白雲去来

蜷川正大の日々是口実

連朝債(れんちょう、さい)を避けて行く処無し。

2014-11-18 14:08:20 | 日記
十一月十三日(木)晴れ。

客と為って帰り来たり歳又除く 一楼の風日(ふうじつ)乱堆(らんたい)の書 連朝債(れんちょうさい)を避けて行く処無し 坐して残編(ざんぺん)を擁して蠧魚(とぎょ)に埋もれん。

支那の詩人のものだが、浪人が迎える歳末にはふさわしい詩で好きな物だ。「旅から故郷に帰って来たら年末になってしまった。風が吹き抜け、太陽が降り注ぎ、書物が乱雑にうず高く積まれている部屋がある。(一楼の風日は、部屋の中に冷たい風が吹き込み、日の光が差し込むのだから貧乏暮らしを詠んでいる)毎朝借金取りを避けているので、何処にも出かけられないでいる。仕方がないので部屋にこもって書物の虫になろうと思っている」。年末は、行事が多くて不如意の身としては辛い日々が続く。

大切な書や書籍が浮世の義理の金や酒代に消えて行く。まあこうして生きているだけでも優良企業と思わなければダメか。夜は、秋刀魚を「から揚げ(竜田揚げではなく)」や「蒲焼」にして酔狂亭で月下独酌。山本一力の「ジョン・マン」の「望郷編」を読了する。 

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