スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ユングフラウ賞&タイトル

2021-02-23 18:52:51 | 地方競馬
 桜花賞トライアルの第13回ユングフラウ賞
 スセリヒメは挟まれて2馬身の不利。ケラススヴィアがハナを奪い,2番手にアングランとセカイノホシ。4番手にグロリオーソとプレストレジーナとウワサノシブコでこの6頭は一団。2馬身差でレディブラウンとサブルドールとアイカプチーノ。2馬身差でティーズアレディーとスセリヒメ。3馬身差の最後尾にホーリーナイトキス。最初の600mは36秒8のハイペース。
 3コーナーを回ると向正面で進出したウワサノシブコがケラススヴィアに並び掛けていき,プレストレジーナ,アイカプチーノの4頭が一団。コーナーでプレストレジーナが脱落し,残る3頭が雁行で直線に。競り合いからアイカプチーノが脱落し,残る2頭の競り合いに。外から競り落としたウワサノシブコが優勝。ケラススヴィアがアタマ差で2着。内を回って直線もケラススヴィアの内から脚を伸ばしたグロリオーソがクビ差で3着。
 優勝したウワサノシブコは前走のオープンからの連勝で南関東重賞初制覇。北海道で2勝し,昨年暮れから浦和に転入していた馬。北海道時代の実績がさほどではなかったために,このメンバーでは苦しいのではないかと思っていました。実績が断然だったケラススヴィアが56キロを背負っていたとはいえ,競り落としての勝利は価値があるといえます。桜花賞でも注目するべき存在になったと判断していいのではないでしょうか。母の父はダンスインザダーク。母の5つ上の全兄に2002年に兵庫チャンピオンシップを勝ったインタータイヨウ
 騎乗した大井の和田譲治騎手は2017年の東京記念以来となる南関東重賞2勝目。管理している浦和の岡田一男調教師は南関東重賞3勝目。ユングフラウ賞は初勝利。

 柏葉の論文の概要を最初に紹介したときにいったように,柏葉が存在するものといっているのは現実的に存在するもののことであり,存在しないものといっているのは神Deusの属性attributumの中に含まれているもののことです。これは第五部定理二九備考でスピノザが示している,人間の精神mens humanaによる事物の認識cognitioのあり方にそのまま重なるとはいえない面もあるのですが,基本的にスピノザが観念対象ideatumとして認識するcognoscereものに照合させるなら,人間の精神が事物を永遠の相species aeternitatisの下に認識するということは,人間の精神が存在しないものを認識するということであり,人間の精神が観念対象を時間tempusや空間と関連付けて事物を認識するという場合は,人間の精神が存在するものを認識するということになります。したがって,存在するおよび存在しないという観点からは肯定的に評価されるものを認識するときより,否定的な評価を受けるものを認識する場合の方に,スピノザはより高い価値を置いているということになります。僕が強く注意を促しておきたいのはこの点です。存在しないものの存在論,といわれる場合の存在しないものは,人間の精神がそれを認識する場合についていえば,それを認識することにより高い価値があるとみなされるもののことなのです。よって僕の見解opinioでは,この論文のタイトルというのは,誤解を生じさせやすいものだと思います。これも最初にいったように,存在論というのは本来的に存在するものについての論理なのですから,存在しないものの存在論というのが語義矛盾を含んでいます。なので論文のタイトルは,少なくとも現実的に存在しないものの存在論,とか,時間や空間に制約されないものの存在論,といった形にした方がよかったのではないかと感じます。
                                        
 それではここから柏葉の論文そのものの考察に入ります。これも最初にいったように,論文の対象となっている定理Propositioがあるとすれば,それは第五部定理二三で,柏葉はこの定理Propositioを正確に理解するためには,第二部定理八およびその備考Scholiumを正しく読解することが重要であるといっています。このとき柏葉がとくに重視するのは,この定理でいわれている,神の無限な観念をどう解するべきかということです。
コメント
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