老母の誕生日健診の結果が出た。
心臓の肥大以外にいづれの数値も問題無かった。
中でもHDL、いわゆる善玉コレステロールは100mg/dlという高値だった。
基準値は40~96mg/dlだ。
「これは親ゆずりの生まれつきのものです。すばらしい。
青魚とか言うけれど、食事ではそんなに数値は上がらないんです。
私は30くらいしか無かったんですが、煙草をやめても60くらいにしかならない。
そういうもの . . . 本文を読む
私の父というのは、ひどいニコチンの虜であった。
昼も夜も、煙草が無くてはダメだった。
一日のほとんどを一つの部屋で過ごした。
その部屋は寝室でもあり、母もその部屋で寝た。
明け方、毎日、母の咳が離れた部屋まで聞こえてきた。
彼が亡くなって半年あまり経った頃、母がすっかり咳をしなくなったのに気付いた。
更にそれから一年以上経ってから、他の人もいる時に、そのことを母に告げた。
本人は、気付いてい . . . 本文を読む
ここ何回もかけて書いてきたことをまとめます。
他者と関わることで、文化は発展する。
これは、社会的にも個人的にも起きる。
逆に、異論を排除することで、社会は崩壊する。
これも、社会的にも個人的にも起きる。
個人的には更に、他者との関係ではなく、自分ひとりの中でも起こる。
良い例が思春期。
相対立する二つの要素が同時にある時に、葛藤が起きる。
その葛藤を乗り越えた先には、第三の要素が生まれる。
対 . . . 本文を読む
[あらすじ] 異論と接触することで文化は成長する。
対立するもの同士の葛藤の末にナニカ良いことが起きる。
昨日は世紀の大葛藤をしたヒーロー、キリストさんに登場いただいた。
http://blog.goo.ne.jp/su-san43/e/0a04eb0d4eb7baf799bc47878fe14085
この話の中ではちょっと山場だったわりには読者数が近来になく落ち込んだので、
磔じゃない、貼り . . . 本文を読む
[あらすじ] 異論を排除すると腐敗する。異文化と接触すると発展する。
個人の中に相反するものを内包し、その矛盾と闘うと、成長する。
成長なんて簡単な言葉でまとめてしまったが、
お菓子職人の話のところで書いたように、
結果うまれてくるものは、他の人にも喜びをもたらす。
※
人間界でちょっとこれ以上は無いかな、という矛盾を抱えた人が、かつていた。
自分は、神であり、人である。と言うのである。
. . . 本文を読む
[あらすじ] 異論を排除すると腐敗する。異論と接触すると発展する。
自分の中の相反するものに気付き葛藤すると、その先に発展がある。
さてちょっと前の話を思い出していただきましょか。
二十歳の頃、私は0歳児と40歳を足して2で割ったような20歳でありたいと思い、
40歳になったら、0歳児と80歳を足して2で割ったような40歳になりたいと望んでいて、
実際に40歳になったら、見た目の白髪という面で . . . 本文を読む
[あらすじ] 異論を排除すると腐敗するが、異論と接触すると発展する。
それは一人の人の中でも起こり、やがては救いをもたらす。
ある人とまた他の人との間で意見がぶつかる。
これはわかりやすい異文化の接触だけれど、
実はこういうことは個人の中でもしばしば起きている。
ひとつの考えにすっかり染まっていて、疑問や迷いが無いとか
選択や決断を迫られる場面の無い人なんて、いないんじゃないだろうか。
そう . . . 本文を読む
[あらすじ] 他者つまり異論と接することで、自論を発展させることができる。
逆に異論を排除すると、腐敗崩壊する。
友人に、パティシエールがいる。
本場おフランスで勉強してきて、今は教室を開いてお菓子作りを教えている。
お菓子なんぞ体にいいもんじゃない。と言う。
―卵、砂糖、小麦粉、バター、クリーム、どれをとっても、食べ過ぎるとロクなことがない。
健康な体を作る上で、お菓子は必要ない。
甘いも . . . 本文を読む
3月も半ばを過ぎて、そのシーズンもようよう収束を迎えまして。
求愛する雄のガマの甘い囁きも聞かれなくなってきた。
雌たちは産卵を済ませると、力尽きて池の中で死んでいく。
ほったらかしておくとこの卵が元気に元気に孵化して、
元気に元気に巣立ち、元気に元気に里帰りして、元気に元気に産卵する、
という元気な元気ないのちの循環が起こるので、
申し訳ないけれど、卵のうちに処分してしまう。
あんまり増える . . . 本文を読む
二十代の頃、高校の先生とちょくちょく山へ行った。
埼玉西北部から群馬の山が多かった。
ある年の3月に、双子山へ行った。
奥秩父にある手頃な山で、その名のとおり、
二峰が鋭くそびえる。
細い岩峰の上からの眺めはとても良い。
木が生えてないからね。
眺めると、近くの山の杉林に、黄色い風が舞い上がっている。
東京都のディーゼル規制が2003年10月で、10年前。
私が二十代というと、20年ほど前 . . . 本文を読む
[あらすじ] 他者と接触することで、文化は成長する。異論を排除すると、強化できずに崩壊する。
二十歳の頃、20歳らしくあるより、40歳と0歳を足して2で割ったような20歳
でありたい、と思っていた。
40歳になったら、80歳と0歳を足して2で割ったような40歳になりたい、とも思った。
40歳になってみたら、20代からあった白髪がぶわっと増え、半分白髪になった。
正面から見ると横ちょにかたまり . . . 本文を読む
昨日は新宿末廣亭へ。
昼席は12時からで、そのちょっと前に前座が始める。
夜席は17時からで、やっぱり前座さんから。
そして、高座で案内する落語家もいるとおり、昼夜の入れ替えが無い。
2800円で、12時から21時まで、居続けられる。
根が貧乏性なので、途中で帰るとなんだか損したような気持ちになるので、
席を立てない。
というのを昨日、やってきた。
9時間腰掛けっぱなしというのは、非常に身体 . . . 本文を読む
[あらすじ] 他者は小さな異文化だ。
異論を排斥すると、自己内部から崩壊する。
あらすじは思い出すためのものなので、なんのこっちゃわからなかったら
3日くらい前の投稿から読んでくださいな。
とかく、同じ仲間同士で群れになりがちなのは、当然だ。
だけど、そればっかりだと成長が無い、というのは今日まで
書いてきた文脈でも理解できる。
核家族化がすっかり進んだ日本の都市部は、そういう意味でも
文 . . . 本文を読む
[あらすじ] 他者と接触することで、文化は成長する。
個人は文化の最小の単位だ。
人と人との関わりは、異文化の接触のもっとも卑近なものだと思う。
う個人の次に小さいのは家族、それから親戚やご近所さん、
同級生、同窓生、町内会、PTA、市、都道府県、民族、国家…。
※
1989年のベルリンの壁崩壊から、1991年のソ連崩壊、東欧諸国の変革。
共産主義国家が倒れて行ったのは、他の主義主張を抑圧 . . . 本文を読む
[あらすじ] 他者との接触が文化を成長させる。
他者との関わりの中で、一番濃密なものが、恋愛ではないだろうか。
岡崎京子のマンガに、『ヘテロセクシュアル』という作品がある。
「ヘテロ」とは「異なる」という意味で、「同じ」という意味の「ホモ」の対義語だ。
「ホモセクシュアル」は同性愛だから、「ヘテロセクシュアル」は異性愛。
異性愛がそもそもなので、わざわざ言う必要があまり無いので
耳慣れない言 . . . 本文を読む