王将戦第3局は藤井王将が羽生九段を下し、2勝1敗としました。
2局を1勝1敗で終えた時は羽生ペースだと思いました。第2局の内容が羽生九段の充実が目立ち、対して藤井王将は、実際の形勢以上に悲観していたような負け方でした。
しかし第3局、藤井王将は終盤には勝ちを見切っていた様子でした。これで先手番22連勝。そんなに先手と後手で違うのかといえば、藤井王将に限れば大きいのではないでしょうか。
藤井君の後手番は必ず飛車先を突いて、相手に合わせていくスタイルなので、対局者はかなり深いところまで研究できるはずです。それが王将戦第2局でした。
ところが、第3局は羽生さんが4手目に角道を止めたことで、すでに藤井君の直接的な研究は生きない形になりました。だから後は力で勝負するしかありません。
次の第4局が大きな戦いになります。藤井王将が勝てば、3勝1敗となり、かなり有利になります。羽生九段が勝って2勝2敗となれば、これは混沌として分かりません。ただ、このシリーズは羽生さんの充実が目立っていますし、藤井君は2月5日から棋王戦が始まり、タイトル戦が重なることになります。決着が伸びれば、羽生さんにとっては有利になっていくと思います。
しかし、それにしても羽生善治、渡辺明を相手にダブルタイトル戦に挑む20才というのも、少し引いて見ると凄いことで、やはり藤井聡太は怪物なのだと改めて気付かされます。