白雲去来

蜷川正大の日々是口実

木に縁(よ)りて魚を求む

2015-09-14 14:58:50 | 日記
九月十二日(土)晴れ。

過日行われた中国の軍事パレード。能天気な人たちはあれを「脅威」とは思わないらしい。そう言えば、中国にこういう諺があるのを思い出した。「木に縁(よ)りて魚を求む」というものである。(「縁る」とは登るという意味)

孟子が斉に遊説したときのことである。斉の宣王は武力による天下の統一を夢みて野心満々であった。その宣王に向かって、武力によって統一をはかろうとするのは、木に縁って魚を求めるような愚策ですぞと、このことばを引いていさめたのである。宣王としては納得がいかなかったらしい。「武力を使うのは、それほどバカげたことであろうか」と反問したところ、孟子はこう答えている。「いや、それ以上です。木に縁って魚を求める、これはまだいい。魚がとれないだけで災難は招きません。しかし、武力を使って野望を果たそうとすれば、全力を尽したあげく、手ひどい目にあうのがオチです」。せっかく立派な目標を立てても、手段方法をあやまったのでは、こんな結果になるのである。

中国は、簡略字になってから、文字の発する言霊というものを気にしなくなった結果、こういった先人の言葉の意味も分からなくなってしまったのかもしれない。習近平さん。覇道に依って世界の頂点を目指すのか。それとも王道に依るのか・・・。孫文の遺影の前で襟を正しなさい。

夜は、久しぶりに自宅の近くの焼肉屋の「清水苑」に出かけた。諸般の事情で一ヶ月近く休業していたが再開した。ここの死んだ親父とは同い年で仲よくしていた。今は息子さん夫妻がお店を切り盛りしている。未だにガス台で煙もくもくの昭和の趣のある焼肉屋だが、美味いし安い。厚切り牛タンとハラミを堪能した。

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