こんなとき、仕事関係の集まりが銀座であり、何を着ていこうかと迷いました。
一度も袖を通していない絽があって、一度くらい着てみたいとは思うのですが、今頃絽というのも抵抗あるし、私にはしてはドレッシーかも~~。
迷ったときの虎の巻にしているのはいつものこちら。
幸田文の「きもの帖」(平凡社)です。
この本のいいところは、実用と心意気の両方のアイデアが詰まっていることです。
早速、夏の終わりの項目を探してみました。
今度は文さんの父露伴氏のタイムリーなアドバイスを見付けました。
夏の終わりには、「逝く夏を送る心意気を持って、ぴんとした新しいものを着ろ」と仰るんですね。
「目の先にくる季節のことばかりに、終わろうとする季節を惜しんでなごりがないのは疎ましい。夏の終わりにはたとえ木綿でも新しいものをしゃんと着て別れようとする心意気が欲しいものだ」
「別れ際に風情のない女になんて、おしゃれもきものもあるものか」とこれは父娘揃って、いつもながらのキビしいお言葉。
というわけで、自分では「風情あり過ぎて」?気が引けていた新しいグレーに雪輪・コスモスの絽をチョイス。
このきもの、買ったものの、柔らかもの着こなせなくて箪笥の肥やしになっていたものです。
着つけも少しはマシになったかと思い切って着用。
おはしょりの辺り、手で隠しているけどモサモサしていますね
急いでいたので、このまま行きお直ししました。
帯・ピンク濃淡に波模様の紗帯。
帯揚げ・茶に絞り
帯締め・茶にベージュ。
露伴先生のお蔭で?、夏の終わりに、ようやくこの絽も陽の目を浴びたわけです。
この項続きます。
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