スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

天皇賞&秩序の発生

2010-05-02 18:53:08 | 中央競馬
 フルゲートと頭数こそ集まったものの,大レースの勝ち馬がわずか1頭というやや貧弱なメンバー構成となった第141回天皇賞
 ミッキーぺトラの逃げは予想された通り。外からマイネルキッツが2番手を追走し,フィールドベアーとゴールデンメイン。テイエムアンコール,メイショウドンタクまではそれほど差がなく続きました。最初の1000mは60秒7。これはスローペース。
 後方待機の馬に先んじてマイネルキッツが動き,直線に入ると一気に後ろとの差を広げていきました。会心のレースだったと思うのですが,前を占めた馬たちの直後に位置していたジャガーメイルだけはぐんぐんと追ってきて,ついにはマイネルキッツを交わして優勝。マイネルキッツが2着で伏兵のメイショウドンタクが3着。
 優勝したジャガーメイルは海外遠征も含めてこれまで幾度となく好走しながら重賞は勝ち切れなかった馬。ただ高い能力を持っていたことは間違いなく,このメンバーであればこの結果も納得がいくもの。今年に入ってからのレースぶりは一皮剥けた印象があります。父はジャングルポケット。メイルはmailという綴りで,英語で鎖帷子という意味。
 騎乗したのはオーストラリアのクレイグ・ウィリアムズ騎手でこちらも日本の重賞初制覇。管理している堀宣行調教師は3月の高松宮記念に続く大レース2勝目。いずれの勝利も馬を長持ちさせた結果で,今後もこういう結果を残し続けていくのか注目です。

 排尿を我慢するという思惟の様態をある意志作用であるとみなしたとき,この意志作用の消滅を人間の身体の刺激状態の変化によって説明することができるならば,これを逆に考えることによってこの意志作用の発生,すなわち我慢の秩序がある人間の精神のうちに発生する秩序も明らかにすることができます。つまり排尿の準備が整ったという刺激状態が生じることによってこの意志作用が消滅するということは,要するにその刺激状態が生じない限りは我慢するという意志作用は持続するということになるでしょう。つまり排尿の準備が整っていないという刺激状態がこの意志作用を持続させているということになりますから,この意志作用が人間の精神のうちに生じてくる場合にも,その刺激状態が大いに関係しているということになるからです。
 したがって我慢の秩序というのは,排尿の準備が整っていないという刺激状態から発生してくるのであって,単に自分の身体のうちに尿が溜まっているという刺激状態から生じてくるのではありません。したがって前者の刺激状態の同一個体として生じてくる排尿を我慢することを肯定するような意志作用と,後者の刺激状態の同一個体として生じる尿意の肯定,すなわち自分自身の身体に対して排尿という運動を肯定するような意志作用は,別々の秩序によって説明し得ますから,矛盾するものではなく,同時に同じ人間の精神のうちにある,実際にあるというのではなく,あることは可能であるということができると思います。
 ただし僕は次の点は認めます。だれも,尿意を感じなければ排尿を我慢することはしないでしょう。したがって排尿を我慢する意志作用ならびにこの意志作用によって肯定される観念は,尿意そのものを十全な原因として生じるのではありませんが,尿意は我慢する意志作用の部分的原因ではあります。いい換えれば,排尿を自分自身の身体に対して肯定する意志作用,あるいはこの意志作用によって肯定されている観念は,逆に排尿という運動を自分自身の身体に対して否定する,つまり我慢する意志作用の原因の一部ではあるのです。
コメント
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