わが家の多くの面積を占めているキモノやら布やらの
再利用を考えているこの頃。
書店に行っても図書館に行っても
「古布」という二文字があるとつい
手にとってしまいます。
そのなかで見つけた素晴らしい一冊。
「手縫いの魔法」(求龍堂 林アメリー)
表紙の作品を見てもわかるように、
もう手縫いというより芸術に域に~~。
彼女は、クリスチャン・ディオールのアトリエ副主任として
働いたあと、来日してキモノに出会い、
その美しさに感嘆して、
キモノを材料にパッチワークを始めたそうです。
まず驚くのはその色彩センス。
さすがはディオールで修行した人だけあるわ、
という感じ。
古い、きものが鮮やかに現代に
洗練されてよみがえっています。
彼女の色彩で目につくのは
「赤」の使い方。
日本には紅絹という鮮やかな赤があり、
今では少し「野暮ったい」と敬遠されている
ような気がするのですが、
配色によってこれほど洗練された色になるのかあ、と
目が覚める思い。
生地を細長くカットして組み合わせているけど、
素晴らしい配色だと思う。
「国芳・国貞展」でも感じたことですが、
赤が入ることで、人も景色もイキイキと輝いてくる。
歌舞伎の緋色、日の丸の赤、
日本人(アジア人?)は赤が好き?
それとも、ワタシ還暦過ぎて
「赤」に魅かれるのかしらん?
とても真似できませんが、
こういう優れた色彩バリエーションを
できるだけ多く目にすることで、
少しは配色センス磨かれるかも?
若いときのアメリーさま。
ルックスも美しいけど、きもの
きれいにお召しになっています。
「思いついたデザイン全てを実現することは
できないとわかっていても、
想像したり夢を描いたりするのは、
いつだってとても楽しいものです」
とはアメリー様の言葉。
頭のなかで想像することからすべては
始まるのよね。
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