天気がいいとお洗濯をしたくなります。
日常のお洗濯と違い、きものの洗いは、気分が乗ったときだけやればいいので、とても楽しい。
で、今回は仕事の合間を縫って薔薇柄の小紋を洗いました。
袷だったので、ほどいての洗いです。
きもの着始めた頃に一度だけ着ました。
黒地に薄~い緑の薔薇模様が
とても可愛い小紋ですが、なにしろ身丈も裄も短い。
襦袢、袖から見えています。
「色っぽいキモノ」のナギ先生によると、かつては襟からも袖からも襦袢を「見せて」いたそうで、きものからちらりと見える襦袢が色っぽかったんだとか。
で、私も色っぽく、いや違うでしょう、単に短いのに気づかなかっただけでしょう、はい。
身丈、短いから、暇ひまに解いて、そのまま箪笥の肥やしになっていたのですが、整理をしていて見つけたので、洗うことにしました。
縮緬みたいなので、洗うとダメかなあと思ったで、最初は、おくみの部分だけをそっと洗ってみました。
しかし、縦横とも変わらず~~、勢いを得て、まずは身ごろを一枚洗います。
洗剤が落ちたら、バスタオルに包み脱水を30秒くらい。
手で軽く伸ばしながら、干します。
そのあいだに、アイロンを適温(といっても最高温度ですが)にしておき、裏からどんどんかけていきます。
最初は掛け布をしていましたが、いつも通りだんだん大胆になって、そのままかけていきます。
別に変わりないみたい。
アイロンかける前です。
裏にシボが寄っています。
最初に測っておいた身ごろは155センチ(半分に折っての計測です)でした。
洗ったあとに測ったら、横は同じ(伸びたくらい)、縦は5ミリくらい(ということは1センチ)縮んでいましたが、アイロンをもう一度かけると前より伸びていました。155・5センチ、全体では1センチの伸びです。
絹は「濡れたときに一度縮み、乾くときにまた縮む」ように思います。
だからアイロンで伸ばしながらやると、布も驚いて?、ほとんど縮む暇がないようです。
「濡れているときにアイロンをかけると、縮まない」
これは友禅の先生の教えです。
日頃から絹と水の関係を知っている方ですから、結構大胆なんですね。
「先生、今度単衣の紅花染めのきもの洗おうと思うんですけどーー」
「紅花だって、普通の紬だから洗ってもいいんじゃない」なんて。
まあ、そのはずですが、これは少し迷っています。
昔は、アイロンという便利なものがなかったから、伸子張りで、乾くときの縮みを抑えていましたが、
張っているところはいいけど、ほかの部分はやはり縮むはずです。
アイロンという便利なものがあるので、絹は昔よりもっと普通に洗っていいはずでだと思うのですが。
伸子張りの道具を購入しました。
少し前に、たまたまぶつかった骨董市で新古品す。
珍しいので、どんなものかと購入してみたわけです。
で、小紋の少しシワっぽいとことに伸子張りをしてみました。
いまさらやってもと思われるでしょうが、こうしておけば、アイロンでのシワ伸ばしムラが少しは矯正されるのではないかと思って~~。
伸子張りよりアイロンが役に立つことがわかっただけでも、購入した甲斐はあるというもの?
箪笥の肥やし? いえ、これって友禅染めのときに、布が縮まないように使うんです。
アイロンかけたあとにこうして伸ばしていると、それだけで満足~~。
洗った小紋の生地、帯にしようかと思ったけど、足し布をして単衣の小紋に縫い直そうかなあ~~。
そんなこと考えながら作業する、とても楽しい時間でありました。
今度は襦袢でも洗ってみます。
いつもながら、参考に、いえ、「いい子はマネしないでください」、でしたね。
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