アカシアの雨

　時々眺めた花木で歌を思い出すことがある。

　気分がよかったりすると、つい口ずさんだりすることさえある。

　例えばシクラメンの花を見ると「♪真綿色したシクラメンほど・・・」と云ったあんばいである。

　昨日のジョギングフェアーの撤収の後、ゴミなどを拾いながら歩いていてふと見上げたらアカシアの花が咲いていた。

　

　「♪アカシアの雨にうたれて　このまま死んでしまいたい・・・♪」という歌詞と旋律と、そして当時その歌をビブラートを抑えた独特の歌い方で唄って人気だった西田佐知子まで思い出してしまった。

　今よくよく歌詞を思い出してみると、失恋の定番のフレーズがちりばめられているばかりなのだが、問題はアカシアの雨に打たれているところなのである。

　アカシアでなければならない必然性が有るように感じるから不思議なのである。

　ジョギングフェアーの準備設営の日は雨で、その時見上げればまさしくアカシアの雨だったのだが、残念ながらその日はこの木がここに有ることすら知らなかった。

　平凡でどうという事もない毎日だが、平坦な生活の中にちょっとしたポイント探しも悪くない。

　「幸せの半分雨に濡れている」