熊本県北部にある小岱山という山がある。
小代焼きという焼き物の窯があるが、多分にこの山に由来する名前であると思うのだが、山の名とは字が少々異なる。
焼き窯で検索すれば小代焼とさっさと表記されるが、山の名前はまず別に入力しない限り一発変換は無理なようだ。
その窯元を横目で見ながら小岱山の麓を、安・近・短の基本形でおにぎりを持ってぐるりと回った。
目的は「山田の藤」と「トキワマンサクの自生地の花」だったのだが・・・。
山田の神社の境内では藤が良い時期を迎えていた。参道とその両側では藤棚の下で弁当を開いている人達が沢山居た。
勿論年寄りが90%以上だった。
藤棚の下でのおにぎりはとても美味しかった。
そのままトキワマンサクの自生地に移動したが、花は満開の時期をすこし過ぎていた。
実は去年も見に来ていて、通りかかったお宅の人がお茶に誘ってくれて、帰りには蘭の花を持たせてくれた事があった。
花は最盛期を過ぎて見に来てる人は一人もいなかったが、駐車場に車をおいて自生地まで歩く途中で、通りかかった男性が手に持っていたデコポンをどうぞと目の前に差し出した。
「デコポンあります」という看板を途中で見たので帰りに寄って買うつもりだというと、私のところで分けてあげますから、帰りにどうぞ寄っていって下さいという話でその場は分かれた。
ところがその男性の言うデコポンを売っている場所がさっぱり判らない。
角の民家で訊ねると、ここだという答えが返ってきた。
どうやら先ほどの男性の奥さんらしい、千円で箱一杯のデコポンを分けてくれた。
お礼を言ってヨッコラしょと箱を抱えて駐車場へ、後ろから歩いてくる女房殿をみると胸に3個別に車で食べろと貰ったデコポンをかかえている。
安いわ美味いわで、もう言うことなし。
そういうわけで、来年もまたトキワマンサクを見に来たくなってしまう、ちゃっかり夫婦だった。