにしました。
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