9月20日(火)曇り後雨。朝顔忌。
今日は、盟友だった折本満さんの御命日。今日で満六年、七回忌となる。季節外れだが勝手に朝顔忌と名付けている。何度か書いたことがあるが、忘れ難いのでまたアップしてみる。
折本さんが、今から六年前の九月にすい臓癌で亡くなられた。六十四歳だった。折本さんが、すい臓がんを患って入院手術した折に幾度か彼を見舞い、退院した時は、友人らと「激励会」を行い、何とか元気な体に戻ってほしいと願ったが、薬石の効なく、亡くなった。奥さんから、「余命二三ヶ月」ということを聞いた時は、ショックだった。最後に大熊雄次氏と一緒に、自宅に彼を見舞ったのは、亡くなられる一月ほど前の八月四日のこと。すっかり痩せてしまい、一回りも小さくなった姿を見て、不覚にも落涙しそうになった。
折本さんの寝ているベッドから見えるベランダに、大熊氏が送った朝顔の鉢植えが置いてあった。奥さんが、折本が、毎朝目を覚ますと、「ああ今日は沢山咲いている。昨日は、一つだけだった」と、いつも楽しみに見ています。と話をした時に、彼の手を握って、声を上げて泣きたかった。このお見舞いから一月余りが過ぎた九月の二十日の正午過ぎに、折本さんの奥さんより電話が入り、午前中に折本さんが家族に見守られながら、眠るように息を引き取ったと、連絡を頂いた。折本さんは、亡くなられた日の朝も朝顔を見たのだろうか・・・。
野村先生の『銀河蒼茫』から三句。
競ひ咲くどの朝顔も機嫌よし
朝顔や 母への思慕は人にはいはず
われに憤怒 あれど涼し紺朝顔