8月12日(木)曇り。
先日購入した女優の沢村貞子さんの『私の浅草』という本の中に、沢村さんの兄が、母の財布からお金をちょろまかしたことがバレて、うんと怒らたことが書いてあった。それでも「足の裏のお灸だけは、ちょうど帰って来た父のとりなしで、どうやら免れたけれど」。というくだりがある。最近ではあまり使わなくなった言葉に「お灸を据える」というものがある。本来の意味は「灸で治療をする」だが、一般には沢田さんの文ではないが、「きつく注意したり罰を加えたりしてこらしめる」。という意味の方が多く使われてきた。
私が、小学校に上がる前、母の都合で親戚の家に預けられたことがあった。年上の義姉が二人いる家族だったが、男の子がいない分可愛がってもらったが、ある時におねしょをしたことで、足の裏にお灸を据えられたことがあった。熱かったのと、怖かったことを今でも覚えている。果たして今、子供に本当に「お灸を据えた」ら大丈夫だろうか。恐らく児童虐待として扱われるのかもしれない。「お灸」と言えば、横浜は磯子の円海山に有名な「峯の灸」というのがあって、多くの人が通うという。子供の頃に銭湯などに行くと、背中にお灸の後のあるお年寄りを見かけたものだが、銭湯に行かなくなって久しく、そういったお年寄りがいるのか定かではない。
夜は、成城石井の「小龍包」、ナスと豚肉とキムチ炒め、カニカマとキャベツのコールスローのマヨネーズ和え。お供は「薩摩茶屋」。酔狂亭にて独酌。