写真はなかなか入らないけど、
文字はまだ入るので、今回は文字主体です。
高齢化から超高齢化社会になったそうで、
これからはますますメディアでも、この手の話題
増えそうです。
その多くは「若く明るい」といった枕詞が多い。
そりゃあ、現実の悲惨さは
あまり見たくないけど、
その元気な人たち、ではいつ寝たきりになり、
どんな最期を迎えるのか。
その辺りはボカシ気味。
このモヤモヤ辺りはどうなっているのかな、と
思っていたところ、もう絶好の一冊が。
老後についての本は数々あれど、
こんな本は初めて読みました。
老後学?始めたばかりで
知識がないせいかもしれないけど。
「死にゆく者の礼儀」(筑摩書房)
「東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ」が
面白かったので、
この方の介護、老後、死にたいする考えを
知りたかったのです。
この方の両親の生き方が壮絶。
母親はチェーンスモーカーでパチンコ依存症。
父親は結婚前から愛人がおり、酒を飲んでは暴れる。
幸い、家はお金持ちではあるが、そのお金を
介護やら生活やらには使わない~~。
そんな素の両親の姿を率直に書くとともに、
彼らへの愛情もハンパない。
本は、両親の介護から死を看取った、
そのプロセスで見聞きした経験を
綺麗ごとではなく書く。
曰く、
「おじいちゃんと孫という幻想」
「寝たきりに楽しみはあるのか」
「老人病院で老いを比べる」
死への果てしなき老い
その治療、どこで止めるか。
そして最終章の
「老いを先取り、今に生かす」などなど。
その上で
自分もいつか老い、死ぬものとして、
「ぎりぎりまで健康であった人の老いと
死はどういう姿になるのだろう」
それを実践するためには何をすればいいのか、
を考える。
そのためには、
1 老いは気づいた者勝ち
として、自分は若いとムリするのではなく
早めに対策を立てる。
「傾向と対策」ですね。
よい老いは、できるだけ長いあいだ、
自分で動かせる体があり、
やりたい楽しいことがあること。
健康、そしてウキウキ探し。
2 自分が好きに生きるのを邪魔するものは
何かを考えて、それを排除する方法を考える。
経済か、家族か、自分自身の「思い込み」か~~。
特に健康への思いは強くて、
タバコや酒、健康を害するモノ、
特に煙草への憎悪はすさまじい。
それはそれが両親の寝たきりの原因でもあり、
苦しさの原因でもあったから。
介護している人は、
「大変、シンドい」ばかりではなく、
その現実から自分の老後や死を学べる、
だから幸いだとか。
私は、両親の介護、死のプロセスを
思い出しながら読んだよ。
借り写真。この方です。きれいです。
年齢公開していないけど、50代だと思う。
年老いて健康な人にも必ず
「病気が訪れ、徐々に弱っていく」
その日が来て、愕然とするのではなく、
その元気な日をいかに延ばすか、
老いを恐れて守りに入るのでもなく、
運任せにするのでもなく、
老いを迎え撃つ。
もちろん最後は負けるんだけどね。
タイトルの「死にゆく者の礼儀」
これは介護される側の礼儀、
なのかと思っていたら、
死にゆく者、とは生まれてきた人全部、
つまり、その生と死、いかに戦うかが
残された人たちへの教え、礼儀になる
というんですね。
ブログやっていたお陰で、この本読めて
よかったわ。
この本、読んだモン勝ちだわ。
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