[あらすじ] お向かいさんは道の草取りをしないよ。
自宅の前は、幅2メートルの砂利道だ。
舗装をしていないので、雑草が生える。
両脇の雑草で、さらに道幅が狭まる。
強い雨が降れば一面の水溜まりになる。
バス停に向かうためにこの道を使う人もいる。
散歩の際に好んで通る人もいる。
が、多くはない。
南北に通るこの道の両側に、3軒ずつの家がある。
しかし、西側の3軒は全て道に対して低い塀の上にフ . . . 本文を読む
「科学的に証明されている」ということに価値がおかれる世の中だと思う。
なんらかの事柄が有って、それにどう説明を付けるか、という時に
「科学的」だと良い。ということになっている。
「証明」されるためには、既に確かなことだと判明している事柄を使って
説明する必要が有る。
そうやって、私たちは新しい事実を理解して受け止めていく。
なんかへんだぞ。
未解明な事について、既知の知識を使って説明する。
. . . 本文を読む
[あらすじえび] 近所の川でガサガサして採ってきたエビが抱卵した。
無事に孵化しているのかどうかどうもよく分からん。
と思っていたが、体長数㎜に育った仔エビが見えるようになってきた。
そして、
第二次ベビーブームの仔エビが見えた。
3㎜くらいのが、何匹もいる。
数週間後には、水槽の中がエビだらけになっているのが予想できる。
ちょっとおそろしい。
この夏の産卵はこれで終わりか?
そんな気はし . . . 本文を読む
夏だから、怖い話でもするか。
※
当時、同居していた女性と、車で2時間足らずの場所へ出かけた。
車を停めて、山に入る道を歩きながら、
以前にも一人で来たことが有る場所だと気付いた。
人の手が入ってはいるものの、
その後ずいぶん放置されている様子だ。
多摩の丘陵地によくあることだ。
フェンスの向こうもこちらも草木が繁り、
溝の流れは澱んで鉄分が錆びて赤く濁っている。
荒れた気配がする。
た . . . 本文を読む
[あらすじ] 近所の川でガサガサして採ってきたなんちゃらエビが抱卵した。
水槽に入れた3匹のうち、都合良く、2匹がメスで1匹がオスだったようだ。
2匹のメスが抱卵し、片方は脱皮しちゃったが、もう一方はうまく孵化した。
そう思う間にも、脱皮しちゃったメスが再度抱卵した。
それが孵化する頃にまたもう一方が抱卵した。
という具合に、ただいま当家ではエビの産卵ブームであります。
※
メダカも同時 . . . 本文を読む
一昨日、8月24日は、先代の飼い犬ジーロの命日であった。
一昨年の一昨日は、それまでと比べて少し涼しい日で、
クーラーを使わずに済んでいた。
午後2時半頃、16歳の犬ジーロが、痙攣し始めた。
痙攣は1時間近く続いた。
収まったと言うより、疲れ切ってしまったのではないか、と思ったら
ほどなく息を引き取った。
その瞬間は、動物病院の処置室に連れて行かれていて、
私は傍にいてやれなかった。
これはずっ . . . 本文を読む
[あらすじ] 腕をブヨに刺され、
その腕を更にツメダニに刺され、
またツメダニに刺され、
繰り返しぶり返すしつこく強い痒みが
それぞれに繰り返しぶり返し、わけわからんく痒い。
ダニ殺虫剤をスプレーし、
ダニ捕獲シートを置いた。
刺された所も、2週間経ったら痒みはぶり返さなくなった。
と思った頃に、また新たに刺された。
腕はまた少し、ツメダニと思われる。
足にも何ヶ所も、腫れができた。
中心に . . . 本文を読む
家の中で、探していた本が、不意に見つかった。
十代の頃に、切り絵を始めるきっかけとなった本だ。
保育社のカラーブックスの『きりえ入門』である。
文字どおり、この本から切り絵に入門した。
日本きりえ協会編とある。
昭和54年発行、定価500円とな。
いつどこで買ったか、憶えていない。
中学生だったか。高校生になっていたか。
保育社のカラーブックスというのは、
葉書とほぼ同じサイズで、
中身は半分 . . . 本文を読む
スーパーで買い物をする。
しかしこの頃、スーパーでは野菜をほとんど買わなくなった。
野菜は、近所の農家の直売所で買うようにしている。
あとは、近所の幼なじみ友人Mの母M子様が、
自宅で作っている野菜を分けてくれるのを喜んで貰う。
そこに、今年からは自宅の庭でも少し、野菜を作り始めた。
だから、旬のものしか食べない。
スーパーに行くと、ほとんどの野菜が季節を問わずに店頭に並んでいる。
私の母 . . . 本文を読む
成長すべし。増大すべし。
景気良くどんどん行け。
という世の中から引っ込んで、
なるべくあんまりたくさん費やさないように、と暮らしている。
とは言え、wi-fiもスマホも使うし、毎晩酒も飲む。
冷蔵庫も洗濯機も湯沸かし器も使っている。
つまり、わりと豊かな暮らしをしながら、でも
先頭立って経済を回すところからは離れている、という感じ。
なるべく納税したくない。
でも年金の恩恵は受けたい。
いや . . . 本文を読む
[あらすじ] おらほ調布は下布田遺跡から出土した、耳飾りを模造しているよ。
二重の渦を基調とした、複雑なデザインに脳が混乱する。
縄文時代の作者も混乱したのか、正確に点対称になっていない部分も有る気がする。
さりとて、ここ間違ってるよ!と言い切る自信も無い。
二重の螺旋と言えば、染色体だ。
遺伝情報をコピーするという機能を持つために、二重の構造を持っている。
二重なのがぴらぴらぴらーと剥がれて . . . 本文を読む
墨を磨る時には、無心で磨るのがよろしいと思う。
思いつつ、何かを読む。
イケナイ現代人だと思う。
「ながら」で「時短」とか考えるのは
時間に貧しい心だと思う。
思うけど、読む。
※
ずーっと敬遠していた毛筆での書を、6年前に始めた。
誰に習うわけでもなく、ただ手本を見て書く。
すぐに、臨書ということをおぼえた。
中国の、二千年前の石碑の拓本だとか、
スゴい書家の書いたものを写したとされる . . . 本文を読む
犬の散歩で住宅街の中を歩いている途中、
路面に、母の名札が落ちていて、焦った。
母は2年あまり前に特別養護老人ホームに入居した。
家にはいない。家の近所に名札が落ちているはずは無い。
どういうことだ。
※
よく見ると、違った。
いや確かに、婆さんの名札ではあった。
それは、ビニールテープを5~6cmに切って、
マジックペンで名前を書いたものだった。
同居介護だった頃、母の荷物にも同じよう . . . 本文を読む
草木も眠る丑三つ時。
午前0時前後2時間が子(ね)の刻。
十二支で子の次が丑。
2時間を四つに分けるので、
午前2時から2時半が丑三つ時、ということになる。
ただ、現在のように一日を均等に24時間に割った定時法ではなく、
日の出日の入りに連動して昼夜の時間の割合が変動する不定時法での表現である。
だから、
夏の丑三つ時は午前2時頃の30分足らず、というくらいのものだろう。
※
夜更けに目が . . . 本文を読む
[あらすじ] 縄文時代の耳飾りを模造してみている。
地元調布は下布田遺跡から出土した耳飾りが、やけにイカすんである。
写真をもとにスケッチする。
真上から撮った写真だけでは立体感が分からないので、
斜めからの写真もインターネットで探して見付けて、それもスケッチする。
それでもまだ、なんだかよく分からない。
分からないながらに、作り始めてみる。
※
作っていくうちに、二重の渦になっているら . . . 本文を読む