先に「昭和初期風」の着付けをしたあとで、「花子とアン」を見ると、いきなりその着付けに違和感を感じてしまいました。
たった一度なのに、これは自分でも不思議。
きっちりとした性格が出ているとしか思わなかった花さんの着付け。
きれいとしか思わなかった蓮子さまの着付け。
しかし、いく大富豪の奥様でも、普段はもっとリラックスした着方をしてもいいのでは?
花さんにしても、忙しい身で自分で着る(設定)なわけだから、それこそ一糸乱れていない着方はちょっと不自然?
戦前までは、自分で着ていたわけだから、今からみると多少の乱れは普通。
下は白蓮さま。
「ごちそうさま」はもう少し緩かったような気がします。
ドラマですからと言ってしまえば、それまでですが、杉村春子さんなど、ドラマでももっとリラックス、そこにご本人の個性やら人柄が表れているように思いました。
「花子とアン」、女学校時代でも、生徒さんたちの着方、ほとんど違いがない。
一度試したくらいで、と言われそうではありますが、自分が抱き始めた違和感はいかんともしがたい。
「花子とアン」、現在放送しているので、わかりやすい例としてあげています。(念のため)
下の写真は「細雪」のモデルになった姉妹。
やはり自分の顔型や雰囲気を知った着こなしをしているように思えます。
帯周りは緩く、補正はしていないよう。
やはり上の生徒さんと比べると、それぞれの個性が出ているように思えますがいかがでしょうか。
映画の「細雪」
姉の着付けを手伝う佐久間良子さんと岸恵子さん。
ドラマには着付け師さんがいらっしゃるわけだけど、時代背景を少しだけ考がえて、もう少し「普通」に着てもいいかも、と思いました。
それとも、先に私が経験したように、もう「昭和初期」の着付けは難しい~~。
着付け師さんも、できる人は少ないのかもしれません。
現代では「緩く着つけする」ために着付け師さんにお願いする人、いませんものね。
時代考証家という仕事があるように、「時代考証着つけ師」、どなたかやってくれないかしら。
あるのかな?
あるいは、こういう戦前のドラマに出る女優さんは、わき役も含めて、きものを自分で着る特訓をする。
その上で着つけさんに、ちょこちょこっと直してもらうとかね。
そうすると、女優さん志望は「きもの着つけ」は必修となり、少しはきもの文化に貢献できるかも?
そのほうが個性と画面に変化が出るのでは。
「寝坊して出た朝」と「好きな人に会うとき」と、着付けにも違いがでると面白いと思いますが、今やそんな細かい「きもの芸」は無理なのでしょうか。
時代が違うのに、また同じ時代でも、皆が同じような着付けになること、それはきものにとってもあまりシアワセなことではないような気がします。
私自身はきれいな着付けと普段着付けと、メリハリある着方ができるといいな。
関連記事
励みになります。
応援ポチ嬉しいです。
多少違和感はあっても、着物を着てる主人公のドラマが毎朝見られるだけで楽しいですよ。
コメントありがとうございます。
本当に仰る通り「きものの出てくるドラマ」は私も大好き、眼福です。私の言うことは過分な願望ですね。でも「きものが非日常になった」からこそ、温故知新じゃないけど、昔のきもののこと、着かたに限りませんが、伝統を生かせる、現代に生かせるのはドラマ、それもNHKくらいしか希望はないかなと思ったわけです。コメントいただくと、自分でも再度考えますのでとても勉強になります。
朝ドラの後のあさイチに出演された時に
ノートを公開されていたのですが
着付けのことかなり細かく書いていらっしゃいました。
ちょっとうれしいし女優さんってすごいなと思いました。
大阪弁のイントネーションも頑張って台本に書き込んでいらっしゃったし。
撮影以外もかなりの時間を役作りに費やされていますね。
いつも衣装さんの事ばかり書いていますが
演じる人の努力もすごい!
ごちそうさんのオープニングのめ以子の
衿の開き具合がかなり気になっていたのですが
それをマネようとしてもあんな風にきれいに開きません(涙)
最近の私のテーマは衿ぐりを開ける。
ちょっとでも涼しくなるようになのですが。
もうひとつ思い出しました。
鈴木保奈美さんが昨年の「大人が始める普段の着物」という雑誌に掲載されていたのですが
ここからはまるまる引用
「大河ドラマって劇中で着物を着るのはもちろん、
リハーサルなど楽屋でもずっと浴衣で過ごすんです。
最初は昔から持っていた浴衣を引っ張り出して着ていたのですが、そのうち新しいものがほしくなり、
さらに家から着てそのまま帰るほうが楽だな、と思い始めて。
じゃあ浴衣ではなんだからウールや木綿など、普段着としての着物を着よう、と」だそうです。
そうやって着物を着始める女優さんも
たくさんいそうですね。
おそらく杏さんも鈴木保奈美さんも
撮影は自装ではないと思いますが。
もしかしたらこう着たいってリクエストを
着付け師さんにお願いしていたかも?
私も、おはしょりを皆がピシーッと真っ直ぐしていて、
朝からお太鼓を背負って、
いかにもバブル以降の、着物学院仕様の着物を着ている明治時代のドラマをみると、皆、着付けてもらったのか!?と、突っ込みどころ満載で笑ってしまいます。
カツラの生え際の不自然さに気づいても、昔サイズの着物を用意する事までは、まだならない様ですね。
コメントありがとうざいます。ものすごく参考になります。そう、女優さんでも、こういう熱心な方がいらっしゃると安心です。私が安心するのも変ですが(笑)保奈美さんは、おうちでもきもの着ていらっしゃるんです。
杏さんの話も素敵です。そう、「こうして欲しい」という要望を出していらっしゃるような気がします。そういうの聞くと、もうますますファンになります(笑)
ありがとうございます。
コメントありがとうございます。バブルの以降の着付け~~。なるほどね、そういう風に感じていらっしゃる方もいたんですね。私は、こんなものだと思って見てたんですが、自分でやってみて、はじめて気づいた次第です。
跳びあがりそうなコメントありがとうございます。そんなふうに言っていただけるようになったのかと、試行錯誤の甲斐がありました。きものを着るとき、気を付けていることは、やはりヘアと襟もとでしょうか。ヘアがまとまっていないとNGだし、襟元がきれいにできると気持ちいいです。拙ブログではありますが、「襟元」に関して結構試行錯誤しています。こんど見ていただければ嬉しいです。「試行錯誤の結果・劇的きれい襟周り」
http://sionn.blog.ocn.ne.jp/blog/2014/03/post_e9f3.html