ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

沢田研二、谷川浩司 美学とは

2018-11-08 22:13:22 | 人物
谷川浩司九段の昨日の八代六段との対局の棋譜を確認したのですが、相変わらずというか早い投了ですね。一目見た感じではやや不利でこれから本格的な終盤戦という感じでした。もう少し眺めてみると、なるほど見た目よりも厳しい状況というのは分かりました。谷川さんとしてはこれ以上指しても、勝利はないと判断されたのでしょう。しかし、相手が必ずしも正確に指してくるとは限らないし、逆転する可能性はあると思われます。それは谷川さんも百も承知でしょう。相手のミスに期待するのが嫌なのでしょうね。

以前、ある年配の羽生ファンの方と将棋の話をしていて、その方が「谷川さんの将棋は格好良すぎる」と話されたのを覚えています。羽生さんの将棋のほうが泥臭いですからね。だからこそ長年あれだけの高い勝率を保っているとも言えます。なにも藤井聡太君のような場面まで指してほしいとは思わない(笑)しかし、と言いたいところだけど、それが谷川浩司なのだから仕方がない。谷川さんにはこちらが思いつかない気高い美学があるからこそ周囲の棋士たちの尊敬を集め、またその美学が棋士としての支えでもあり、弱点でもあると思われます。


こないだコンサートをドタキャンしたジュリーこと沢田研二。「9000人入っているはずが7000人しか入らない。話が違う」真実は藪の中ですが、これが表立った理由と聞いています。

僕はスーパースターだったジュリーにぎりぎり間に合っています。最終世代ですね。当時の男の子は大概、王貞治の一本足打法と沢田研二の「勝手にしやがれ」での帽子を飛ばすパフォーマンスはよく真似ていました。僕も例外ではありません。もう少し大きくなって、友人の家へ遊びに行き、その子の母親が沢田研二の曲を聴いていました。「おばさんなのにジュリー」。口にしたかはともかくそう思ったことは覚えています。今にして思えば、そのおばさんたちこそ、タイガース時代からの真の沢田研二世代である訳ですが。おそらく、今回のコンサートもそのような世代の人たちがメインなのだと思います。ファンも高齢ですから来るまでに一苦労だった人もいるだろうし、今回が最後という人もいたでしょう。交通費も帰ってきません。これはジュリーが悪い。しかし、そんな事は沢田さんも重々わかっているのだと思います。それでも譲れないものがあったのでしょう。そのために今回のように叩かれることもあれば、だからこそこれだけ長い間、音楽活動を続けてこられたのではないかと思うのです。


永世名人とスーパースター。将棋と芸能。道は違えど、この二人ほど才能に恵まれた人はそうはいないでしょう。一言でいえば美しさ。「もっと楽に生きればいいじゃない」という声も聞こえてきそうです。損得勘定に流されない凛とした佇まい。格好良すぎる人を応援するのも楽じゃないですね。
コメント
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