夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

ミー

2005年12月11日 14時39分08秒 |   私の小さな恋人たち
DATE: 12/11/2005 19:49:51

ところで茨城の家にいたミー。
彼女は結局娘の猫で終わった。



膝に乗せれば、乗るし、膝の上で寝るけど。娘以外の家族とは、すべてちょっとした知り合い程度の距離を崩さなかった。

それが一番判るのは獲物をとってきたとき。
茨城に移った当初はミーは板橋生まれの都会の猫。家の周りの野原に行っても何も獲物は取れなかった。
でもしばらくすると環境に慣れたのか、だんだんと獲物を持ってくるようになる。

誇らしげに「ぐるぐる」って低音の喉声を響かせながら家人のいるところを避けて部屋の隅を走って帰ってくる。
家人に獲物を取られるのが心配、でも狩の成功は誇らしく皆に見せたい。そんな気持ちだったのだろう。

「ぐるぐる」この声を聞くと、家の家族は戦々恐々となる。

バッタやカマキリなどの素人さんの狩はすぐ卒業してしまった。
その後はネズミやスズメ、モグラや果ては小さな蛇まで、何でも手当たり次第に持ってきては、家族の前にディスプレイする。
「ぐるぐる、ぐるぐる」
悲鳴を上げるもの、逃げるもの(これは蛇を持ってきたときの私。可愛い、若い女性と蛇だけは私は苦手。)「ぐるぐる」は家の空襲警報になった。

で、獲物を取り上げようとすると、他の猫たちは黙って、取り上げさせるが、ミーはすごく怒る。
「ふぅ~。」って威嚇の声を上げ、獲物を口に挟み逃げようとする。
外に逃げてくれれば、問題ないのだけど、殆どのケースは蛇やネズミを持ったまま家の奥へと逃げようとする。
そうはさせまいとする人間との追跡合戦が毎日繰り広げられていた。