8月18日(水)曇りのち雨。
若い頃に、民族派関係の本や機関誌・紙、先人の書、様々な事件の資料などを集めた「資料館」を作ろうと思ったことがあった。「大宅文庫」の民族派版である。随分と本や資料を集めたが、自分が生きることに追われ、事務所を借りる余裕のない時代が長いこと続いた。野村先生関係の資料を保存、保管するのが精一杯で、仕方なく、保存しておいた他団体の機関誌や多くの資料を泣く泣く廃棄した。
先輩や同志の方が亡くなると、その人たちが持っていた本や資料は、民族派運動を引き継ぐ遺族のない家にとっては不用のものとなる。随分前のことであるが、川崎の古書店に行った折に、野村先生の本を見つけた。頁を開いたら、先生の揮毫があった。最近亡くなられた方に贈ったものだ。かなり名の通った方だが、運動を継ぐ人のいない家庭では、蔵書は場所をとるし、重いし、始末に困る。恐らく、業者に頼んでまとめて引き取ってもらったのに違いない。そういった本や資料を引き受けて、後世に残そうと、志だけはあったのだが、何といっても浪人暮らしで先立つものがない。この歳で実現出来ていないものが、この先、出来るわけがない。
そう思っていたところ、岐阜の花房東洋先輩が、有志らと「一般財団法人・昭和維新顕彰財団」というものを立ち上げ、来年には資料館が完成予定と聞く。私も役員の末席を汚しているので、どういう形になるのか、まだ詳細は分からないが、野村先生に関する資料をすべて寄付させて頂こうと思っている。
一日自宅にいた。久しぶりに中村武彦先生の『尊皇攘夷』を読む。夜は、頂き物の「伊佐美」を独酌。