スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

プリークネスステークス&荒唐無稽な情報

2021-05-16 19:13:31 | 海外競馬
 日本時間で今朝,アメリカのピムリコ競馬場で行われたプリークネスステークスGⅠダート1900m。
 フランスゴデイナは行きたがる素振りをみせながら3番手を併走した3頭の真中を追走。向正面で一時的に単独の3番手。前をいく2頭が内を開けて走ったために,ここでインに導かれました。3コーナーを回ると1頭が追い上げていって4番手に。ここも内を回りましたが,前の3頭との差は広がりました。直線に入ってから鞭を入れられて追われましたが伸びはなく勝ち馬から約17馬身差の7着での入線となりました。
 能力的にアメリカのGⅠでは厳しかったということもあるのでしょうが,そうしたことを考慮の外に置いても,レースの内容からすると,適性距離はもっと短いところにあるというように感じられました。

 同じようなことが新型コロナウイルスに関しても生じつつある,あるいは現に生じています。新型コロナウイルスに感染することは,風邪をひくことと同じであるということを肯定する人,それに同意する人が,少なからず存在しているのは間違いありません。もっといえば,これは国家的な陰謀であって,新型コロナウイルスのワクチンにはマイクロチップが埋め込まれているというような怪情報についても,それを肯定する人,それに同意する人というのが現に存在するのです。人によってはこのような情報は荒唐無稽であって,なぜそれを肯定する,それに同意する人が存在するのか分からないと思うかもしれません。ですが情報の偏りによってはこうしてことは必然的にnecessario生じるのであって,情報が過多になることによって,特定の情報だけに触れる,スピノザ哲学的ないい方では,特定の情報だけに刺激されるafficiようになれば,このようなことが生じても何ら不思議はないと考えておくべきなのです。
 もっといえば,こうしたことは必然的に生じるのですから,だれにでも生じ得るというように解さなければなりません。だれにでも起こり得るということは,たとえば僕にも起こり得るということであって,現代社会に生きる人びとは,だれもがそのことを肝に銘じておいた方がよいだろうと僕は思っています。いい換えれば,いかに荒唐無稽な情報についてそれを肯定する,それに同意する人がいるのだとしても,それは他人事の笑い話なのではなく,自身にも起こるかもしれない事象というように把握しておくべきだと思います。
                                   
 ここまでは,人間の意志作用volitioが,現に有している意志作用によって決定されるということ,すなわち第二部定理四八と,第二部定理四九備考から近藤が読み取っている内容から,僕が病理といった現象について説明してきました。しかしこうした病理を生じさせる要因は,これだけで説明することができるというわけではありません。こうした分断を惹起する人間の現実的本性actualis essentiaというのはほかにもあるのであって,それが一部の人間だけに妥当するわけではないということも,スピノザの哲学によって説明することができるのです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする