閃き

変化も気付く事も無い平凡な毎日の中にきっと閃きがあるはず。閃きを求めた記憶

大先輩たち

2017-12-18 18:51:40 | 閃き
父の叔父がお亡くなりになられた

百歳まであと少しといったお歳で、いわば大往生であると喪主である息子さんは葬儀の挨拶でこう述べた


実父を早くに亡くした私は若いころから祖母の兄弟の皆様やそのご子息の方々とお目にかかることが常であった

私からみれば大先輩たちである

実父が死に、祖母が死んで、その時以来、祖母の兄弟の葬儀に我が家の主として出席するようになっていた

しかし若造である私は大先輩の方々の傍らで大人しくしているのが精いっぱいであった

祖母の兄弟で元気でいるのはあと二人となり、暫く時間が経過していたが、突然の訃報に恐縮した

日頃の無沙汰に合わす顔も無いと、大先輩たちに申し訳なく思っていたのである

思い起こせば前回、お会いしたのは大先輩方がまさしく脂の乗り切った活躍の世代である

それが一番の若造が還暦になり、既に大先輩たちはリタイアされて10年以上経過している


葬儀並びに告別式、を経て荼毘に臥す一連の中で当然、大先輩たちと過ごすことになる

大先輩たちは恐らく昔の話に花を咲かせるに違いないし、今も唯一の現役である私に質問の嵐を浴びせるに違いないと、なるべく近づかないようにしていたが、当然の如く話しかけられ予測が的中してゆく

幾度となく繰り返す内容に飽きてしまうほどだが、次第にうまく省略してやり過ごすようになっていった


お歳は召しているのだが、私からみれば以前と全く違わない容姿に驚くとともに、意外に丸くなられて熱心にお話をしていただいたことに感謝したほどである

喪主である息子さんからは、どこか逃げ腰の私を見抜いて直接指示が出るようになり、一瞬若造の頃に戻った気がした


葬儀でもなければ会うこともない大先輩たちは従妹同士であるので、連絡先を改めて交換したり、再開の約束をする様子を見ると、まるで学校の同級生に再開した雰囲気に感じられ、どこかむず痒い気がした

大先輩たちは歳を重ねても大先輩に変わりは無かった