ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

藤井聡太9歳、衝撃の一手

2018-11-02 21:51:40 | 将棋
竜王戦第3局は広瀬八段が羽生竜王を下し初勝利。今期の竜王戦にかける羽生さんの執念、そして研究の深さは想像を絶するものがあると推測します。しかし、唯一、ソフト研究でもわからないのが終盤と言われています。さすがに羽生さんも終盤力の衰えは隠せず、広瀬さんの逆転勝ちとなりました。この竜王戦のポイントは終盤力で上回る広瀬さんが序中盤でどれだけ離されずついていけるか、逆に言えば羽生さんが終盤までにどれだけ差をつけられるかがカギになりそうです。

藤井聡太七段は棋聖戦で村田顕弘六段、今泉四段を破り、2次予選進出を決めました。今泉さんにはNHK杯で負けていますから、リベンジを果たしましたね。

藤井君ファンなら知っている方も多いと思いますが、彼が小学3年の時の素晴らしい一手を記しておきます。対局相手は中澤沙耶女流初段。聡太少年は中澤さんの角打ちで飛車と金の両取りを食らってしまいました。どちらかの駒を逃げているようでは負けてしまいます。ここで泣き出すのかと思いきや、そうではありませんでした。

「両取り逃げるべからず」の格言通り、聡太君も9五角と負けずに打ち返しました。東西南北の西の方向の角。これが桂取りとなっていて、それを放置すれば王手飛車取りとなります。たまらず中澤さんも7三の桂を守るため、7一に香車を打ちました。ここまでかと思いきや桂と香の間の7二に銀を打ち込んだのです。中澤さんは飛車、金、銀、そして打ったばかりの香で取れるのですが、金、銀、香で取るのは飛車の横利きを消してしまい、藤井君の飛車が中澤さんの金を取った上に竜となり、勝負ありです。したがって飛車で取るしかないと思われますが、そこで先ほど打ち込んだ西の角が7三の桂を取り、王手。飛車で取ればやはり横利きがなくなった金が飛車に取られます。仕方なく金を上がって玉を守ってもやはり同じことが起きます。要するにわずか3手で逆転、おそらくこの将棋、ほどなく聡太少年の勝ちとなったと思われます。

すべてを見越して打った9五角。素晴らしい。読んでくれている方にうまく伝わっている自信はありませんが(汗)師匠の杉本七段はあまりに感動し、この図面を書き留めて、事あるごとに他の棋士に自慢したそうです。

頑張れ聡太少年!君なら今日の竜王戦のような大舞台に遠からず立てるはずだ。




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