![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/b5/756e22b607a3b92a4ce75157a5e69981.jpg)
明大前の小さなギター工房、ハナムラ楽器に行くようになって、
30年以上経つ。
30年前のハナさんは、今の私くらいの年齢だったのだろう。
自宅にも木材のストックが有り、
よく乾いて楽器として鳴るのを待ち構えている。
お店にはいつも木のにおいがする。
木で物を作るのは、いい。
軟らかさと硬さを兼ね備えている。
ハナさんは鑿(のみ)で木を削っている時が一番幸せだと言う。
※
最初のウクレレを作ってもらったのは、25年くらい前だったか。
もう少し後だったか。
ハナさんは、”4丁目ウクレレ”と称していた。
「1丁目で弾いても4丁目まで聞こえるんだ。」と。
私の家は5丁目で、道を挟んですぐに4丁目だ。
いや別にだからって私が買ったら鳴らないとかいうわけではないが。
写真右端のが、そのソプラノウクレレだ。
※
その後、適当に低いチューニングで弾きたくて、
大きめのものを作ってもらった。
その頃の私は、ウクレレにテナーとかバリトンとかいうのが有るのを
知らなかった。
ハナさんは楽しんで、裏板は厚めに取り、中を少し丸くくり抜いた。
ゆるめのテンションで弦を張って鳴らすと、
小さいボディから思いがけない低音が伸びる。
無理に弦を張って使ってしまって、
表板にヒビが入ってしまった。
自分で棒を切って、胴の中に魂柱のようなものを立て、
亀裂のところの支えにして使っている。
※
何年か経ってこの2本では飽き足らなくなり、
3つくらいのアイディアを持って店に行った。
その案の中でハナさんが気に入ってくれたんだったか、
話し合って新たな案を練ったんだったか、
注文に至り作ってもらったのが、皮張りのバリトンウクレレだ。
三線を弾くけれど、4弦でフレットが有ったらいいな
というワガママを実現したものである。
しかも、ピックアップマイクを付けてエレキでも弾ける。
生音は三味線ぽいが、エレキではクリントーンが出るという
なんじゃそりゃ。
※
複弦も欲しかった。
倍音が豊富で高音のキラキラした、シャラーーンと鳴る
いかにもハナムラらしいサウンドの楽器だ。
ブリッジサドルの位置が計算上は正しいけれど、
微妙に傾くのでオクターブが合わない、
ということがしばしば起こるのがハナムラのウクレレの欠点だ。
あと1㎜エンド寄りに付けてくれ、という私の要望はなかなか通らない。
そこで、表板の上に駒を立てる案で注文したのだが、
ハナさんはケロリと忘れたのか、完成したものを見たらブリッジは接着してあった。
ところがそのブリッジが、8本の弦のテンションに負けて剥がれてしまった。
このピンチはチャンスと考えてあれこれ工夫したことは
ここにねちねちと書いた。
(カテゴリー【なりもの】で探してね)
※
ここらでフツーのウクレレもまた欲しい。
小さなソプラノウクレレではなく、
ボディが大きいけれど音域はソプラノと同じ、テナーサイズで
作ってもらおう。
「テナーってのはどういうの?設計してよ」
弦長43cmで作ってください。
「ああそういうことね。」
「クラシックギターの注文が3本も入ってさ。
須山ちゃんのウクレレは11月下旬くらいになるよ。」
待って待って待って昨日、電話した。
「完成してるんだけどさ。
預かった弦を張ってみたんだけどテンション高くって、
ちょっとづつ伸ばしてるところだよ。」
※
飾り気もなんも無い。
これから私の手垢や紫外線で色合いが変わっていくのだろう。
昨日受け取ったばかりだが、
今日はもう響きが違うような気がする。
うまれたての楽器だ。
毎日成長する。
※
テナーウクレレ用の弦を探して買った。
パッケージの表には材質と太さが書いてある。
パッケージを破って中を開くと、そこにテンションが書いてある。
弦を張ってチューニングした時に弦にかかる張力である。
これが、弾きごこちや音色にとても影響する。
なによりも、ブリッジへの負荷の問題が有る。
またブリッジが剥がれてしまったら困る。
「世界一強力な接着剤で貼ってあるだよ。
で、表板がシダーって軟らかい材だから。」
じゃあ、弦の張力でブリッジが剥がれる時には、
表板がイカレちゃうわけだね。
ひええ
いつもなら、適当なチューニングで使うのだが、
今回は、これでやりたい曲が決まっている。
その曲をウクレレで弾くには、通常のウクレレのチューニング
GCEAじゃないと都合が悪い。
わざわざカポタストを使いたくもないしな。
※
テンションの低い弦を探す。
ウクレレ弦には、クリアナイロン、フロロカーボン、Nyltech、など材質に種類が有る。
色も違う。
加工法によって、同じ材でも硬さが違ったりする。
それによって、音色が違う。
角の無い丸みの有る音だったり、立ち上がりの早いハッキリした音だったり、
抜けの良い澄んだ音だったり、温かみの有る音だったり。
今回は、パリッと輪郭のハッキリした音が欲しいと思って
弦を選んだのだが、硬すぎた。
「まだあと1音くらい低いだよ。
4週間くらいかけてちょっとづつ上げていってよ。」
そうは言っても、結果的にかかるテンションはやっぱり高いんだから、
ブリッジの剥がれるリスクには違い無い。
※
テンションの低い弦を探す。
いろいろ調べてみると、どうも最近は
テンション高めの傾向が有るようだ。
音楽は時代とともに次第に派手になっていくが、
ウクレレの音色も同様なのだろう。
あれこれ買って、試すしかない。
30年以上経つ。
30年前のハナさんは、今の私くらいの年齢だったのだろう。
自宅にも木材のストックが有り、
よく乾いて楽器として鳴るのを待ち構えている。
お店にはいつも木のにおいがする。
木で物を作るのは、いい。
軟らかさと硬さを兼ね備えている。
ハナさんは鑿(のみ)で木を削っている時が一番幸せだと言う。
※
最初のウクレレを作ってもらったのは、25年くらい前だったか。
もう少し後だったか。
ハナさんは、”4丁目ウクレレ”と称していた。
「1丁目で弾いても4丁目まで聞こえるんだ。」と。
私の家は5丁目で、道を挟んですぐに4丁目だ。
いや別にだからって私が買ったら鳴らないとかいうわけではないが。
写真右端のが、そのソプラノウクレレだ。
※
その後、適当に低いチューニングで弾きたくて、
大きめのものを作ってもらった。
その頃の私は、ウクレレにテナーとかバリトンとかいうのが有るのを
知らなかった。
ハナさんは楽しんで、裏板は厚めに取り、中を少し丸くくり抜いた。
ゆるめのテンションで弦を張って鳴らすと、
小さいボディから思いがけない低音が伸びる。
無理に弦を張って使ってしまって、
表板にヒビが入ってしまった。
自分で棒を切って、胴の中に魂柱のようなものを立て、
亀裂のところの支えにして使っている。
※
何年か経ってこの2本では飽き足らなくなり、
3つくらいのアイディアを持って店に行った。
その案の中でハナさんが気に入ってくれたんだったか、
話し合って新たな案を練ったんだったか、
注文に至り作ってもらったのが、皮張りのバリトンウクレレだ。
三線を弾くけれど、4弦でフレットが有ったらいいな
というワガママを実現したものである。
しかも、ピックアップマイクを付けてエレキでも弾ける。
生音は三味線ぽいが、エレキではクリントーンが出るという
なんじゃそりゃ。
※
複弦も欲しかった。
倍音が豊富で高音のキラキラした、シャラーーンと鳴る
いかにもハナムラらしいサウンドの楽器だ。
ブリッジサドルの位置が計算上は正しいけれど、
微妙に傾くのでオクターブが合わない、
ということがしばしば起こるのがハナムラのウクレレの欠点だ。
あと1㎜エンド寄りに付けてくれ、という私の要望はなかなか通らない。
そこで、表板の上に駒を立てる案で注文したのだが、
ハナさんはケロリと忘れたのか、完成したものを見たらブリッジは接着してあった。
ところがそのブリッジが、8本の弦のテンションに負けて剥がれてしまった。
このピンチはチャンスと考えてあれこれ工夫したことは
ここにねちねちと書いた。
(カテゴリー【なりもの】で探してね)
※
ここらでフツーのウクレレもまた欲しい。
小さなソプラノウクレレではなく、
ボディが大きいけれど音域はソプラノと同じ、テナーサイズで
作ってもらおう。
「テナーってのはどういうの?設計してよ」
弦長43cmで作ってください。
「ああそういうことね。」
「クラシックギターの注文が3本も入ってさ。
須山ちゃんのウクレレは11月下旬くらいになるよ。」
待って待って待って昨日、電話した。
「完成してるんだけどさ。
預かった弦を張ってみたんだけどテンション高くって、
ちょっとづつ伸ばしてるところだよ。」
※
飾り気もなんも無い。
これから私の手垢や紫外線で色合いが変わっていくのだろう。
昨日受け取ったばかりだが、
今日はもう響きが違うような気がする。
うまれたての楽器だ。
毎日成長する。
※
テナーウクレレ用の弦を探して買った。
パッケージの表には材質と太さが書いてある。
パッケージを破って中を開くと、そこにテンションが書いてある。
弦を張ってチューニングした時に弦にかかる張力である。
これが、弾きごこちや音色にとても影響する。
なによりも、ブリッジへの負荷の問題が有る。
またブリッジが剥がれてしまったら困る。
「世界一強力な接着剤で貼ってあるだよ。
で、表板がシダーって軟らかい材だから。」
じゃあ、弦の張力でブリッジが剥がれる時には、
表板がイカレちゃうわけだね。
ひええ
いつもなら、適当なチューニングで使うのだが、
今回は、これでやりたい曲が決まっている。
その曲をウクレレで弾くには、通常のウクレレのチューニング
GCEAじゃないと都合が悪い。
わざわざカポタストを使いたくもないしな。
※
テンションの低い弦を探す。
ウクレレ弦には、クリアナイロン、フロロカーボン、Nyltech、など材質に種類が有る。
色も違う。
加工法によって、同じ材でも硬さが違ったりする。
それによって、音色が違う。
角の無い丸みの有る音だったり、立ち上がりの早いハッキリした音だったり、
抜けの良い澄んだ音だったり、温かみの有る音だったり。
今回は、パリッと輪郭のハッキリした音が欲しいと思って
弦を選んだのだが、硬すぎた。
「まだあと1音くらい低いだよ。
4週間くらいかけてちょっとづつ上げていってよ。」
そうは言っても、結果的にかかるテンションはやっぱり高いんだから、
ブリッジの剥がれるリスクには違い無い。
※
テンションの低い弦を探す。
いろいろ調べてみると、どうも最近は
テンション高めの傾向が有るようだ。
音楽は時代とともに次第に派手になっていくが、
ウクレレの音色も同様なのだろう。
あれこれ買って、試すしかない。
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