白雲去来

蜷川正大の日々是口実

菊の節句。

2022-09-10 15:17:23 | 日記

9月9日(金)曇。

空が今にも泣きだしそうな朝。朝食は、サヨリのようなサンマの塩焼き、オムレツ、もやしの味噌汁。昼は、トースト一枚。夜は、鶏の手羽先と大根の煮物、茄子と豚肉の炒め物、豆腐のステーキ。お供は、菊の花弁を浮かべた「伊佐美」。酔狂亭にて独酌。

今日は、重陽、菊の節句である。私は、個人的にこの日が好きだ。金があろうとなかろうと、近所の花屋で白菊を買って愛でる。『銀河蒼茫』と共に座右の書でもある『唐詩選』の中には、今日の日の事を詠んだ詩が多く、どれも胸を打つ良いものが多い。ご存知の方も多いだろうが、この重陽の節句は中国の文化である。奇数が縁起の良いと思われている国で、九が重なるから、「重陽」。中国では、この日、茱萸(ぐみの実)を袋に入れて丘や山に登ったり、菊の香を移した菊酒を飲んだりして邪気を払い、長寿を願う「登高」という習慣があったそうだ。

ご皇室では、陛下やご皇族が紫宸殿に集り、詩を詠んだり菊花酒を飲み穢れを祓い長寿を願った。中国では、菊は不老長寿の薬としての信仰があり、観賞用としてよりも先に、薬用として用いられていた。漢詩の中でも、陶淵明や杜甫などに、この重陽の日の習慣である「登高」を詠んだ詩が多い。その中でも、私が好きなのは、王維の、「九月九日憶山東兄弟」(九月九日山東の兄弟を憶う)の詩である。

独在異郷為異客 (独り異郷に在って異客と為り)  毎逢佳節倍思親  (佳節に逢ふ毎(ごと)に倍(ますま)す親を思ふ)の二節には、北海道時代の思い出が重なる。

 


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読書で夜明かし。

2022-09-10 14:55:39 | 日記

9月8日(木)曇り。

昨夜、遅くまで起きていたので朝が遅かった。別に飲んだり、食べたり、映画を見ていた訳ではなく、先日購入した『謀略の影法師ー日中国交正常化黒幕・小日向白朗の生涯』(池田知隆著・宝島社)にハマって読みふけっていた。戦前の満州や上海を舞台にした本が好きだ。そんな訳で目が覚めたのは10時を過ぎていた。

昼食を兼ねた朝食は、レトルトカレーにコロッケ、目玉焼き載せ、「シジミ30個分」とかいうインスタントの味噌汁。夜は、「そごう」のデパ地下で買ったカツオのたたき、マグロのアラ煮、たいめいけんのメンチカツ、豚肉とキャベツ炒め。お供は、久しぶりに「伊佐美」。酔狂亭にて独酌。

『謀略の影法師』の中に、日中戦争下の上海で日本軍によって設立された対重慶特務工作機関の、いわゆる「ジェスフィールド76号」のことが少し書かれていた。この謀略機関は、後に汪兆銘政権が樹立されると、正式な政府機関となり、国民党中央委員会特務委員会特工総部となった。随分前に読んだのが胡桃沢耕史の『上海リリー』。元国民党特務の経歴を持つ丁黙邨、李士群らが国民党系のCC団や藍衣社などとの抗争や暗殺。丁黙邨を暗殺しようとした美貌の特務、鄭 蘋茹(てい ひんじょ)などの人物が描かれており、『謀略の影法師』読んでいて、その本を思い出した次第。ハズキルーペもどきにお世話になりつつの読書である。

 


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