ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

名人戦、波乱含みのスタート

2019-04-11 22:28:23 | 将棋
平成から令和への架け橋ともいえる第77期名人戦は1日目から千日手という思いもよらぬ幕開けとなりました。佐藤天彦名人に豊島将之二冠が挑戦するフレッシュなカードになりましたが、先手の佐藤名人が角換わりから積極的に仕掛けたものの後続手を見いだせず、同一局面を4回繰り返す千日手が成立しました。名人戦での千日手は16年ぶりだそうです。

千日手としてしまった佐藤名人の代償は大きく、2日目は先後入れ替えで豊島二冠の先手となる上、消費時間も豊島さんのほうがかなり多い条件でのスタートとなりました。後手の佐藤名人が得意戦法の横歩取りに誘導しましたが、結果は73手で豊島二冠の勝利となりました。

豊島さんは名人戦、嬉しい初勝利。対する天彦さんは不本意な内容だったと思われます。立て直して第2局に臨んでほしいところです。個人的には2人とも好きな棋士なのでどちらが勝っても構わないのですが、もう少し手に汗握るような内容を期待したいです。投了図を見ても、豊島玉は全く手つかずでしたからね。

一方で豊島さんが新名人になるのも悪くないかなとも思っています。ひとつには天彦さんは名人戦でのここ3年の戦いぶりは見事なのですが、他の棋戦での活躍が物足りません。名人以外のタイトルも取ってほしかった。だから豊島さんが名人を取れば三冠となりますし、今後も名人に相応しい活躍が見込めます。そういった意味で天彦さんが名人位を手放して、もう一度、厳しいA級順位戦を勝ち抜いて這い上がってほしい気持ちもあります。勿論、今期防衛に成功すれば通算4期となり、永世名人に王手をかける大事な戦いであるのはわかりますが。

段位の基準でいうと、名人は1期で九段、竜王は2期で九段、他のタイトルは3期で九段です。つまり名人には竜王を除く他のタイトルの3倍の価値があります。勿論、数値化せずとも名人位に特別な権威があるのは将棋を知っている人ならば皆知っています。そうした考え方をすれば、天彦名人にとって今年は試練の一年になると思います。たとえ今回、防衛に成功したとしてもやはり名人に相応しい活躍をそろそろ見せてほしい。能力の高い棋士なので彼ならばそれができると思います。

随分、天彦名人に厳しい意見を述べましたが、僕は天彦さんも豊島さんも好きな棋士なので、7局戦ってほしいですね。だから2局目は名人に踏ん張ってほしいと思います。二人が自らの力を存分に発揮出来ることを願っています。



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