夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

サンコウチョウ   私は怒っています。

2009年07月22日 08時35分13秒 |  これがまあつひのすみかか我が日本


知人が巣立ちの後のツバメの給餌のほほえましい写真をブログに載せられておりました。
特に下から二枚目の写真。私、好きだな~
本文のコラムの幅が小さいので写真が全部は入りきれませんが、下のレバーを右に動かすと親子の様がばっちりと出てきますよ。

家の近くのスポーツ用品店の入り口に巣を作っているツバメも今、雛が巣立ったばかりです。
巣立ちの直前には、親が餌を運んできても巣に入らないのですね。
巣の直前まで来て、雛たちに運んできた餌を見せびらかせて、近くの電線に止まる。ここまで食べにおいでって言っているのですね。

それを何度かやっているうちに雛たちは、意を決して、一羽、また一羽と巣を飛び出していく。
最初からそれは見事に、すばやく飛んでいくんですね。
こうして飛ぶ練習、餌を捕る練習と、親は子供たちにしつけをしていくのです。
見ていて、自然の素晴らしさ、そして親子のほほえましさに心が温まる情景です。


以前に紹介した市原のサンコウチョウ
私が最後に見たときは、雛の一部が孵ったころでしたが、親鳥が育児を放棄したそうです。
私が撮りに行ったときには、カメラマンの数は多かったですけど、鳥を驚かせるような行動をする人はいなかった。でも、聞きますと、フラッシュを焚いて鳥を撮ったり、鳥を驚かせて平気だったりした人がいたのだそうです。

ここではカラスや蛇に卵を食べられたというようなことも聞いたことがありますが、それは残念と思っても、自然のなかでのこと仕方のないことだと思います。
東南アジアの越冬地での森林伐採で、数が減ってきているサンコウチョウ。
繁殖地の日本でも繁殖できなくなれば、ほんとうに生きていけなくなってきますよね。

以前にもいすみ市のトンボの沼でコハクチョウが来てたときに、フラッシュを焚いて写真を撮っていた人がいて、普段は、あまり怒らないのですけど、思わず、「フラッシュは使わないでください」って声をだしてしまいましたけど、、、、

珍しい花が咲いたというと、その辺を踏み荒らしてしまう人たちとか、
こんな無神経な人がいるので、珍しい鳥が来たり、花が咲いたりして、皆にも教えたいと思っても、だれも場所を固定できるような情報は出せなくなるのですよね。



抱卵から育児にかけて、ただでさえ親鳥は過敏になっています。周りを取り囲むカメラマンを見るだけでもかなり負担になっているはずなのに、フラッシュや、鳥を驚かせるような行為をすれば、鳥が育児を放棄してしまうのは分かりきったこと。
誰かに教わらなくても、自分がサンコウチョウの親だとして考えれば、すぐに分かることじゃありませんか。

実は、カメラを撮るってことも、ファインダーの中に相手の気持ち、自分の気持ち、見る人の気持ちを混ぜているのですよね。撮られる相手がどう思い、どう反応するかが分からなければ、いい写真なんか撮れない。
カメラマン失格! 
というより、これは人間の普通の行動なのだから、人間失格なんじゃないか!
私は少し怒っています。




写真は以前使いました、市原のサンコウチョウです。