[あらすじ] 第一次産業の農業革命、18世紀末からの産業革命で
人々は時間のゆとりを得た。
しかし21世紀のIT革命を経て、大衆は多くの時間を
情報の消費に割くようになった。
そして、次に来るのは移動革命だ。
と、識者は言う。
動画も倍速再生で見ようという情報消費社会である。
時間がかかることは効率が悪いと嫌われる。
ということは、時間が有ることが最大の富である。
たくさん有る時間を浪費する . . . 本文を読む
民放見逃し配信サイトTVerが、オリジナル番組を作って配信するということを始めている。『TVerで学ぶ!最強の時間割〜若者に本気で伝えたい授業〜』進行役は漫才コンビ・ラランドだ。二人は上智大学のお笑いサークル出身だ。上智大学は外国の情報もどんどん入ってくる所なので、LGBTQだダイバーシティだといった事も、日本で言われるようになる前から聞き知っており、若いうちに触れることによって「あたりまえじゃん . . . 本文を読む
私はXジェンダーである。と言うことにしている。
今ある言葉の中で、自分を指して言うのに一番しっくりくる
かなー、
と思うから、使っている。
ただ、他人から見たらそれは
トランスジェンダーだったり、レズビアンだったり、
FTMだったり、FTXだったり、ただ女性だったり、
性別不詳だったり、中性的だったり、
いろいろな言葉で表されるのだとも思う。
言葉は時代によって生まれたり消えたりする。
より . . . 本文を読む
世界の事、宇宙の事、その外の事。
私の力ひとつでは知り尽くすことができない。
もっと知りたいし、旅もしたいし、色々な経験もしたいし、
私の知らない事を知っている人、私と違う経験をしている人、
つまり全ての人と話をしてみたいとも思う。
けれど、その全体ときたら無限なので、
自分にはどうしようも無いという気持ちになる。
しかし、そこで諦めたら小ぃこい蛙(かわず)の完成だ。
そんなふうに自分を限定す . . . 本文を読む
十代の頃から、古本屋を巡るのが好きだった。
自宅から2㎞あまり離れた街道筋に、古本屋が有った。
カウンターの中には冴えないおっさんがいつも座っていた。
カウンターから離れた棚の、カウンターから死角になる側には、
戦争やら軍艦やら戦車やらに関する本が並んでいた。
私はあまり興味が無かったけれど、時々そこの棚も見に行った。
その辺りはなぜか、しょんべんくさかった。
奥にトイレが有ったのだろうか。 . . . 本文を読む
大学の教員もしていた両親には、蔵書や書類がものすごく沢山在る。
当人たちの書いたものも多いが、読んでくださいと送られてきた本や原稿も多い。
「蔵書と書類の処分がたいへん。」と、ある人に言ったら、
「分かるぅぅ」と言われた。
いや、分かってない。
2万冊の蔵書や数々の原稿の束など、おたくには無いじゃないか。
内心そう思った。
※
ある人が、一人で子育てする中の苦心を語った時、
「うんうん、」と . . . 本文を読む
[あらすじ] 亡父と老母の蔵書を整理する。本棚からは、本の他に、古いアルバムだの古いノートだのが出てくる。亡父は日記を重視していた。ある時、電車に日記帳を忘れてきてしまった。まるで自分の半身を失ったかのように慌てふためいていた。母は、日記を続けられないことを負い目に感じていたようだ。私には、日記をつけろ日記をつけろとうるさく言った。自分ができないことを子どもに言う母親の典型であった。私はだから、日 . . . 本文を読む
[あらすじ] 現代アメリカ文学を専門とした父の人が他界したのは11年前。
日本古典文学や国語学や方言を専門とした母の人が特別養護老人ホームに入居したのは2年半前。
その蔵書をやっと整理することになった。
「あんたファザコン?」と聞かれたことが有る。
そんなことは無い。
と迷わず答えた。
父との関係は悪かったからだ。
しかし、関係が悪いなんていうことは、
思い入れが強いから起きることとも言える。 . . . 本文を読む
知っておくべきことが有る。
年を取っても、記憶力は衰えない。
ということだ。
※
知っていることと違う。
一般に信じられていることと違う。
実感と違う。
と思うかもしれない。
私も、驚いた。
けれど、どうやら、年を取っても記憶力は衰えない、というのは本当らしい。
※
こういう実験が有るそうだ。
テキトーに集めた人たちに、テストを受けてもらう。
24個の単語のリストを見せて、
その後 . . . 本文を読む
うまくいきそうだ、と思った矢先に副鼻腔炎に陥った。
とにかくボーッとして頭が働かない。
うまくいきそうな私を誰かが阻もうとしている。
頭が働かないようにさせようとしている。
何か志の低いヤツが、邪魔を仕掛けてきている。
こういう時は、人の手を借りることも大事だろう。
自分よりちょっと高い位置から、引っ張り上げてもらうのだ。
そうは分かっていても、鈍重な脳みそと、その支配下の体が動かない。
悪循環 . . . 本文を読む
[あらまし] 一昨年から、夏に副鼻腔炎をやるようになってしまった。
今年はなんとか、医薬に頼らずに治めることができた。
しかし、たまに涼しい夜が有ると、朝起きた時に鼻が詰まっていたりする。
きまって左鼻だ。
一週間前、強い症状が出た。
夜中に鼻が詰まって目が覚めた。
目が覚めてみると、のどが痛かった。
風邪か?
睡眠中は、唾液を飲み込む無意識の運動が行われない。
だから、のどが洗われず、そ . . . 本文を読む
「自分の体は自分のもの」
と言えば、
あまり反対されないのではないだろうか。
他の誰かのものであるわけがない。
隣にいる友達の頬っぺたをつねったら
自分の頬っぺたが痛かった。
なんてなことは起こらない。
自分の頬っぺたをつねれば、自分が痛い。
これは、簡単に納得できる。
自分が筋トレしたら、職場の同僚がムキムキになった。
なんてなことは起こらない。
自分の生活が、自分の体を作る。
こ . . . 本文を読む
「科学的に証明されている」ということに価値がおかれる世の中だと思う。
なんらかの事柄が有って、それにどう説明を付けるか、という時に
「科学的」だと良い。ということになっている。
「証明」されるためには、既に確かなことだと判明している事柄を使って
説明する必要が有る。
そうやって、私たちは新しい事実を理解して受け止めていく。
なんかへんだぞ。
未解明な事について、既知の知識を使って説明する。
. . . 本文を読む
夏だから、怖い話でもするか。
※
当時、同居していた女性と、車で2時間足らずの場所へ出かけた。
車を停めて、山に入る道を歩きながら、
以前にも一人で来たことが有る場所だと気付いた。
人の手が入ってはいるものの、
その後ずいぶん放置されている様子だ。
多摩の丘陵地によくあることだ。
フェンスの向こうもこちらも草木が繁り、
溝の流れは澱んで鉄分が錆びて赤く濁っている。
荒れた気配がする。
た . . . 本文を読む
スーパーで買い物をする。
しかしこの頃、スーパーでは野菜をほとんど買わなくなった。
野菜は、近所の農家の直売所で買うようにしている。
あとは、近所の幼なじみ友人Mの母M子様が、
自宅で作っている野菜を分けてくれるのを喜んで貰う。
そこに、今年からは自宅の庭でも少し、野菜を作り始めた。
だから、旬のものしか食べない。
スーパーに行くと、ほとんどの野菜が季節を問わずに店頭に並んでいる。
私の母 . . . 本文を読む