昨日の竜王戦4組準決勝は藤井聡太七段が高見泰地叡王を127手で下しました。激戦でしたね。終盤はやや高見叡王リードの局面もあったようですが、藤井七段が劣勢をしのぎ、最後は見事に高見玉を寄せ切りました。これで藤井七段はデビュー以来、竜王戦3期連続昇級となります。
それにしても熱戦でした。振り駒の結果、珍しく藤井七段の先手。やっぱり藤井君はやればできるんだ(笑)今期の彼の課題は振り駒の勝率を挙げることではないでしょうか。本人の力でどうにもなるものではないですが。
戦型は角換わりを目指す藤井君に対し、後手番の高見叡王が受けて立つ展開に。前日の名人戦とは違い、しばらく角が互いの駒台でおとなしくしていました。先に角を打ち込んだのは藤井七段でこのあたりから激しい攻め合いになり、どちらの速度計算が正しいかという戦い。この読み合いは高見叡王に分があったようで、そのまま終盤戦にもつれ込みました。しかし、高見有利とは言っても具体的にさらに差を広げる手順が難しかったようで、やや攻めあぐねている隙をついて藤井君が逆襲に転じます。最後は叡王が2二銀というただ捨ての銀を打ち込み、執念を見せましたが、藤井七段が冷静に寄せ切り熱戦に幕を下ろしました。
白熱の終盤戦を見ながら、亡くなったマラソンの小出義雄監督のことが脳裏をよぎりました。3月まで現場主義を貫き、亡くなる少し前「いい人生だった」と話していたそうです。いかにも小出さんらしい。高橋尚子、有森裕子らを熱心に暖かく指導する小出監督の姿を思い出していました。シドニーオリンピックで金メダルを獲得したQちゃんはゴール直後「とても楽しい42.195キロでした」と笑顔で、アトランタオリンピックで銅メダルを獲得した直後、有森さんは涙ぐみながら「初めて自分で自分を褒めたい」との言葉を残しました。
マラソンを走り終えた直後は本音しか出せないと思います。それと同じように肉体と脳との違いこそあれ、朝から晩まで死力を尽くして対局した棋士も本音しか出ないでしょう。立派だと思ったのは高見叡王が投了直後、ほとんど間を置かず、藤井七段に盤面を指さしながら話し掛けていたことです。なかなか20代半ばの若者にできることではありません。記者の質問に丁寧に答えながら、感想戦を進める二人を見て、少し胸が熱くなりました。いくらAⅠとの実力差が広がっても、感情のある人間でなければ表現できないものは確実にありますね。
藤井君は平成最後の対局をいい形で飾れてよかったと思います。令和の時代の中心は藤井君中心に回るのでしょうか。敗れた高見君は叡王戦では挑戦者の永瀬七段が手強いので0-2からの逆転は難しいと思いますが、少なくとも一度は勝って将来につなげてほしいですね。
それにしても熱戦でした。振り駒の結果、珍しく藤井七段の先手。やっぱり藤井君はやればできるんだ(笑)今期の彼の課題は振り駒の勝率を挙げることではないでしょうか。本人の力でどうにもなるものではないですが。
戦型は角換わりを目指す藤井君に対し、後手番の高見叡王が受けて立つ展開に。前日の名人戦とは違い、しばらく角が互いの駒台でおとなしくしていました。先に角を打ち込んだのは藤井七段でこのあたりから激しい攻め合いになり、どちらの速度計算が正しいかという戦い。この読み合いは高見叡王に分があったようで、そのまま終盤戦にもつれ込みました。しかし、高見有利とは言っても具体的にさらに差を広げる手順が難しかったようで、やや攻めあぐねている隙をついて藤井君が逆襲に転じます。最後は叡王が2二銀というただ捨ての銀を打ち込み、執念を見せましたが、藤井七段が冷静に寄せ切り熱戦に幕を下ろしました。
白熱の終盤戦を見ながら、亡くなったマラソンの小出義雄監督のことが脳裏をよぎりました。3月まで現場主義を貫き、亡くなる少し前「いい人生だった」と話していたそうです。いかにも小出さんらしい。高橋尚子、有森裕子らを熱心に暖かく指導する小出監督の姿を思い出していました。シドニーオリンピックで金メダルを獲得したQちゃんはゴール直後「とても楽しい42.195キロでした」と笑顔で、アトランタオリンピックで銅メダルを獲得した直後、有森さんは涙ぐみながら「初めて自分で自分を褒めたい」との言葉を残しました。
マラソンを走り終えた直後は本音しか出せないと思います。それと同じように肉体と脳との違いこそあれ、朝から晩まで死力を尽くして対局した棋士も本音しか出ないでしょう。立派だと思ったのは高見叡王が投了直後、ほとんど間を置かず、藤井七段に盤面を指さしながら話し掛けていたことです。なかなか20代半ばの若者にできることではありません。記者の質問に丁寧に答えながら、感想戦を進める二人を見て、少し胸が熱くなりました。いくらAⅠとの実力差が広がっても、感情のある人間でなければ表現できないものは確実にありますね。
藤井君は平成最後の対局をいい形で飾れてよかったと思います。令和の時代の中心は藤井君中心に回るのでしょうか。敗れた高見君は叡王戦では挑戦者の永瀬七段が手強いので0-2からの逆転は難しいと思いますが、少なくとも一度は勝って将来につなげてほしいですね。