豊かさを求める 会長日誌

家づくりと言う事業を通じ、多くの人々の人間模様を綴ります。

説明の難しい湿度管理の家…北斗市

2009-08-18 19:00:07 | ファース本部
今日の湿度は何パーセントですか…私達は普段何気にこの湿度何パーセントと言う言葉を口に致します。パーセントとは割合の数値ですが講演なので参加者に質問すると、この湿度「%」が何の割合なのかを明確に知っている人が意外と少ないのです。

私達は、湿度や木材の含水量など水分管理を行うために換気量を抑制する必要に狭まれ、昭和60年頃からオール電化住宅に取り組みました。また同時に家屋を隙間無く覆うため、樹脂スプレー発泡の断熱、気密工法を構築して平成5年に国内初の断熱と気密の工法を公的に認可されましたが、これは全てが家屋内の水分管理が目的だったのです。

冬場において快適な家屋内の温湿度は、気温20℃、湿度50%だと言われます。この室内に陽が指し込み室温が上昇し気温40℃にもなると50%の湿度が25%くらいまでに下がってしまいます。つまり湿気の量が変わらずとも気温が上がると湿度が下がるのです。

気温は水蒸気(湿気)を抱える器の役割を果たしており、気温と言う器が大きくなれば湿気の割合が小さくなり湿度は下がり、逆に気温が下がれば湿度が上がります。「%」で表記する湿度を専門家は温湿度の相対関係なので「相対湿度」と言っています。

実際に空気中に含まれる水蒸気量(湿気)の事を「絶対湿度」と言います。空気1kg(約0.8立方メートル)に含まれる実質水分量を「g」と重さで表示いたします。ちなみ快適だと言われる気温20℃、湿度50%の時の絶対湿度は、約7g/kgです。

北海道のようにマイナス20℃にもなると湿度は90%以上になる場合があります。
これは、気温と言う器が小さいため水蒸気量の割合が大きくなっているからです。真冬の東京は気温5℃、湿度25%、北海道の気温-15℃、湿度85%だと絶対湿度が1.4g程度になり、つまりこれは北海道も東京も同じ湿気量なのです。(写真は今日の私の執務室の温湿度です)

北海道の夏が快適なのは私達の身体から水蒸気を蒸発させて体温を奪ってくれるからです。家の水分管理とは、住んでからの快適さ、家の寿命などに大きな関連性を持っています。しかし、とても難しい理屈が伴うため実際の家づくりには殆ど生かされておりません。

家を売るためが目的なら、こんな難しい理屈を並べてはビジネスモデルになりません。業界は建主さんが住んでからの事より、見た目が美しく、住みやすそうな家が売れているのが現状なのです。家づくりに対する意識改革が必要です。
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