夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

方向性を指し示す勇気   救急車の非常識要請の記事

2008年06月23日 11時57分10秒 |  これがまあつひのすみかか我が日本
読売新聞が救急車の非常識な要請が増えていることを調査している。
この件の直接的なことに関してはMixiで日記に書いている。
  今や、つまり非常識な要請が増えていることは広く認識されているし、そしていくつかの自治体ではそれに対する処置も作られている状態での調査、報道であれば、その非常識要請の裏にある、その原因でもある医療の現場の問題も取り上げて欲しかったというものだった。

直接的なものはMixiに書いたので重複する気はないけど、何かを調査したり、報道したりするときに、きちんとした報道機関であればその現実だけを取り上げるのではなく、その原因や、どうすればいいのかへの提言、あるいは解決への方向性をもった報道であって欲しいと思う。

産科や小児科の医師が不足して、深刻な状態を引き起こしているという報道があったとしても、それだけを報道するのではなく、どこにその原因があるのか、どうしして欲しいのか、そんなメッセージを含ませることは日本の報道機関が一番弱い部分なのですね。

それは大きな社会問題だけでなく、もっと小さな出来事であっても、同じだと思うのです。社会面をにぎわす交通事故の報道。ほとんどが警察発表をそのまま報道しているだけ。でも、そこでなぜ事故が頻発するのだろうとか、どうしてこんな事故が起こったのだろうということをちょっと考えれば、同じ記事を書くときにももうすこし、こうして欲しい、こうあって欲しいという記者のメッセージが含まれる書き方になってもいいと思うのです。意外と日本ではこんな記事を書くとキャップに削られてしまうことが多いのですけどね。







足代わり119番、救急車「予約」…非常識な要請広がる(読売新聞) - goo ニュース

五位鷺と命婦

2008年06月22日 23時41分46秒 | 日記


Mixiに「灰を篩う」の粗筋をだけをちょっと紹介していましたけど、いろんなコメントがついて、その中である人に、私から「お金頂戴。五位鷺を送るから」ってレスをつけたのですね。



そうしたら、


五位の鷺ちゃんが使いっ走りとはもったいない。
では宅も命婦にお相手させますわ。
って、返事が来ました。



メッセンジャーが五位なので、お相手も五位の命婦をだしましょうってことですよね。


五位鷺については、以前ちょっと書いたことがありますけど、昇殿できるのは五位以上。だから天皇に愛でられた鷺が天皇が会えるように五位をもらったんですね。


命婦はもともと中国の官位だったんだけど、日本に入ってからは大分時代とともにその意味が違ってきている。枕草子の時代あたりでは五位の女官だったらしいです。
こちらも天皇に可愛がられた猫に五位を与えられたってことで五位鷺のケースと同じなんですけど、清少納言はちょっとした引っかけをしているのです。

「うえにさぶらふ御猫は命婦のおとどとて、いみじうをかしければかしづかせ給ふが、、」
    枕草子 9
    日本古典文学大系 「枕草子 紫式部日記」岩波書店

普通は上のように昇殿できるように官位を与えただけで終わるんですけど、今日は特別ボーナス。

「命婦」には猫の鳴声、、「ミョウ」ってのをかけてあるるんです。




灰を篩う  番外編   灰だらけの巻

2008年06月22日 13時28分48秒 |  非・常識的茶道


さて今日も雨、昨日に引き続き灰を何とかしましょうということで、
作業の手順を考えておりました。

百足の寝床になった灰1は水に晒して、昨日乾燥過程に入っておりますのでこれは乾くまではそのままでよろしい。灰はかなり乾きだしてきていますけど、新聞紙がまだ濡れている。この状態で下手に動かすと、新聞紙がべろべろに灰に混じってしまってちょっと大変になりますので、絶対安静!
写真は昨日と同じ状態の灰1。
でもほんとうに味噌漬けか粕漬けの床みたいですね。
昨日もそうでしたけど、この場所で取ると色が実際より濃くでてしまいます。
まわりのコンクリートの壁やシンクの色が影響しているのでしょうかね。



灰1に代わって、急遽今夏のピンチヒッターに躍り出ました灰2は、これから摺って、篩って、、、
色も、落ち着きもなかなかよい塩梅になってきていますので、代役は十分に務まるでしょう。
こちらは写真が実際よりちょっと白っぽく上がっています。
本物はもっと落ち着いた色香を漂わせていますよ。



灰1,2は今年の夏に活躍してもらいましょう。




そして晒さなければって思っていた灰3。
持ってみましたらなんと、他のの倍の量が入っていました。放置しておいても仕方がないので水を加えていますけど、色艶はかなりなもの、むしろ灰2よりもいいくらいです。
でも荒れた生活を送っていたのですね。水を加えたら上澄みがえらくにごっておりましたよ。果たして今回の修養でちゃんと戻るかどうか。
よさそうな灰なのでちょっと心配、そしてちょっと期待を持たせます。
昨日の写真では、新聞紙とビニールの袋に詰められていましたけど、今日水に晒しました。
下の写真は容器に入れて最初に水を入れたばかりの状態。
上澄みがかなりひどい状態なのがわかりますよね。



昨日は、火鉢に入っている灰4の写真をお見せしていましたけど、これも荒れています。でもこれも実物の色はそんなに悪くない。



灰3,4は夏の間に特訓をしましょう。

そして、その他の灰として他の火鉢の灰などについてこれもなんとか訓練していけばなんて話をしていましたけど、、、、
これはやってみなければ使えるかどうかわからない。
使えそうもなければ、別な用途を見つけましょう。
ということでこれは名無しのままにしておきましょう。



ところで、今日、また別な灰を見つけました。
一体全体この家はどうなっているのでしょうね。知らないところで(って、つまり健忘症がひどくなっているっていうだけですけれど)灰だらけになっています。
でも新聞紙に包まれてビニール袋をかけられているというのは、それほど遠くない過去に、一度見ているのですよね。忘れていた。ごめんね。
こちらを見ましたけど、色気も、艶も結構なもの。もしかしたら家にあるのでは一番いいものかもしれない。



そう言えば、どうせ練習だからって悪いほうから篩いだしていたんですよね。だからこれはしばらくはこのまま放置されていたんだ。
可愛そうですね。どうせ代わり栄えのしない作業だから、これもやっちゃいましょう。これには灰5の名前を進呈しましょう。


それにしても私の入門、小習いは遅々として進まないのに、灰ばかりはこんなにたくさんでてきて。茶道とは灰と戯れることなのでしょうか。
はい。。なんちゃって。



土楽の里の豆腐   「生きてるだけで、いいんじゃない」 中島デコ

2008年06月21日 23時21分32秒 |  食べるために生きる


先日、熊本マリさんの「人生を幸福にしてくれるピアノの話」という本を紹介しました。この本をいただいて一時間もしないうちに中島デコさんの「生きてるだけで、いいんじゃない」って本を入手しました。1時間くらいの間に2冊もサイン入りの本をゲットしちゃったんですね。

ところで、このデコさんの本、彼女の自然な生き様、目が縦横に溢れていて、読んでいてとても気持ちがゆったりとするんです。マリさんのときに、デコさんの本の紹介は後ほどって書きましたけど、一つ一つのチャプターで得られる情報は別にして、この本を紹介するのは難しいかな。頭で理解するというより心で感じるような本です。すばらしい本に行き当たりました。

写真も旦那さんのブラウンさんが撮ったもの。彼はプロの写真家で、デコさんの一番の理解者だと思います。本の心と素晴らしくマッチしたものになっています。


ということで今日はこの本の中の豆腐の話。

デコさんの家の近くに土楽の里というJAのお店があります。
彼女はそこで豆腐を見つけました。
パックに原材料・丸大豆、添加物・凝固剤、とだけ書かれている豆腐。
そこで彼女はこの豆腐を作っている人に質問しました。


「、、、どのような凝固剤をお使いですか」
「はぁ? とーふ固めんには、昔っから、にがりって決まってるっぺよぉ」
(.....な、なるほど)
「あのう、お豆はどちらから?」
「オラの知り合いがよぉ、新潟で大豆作ってんのよ、そっから全部とってんのサ。いい豆だよぉ」
(おいおい、国内産大豆百パーセント遺伝子組み換え大豆不使用ってことかい...)
「でも、消泡剤をつかわなければ、お豆腐作りは大変って聞きますけれど....?」
「昔っから、泡立てねぇように作って、上手に消す方法があんのよぉ。見してやんから、遊びに来なぁ」
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なんてところがあります。

決してこの本の特徴を現している場面とかいうのではなく、私がただこの豆腐食べたくなったということです。
土楽の里(どうらくのさとって読みます)は岬に来るときに通る道なので、立ち寄って買い求めました。



最初は、塩だけで味見。いや、驚き、甘いんです。その後しょうゆで冷奴にして食べたときにはむしろ淡白な味なのに、これは私の豆腐料理の展開が、今後楽しみです。

岬ではスーパーなどでも地元の豆腐が買えます。こちらも塩で味見すると、大豆の味が濃厚で東京などで買うものとは明らかに違う、美味しい豆腐なのですが、土楽の里の豆腐とはやはり一線を隔してますね。

ということで、この本全体の紹介は、後ほど、、、できるかな? 多分私ごとき文才では無理でしょうね。
ちょこちょこした情報を得るのにも、岬の異邦人の私にはとても役に立つのですけど、それだけで読むにはもったいない本です。
今日のような雨の日などに、窓の外の緑を見ながら、美味しいお茶を傍に、ゆっくりと時間をかけて読みましょう。



でも、岬に入ってきたときには、漁港があるから魚は美味しいだろうと思っていました。ところが魚はもちろん、肉もいすみ豚はブランド品だし、野菜は新鮮、果物は一年を通じて地元のものが楽しめる。お米も地元米は美味しい。もちろん花は房総の特産だし、、、嬉しい驚きでした。
そして最近は、チーズ製造に凝り固まっている人とか、さまざまなものをいろんな人たちが魂を込めて提供してくれているのが徐々に判ってきました。
私はほんとうにこの場所を選んで運がよかったって思っています。


生きてるだけで、いいんじゃない
中島 デコ
近代映画社

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灰を篩う  その、、、、何番目だっけ? 強盗返のその後、、、

2008年06月21日 09時52分13秒 |  非・常識的茶道


先日来の「灰を篩う」のシリーズもいよいよ佳境に入ってまいりまして、ここで大団円かと思いきや、最後の強盗返(がんどうがえしって読んでよ)が待っておりました。
ほんと、このブログの作者は読者サービス精神が旺盛なんだから。

ほとんど最終工程にあった灰1の中に10センチほどの百足が住み着いて、居心地よさげに眠っておりました。
ギャーっと叫んで、百足を必死に掴んで、トイレに流し、灰1はまた、水に晒す羽目に。
歌舞伎では、どんでんどんでんって太鼓がなるだけで舞台の進行は止まらないけど、こればかりは萎えてしまいましたね。

という次第で、灰1は、今、やっと乾かしの段階に入ってきました。
下の写真、、、なに、よくできた粕床だって?
違いまんがな、これが灰1の今のお姿ですねん。




乾かしていた灰2を使えば進行できたのですけど、しばらくお休み。



でも、この数日、岬は雨。雨、雨、雨、ということで「灰でもやるべか、他にすることもないし」になってきました。

灰2(トップの写真)を取り出してきました。
美味しそうでしょう、、、って、違うってば。
軽く摺って、最後の篩いにかけてあげましょう。
どうです、これがびしっと形を作られているのが目に見えるようでしょう?
ってか? 理想と現実は違うのは判っておりますよ。

ところで、灰1は乾いてきたら、お休みするしか予定がないのですよね。
ということで、灰3が待っております。
こちらも篩いにかけて、晒さなきゃ。



それに灰4、これも何とかできないかな、、、



まだ探せばでてくるかな~
青磁の火鉢の灰もあったし、、、

ボクちゃんの多情多恨の付けが回ってきているらしい。。。

いつになったらU20をお招きして、お茶が点てられるのだろう。
それよりもいつになったら、ボクちゃん、入門、小習いを卒業できるのだろう。

昨日もMixiで、組み合わせのことを聞いていたけど、だ~れも教えてくれないの。
こちらでもお聞きしておきますね。

棚前に建水、茶碗、茶入を組み合わせるとき、茶碗の中に出し袱紗を入れたっけ?
入れなかったよね。

なんですけど~

それにコメントを下さった方の中で、裏では、、、って話があって、はたと考えましたけど、ボクちゃん表をやってるんだっけ????
未だにそれは疑問ですねん。
Mixiでの返事とはちょっと変えましたけど、


それにしても、あの、、、表、、、って?
たしかに子供のときに見ていたのや、師匠は表ですけど、何をやっているのかわかりませんですよ。

祖母は表でしたけど、母は裏から鎮信流に替わって、まごまごしていたし。
まごまごしていた母の所作がたぶんに原点にある、ということは結構裏っぽかったりして。
平戸のお殿様は、「お茶は心よ。細部に拘泥しないで」って言われて「細かいことは嫁さんに聞いてよ」になるけど、奥様は表でしたよね~

でも、松江のお茶を見て、まったく違和感を感じなかったのはなぜでしょうね?
「まずい流」(ジョークですよ)をどこかで仕込まれているのかもしれないけど、思い出せない。

でも、最悪は、師匠ですよ。
ブログでも書いていましたけど、去年、入門編で袱紗捌きをやりましょうねって、裏の捌きをたっぷり、おまけに逆勝手ではって、遠州さんのをやりだして、「どうしてたっけ? 判ります? お家元に聞いてもらえます」なんて平気で弟子に聞いてました。
こんなことをお家元に聞けるかって言うの。
お月謝返せ!

私のやっているのが100%表だって自信がないです。
たぶん、かなりごちゃ混ぜになっていると思いますよ。
私が表ですって公言したら、即、破門になっちゃう。
師匠だって、恥ずかしいから、私の弟子だとは誰にも言わないでって言っているし。。。
正座ができなくなったのが一番の理由ですけど、実はこのへんのごちゃごちゃもあって、人のお茶に行かなくなったんです。

入門、小習いのレベルでこのごちゃごちゃでは、先行き思いやられますね、面白いですね。


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なんですと。


それにしても、今粕漬けに挑戦しようと、酒粕を買ってきておいてあるんですけど、これがいい粕床になったら、、、似すぎている、間違えますよね~
粕漬け食べてみたら、灰漬けだったりして、、、


こんなんばっか; 蛍 

2008年06月19日 21時54分36秒 |  岬な日々

先ほどの日記で蛍でも撮りに行こうかって書いていましたけど、行ってまいりましたよ。
先日の土曜日の蛍がワイドスクリーン上のコールドパレエだとすると、今日のはソロ、せいぜいトリオくらい。涼しいのもあるのでしょうけど、少なかったです。
でも蛍の写真って難しい。
トップの写真、、こんなんばっかり。
こんなんだったら、人魂だったらもっと嬉しい。
だって、見たことないもんね。

2年越しの泣きが入りました。

岬へ戻りました  乏しい、でも念願の食事

2008年06月19日 19時20分19秒 |  食べるために生きる
昼過ぎに東京をたって、海ほたる、木更津東インター、養老経由で岬に参りました。
明日は雨になるのかな? 曇り空でしたが、暑くはなく、車を走らせていると涼しい風が緑の山から吹いてきて、なんだか嬉しくなってしまいました。

前をかなりお年を召したライダーがオーバー750を転がしていました。それにピッタリとついて、細い曲がりくねった山道を80キロくらいで飛ばしてあっという間に大多喜へ。ジムニーちゃんにはちょっと要求がきつかったでしょうか、曲がり角ではラインを踏み外しそうに横Gがかかっていました。フンフン、私もまだ若い。なんて喜んでいてはいけませんね。レース用のライセンスなんてとっくの昔に失効しているんだから。
皆さん交通ルールは守りましょうね。できるだけ、、、


ここから茂原方向へ向かい長南で蓮田を見ようと思っていたのですけど、ちょっと時間が遅すぎます。
大多喜で明日の朝食の食材を購入することにしました。
入ってみると、ぱりぱりの地元産のにらがありました。
欲しい!
なら、念願のいすみ豚を料理してみようと、にらといすみ豚を購入。

ほんとうはこの先の国吉でカンパーニャに立ち寄って夕食をとろうと思っていたのですけど、これがあるならパス。

家についてさっそく、豚にらを作りました。
豚は一部だけ使って後は明日とも思いましたけど、面倒なのでそのまま全部フライパンへ直行。
にらも一部で汁を作ろうと思いましたけど、気がはやるので、取りやめ、これまた全部フライパンへ直行。
お米もいすみ米ですよ~

汁もない、一菜だけの乏しい夕食。
大昔の学生時代に戻ったみたいな気分。
でも、いすみ豚は念願のメニューだったのです。

味?
にらは甘く、豚もマイルド。
まあ、こんなものでしょう。
それ以上に、達成感があるだけよしとしなければ。

ということで、腹もくちたし、後は大原に行ってキョンを探しましょうか、それとも蛍を見ましょうか?



明日は地元のいわしの生干しで食べるんだ。
ボクちゃん、なんて乏しい食事なんだろう。

でもこんなシンプルな食事ができるって言うのは材料に自信があるからですよね。
善哉善哉。


雨の夜の品定め  ブラックベリー

2008年06月18日 23時54分06秒 |  多摩川散歩


ところで、先ほどのタイサンボクがあるお家と、夏椿があるお家の間に、このブラックベリーがなっているお家があります。
もうすぐ「番茶も18」美味しそうですね~

なぜ、雨の夜の品定めか、ですか?
そりゃ、タイサンボクや夏椿の色香と、ブラックベリーの食い気、どちらにするかの品定めだからですよ。
結果?
もちろん私のお腹をご覧になれば、そんなもの聞くのが野暮って言うものでしょう。



マイミクさんが先日これの花をアップされていました。
花と実が一緒に写っていましたけど、木苺の類の花ってなかなかよろしいですよ。
ってことは、これは食い気プラス色気かな、、



***

恥ずかしい。
読み返さないで、そのままアップしたら、「雨の夜」が「雨の世」になってました、汗汗で訂正。

夏椿 いかにも嫋な、、、

2008年06月18日 22時52分00秒 |  多摩川散歩


さて、今日の散歩のもう一つの課題が、夏椿だと言いましたけど、このトップがその写真です。

夏椿、別名娑羅樹(シャラノキ);
一応椿の仲間(ツバキ科ナツツバキ属)ですけど、花も葉っぱもずいぶんと違いますよね。
たしかに、椿は綺麗ではありますが、この夏椿の儚げな嫋さ、、、、
もう、博物館でも見られないような大和撫子の究極の姿なのではないでしょうか。
あぁ、生まれる時代を間違ってしまった。

昔々、ある偉~~いお坊さんが日本にも娑羅双樹の木があるはずとあちこち探し回ったそうです。そうしてこの花を見て、これぞ娑羅双樹じゃっと言ったというお話。
でもね~ 夏椿は日本から朝鮮半島辺りが原産の花。そんな偉~~いお坊さんが知らない筈はないし、お坊さんが知らなくても、周りの人が知っていたはず。
なんで、こんな話が出来上がったのでしょうね。

夏椿は一日花。他の椿のように、花全体がぼたりと落ちてしまいます。
平家物語の

「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 
沙羅双樹の花の色 盛者必衰のことわりをあらわす」

というのはその花の落ちるさまからきたのではないかと思います。

梅雨空のむしむしするような暑さの中で、この嫋な花は私の清涼剤です。
アジサイでも、タイサンボクでも、言ってなかったかですって。
そんな~ 私がいかに浮気ものかって非難なされているのでしょうか?

タイサンボク    追記  明日香村の祝戸荘

2008年06月18日 21時12分42秒 |  多摩川散歩

日曜日に東京に戻りましてから、引き篭もり状況が続いていました。
なんとか散歩に出なければだるま状態になるって危機感を募らせての多摩川散歩でした。(判ってますよ、すでに手遅れ状態だって言われたいのでしょう? フン)
今日の課題がご近所の泰山木と、夏椿の花でした。
両方とも好きな花なので。

トップの写真は泰山木の花;
泰山木は木蓮や朴の仲間。
ですから素晴らしくいい匂いがします。

ゆふぐれの泰山木の白花は
  われのなげきをおほふがごとし  
          斎藤茂吉

先日来話題にしていた斉藤由香さんのお爺さんですね。
もっとも家にはお爺さんの方が親しいのですけど。

私はこの木は日本古来のものだと思っておりました。
それにしては古い大和詩にでてこないな~って疑問でしたけど、調べましたら、泰山木は北アメリカ原産の木蓮の仲間で、明治初期に日本に入ってきたとあります。
私が日本古来のものと思っていたのは、東京、駒込の六義園でこれを見たことがあるような思いがあるのです。
大きな木で素晴らしくいい匂いを漂わせている。名札を見たら、
「ワタチ、タイサンボクチャン」って出てたと思ったのですけど、、
大名の庭園に大木があるということは当然古来の花であろうってことになっていたのですね。
思い違いか、朴の木の間違いだったのか、、、、

朴も大木になります。匂いも同じ系統のものですね。
甘く、切なく、、大好きな匂い。
なんて乙女チックに格好をつけていますけど、、、
実は朴にも思い違いの経験がありまして。

万葉集にある有間皇子の

家にあれば笥(け)に盛る飯(いひ)を草枕旅にしあれば椎の葉に盛る

の詩。
皇子は謀反の罪で和歌山の藤白へ護送されそこで処刑されるのですが、その旅の途中で詠んだ詩です。
これを始めてみたときに、椎の葉に盛るってなんて小食なって不思議に思ったのです。その当時はこんなお腹ではなかったのでそれほど羨ましくはなかったのですけどね~ 古きよき時代はもう帰らないか、、、
昔は朴のことを椎といったのではないだろうかって。
でも椎の木は椎で万葉集にもいろいろと詩がありますよね。
私の疑問はそのままずっと残されていました。
改めて考えてみると、椎の葉に盛る飯というのは仏へのお供えなのでしょうね。
って、ことで今は一段落させています。

また、なぜそこで朴が出てきたかというと、朴は葉っぱが大きくて、殺菌作用があり、昔からいろんな食品を包んだりするのに使われていました。朴葉餅などもその一つです。また火に強いので、鍋代わりに、朴葉味噌などという料理もありますね。そんなこんなで食器に使うというと朴じゃなかろうかって誤解してしまったのです。

ちなみに、今日19日は元号の日。645年に有間皇子のお兄さんである中大兄皇子が蘇我氏を倒し、日本に初めて元号を設け、大化とした日です。

なんて、泰山木から、あっちゃこっちゃへと寄り道ばかりの散歩でしたね。


蛇の足
コメントに書いているものをそのままこちらにも加えました。

奈良の明日香村に祝戸荘って旅館があり、ここで葉盛料理というのを目玉に出しているのだそうです。
有間皇子の椎の葉に盛るというところからヒントを得て、でも私と同じで椎では小さすぎるというので朴の葉に盛り付けをした料理。
ところがそのHPの説明では有馬皇子になっていたり、上の有間皇子の詩をそのまま使っていたり、、、、 刑場へ引かれる際の歌なんてあまり縁起でもないんじゃないって思いますけどね。
なんてことで、今朝、ものすごく早い時間にメールを入れたら、即返事が返ってきました。
有間皇子の件は判っています。
詩の件に関しても料理を出すときに説明していますってことでした。
多分すでにご承知でしょうけど、老婆心までにしたことで気になさらないでって返事を打ちましたけど、都合の悪いことは無視したがる人が多いのに、きちんと、すぐに返事を下さるのはとても好感が持てました。
明日香は好きな場所。そしてここから熊野へ行きたいと願っている場所なんです。
次はここに泊まろうかな。
ちなみにそのHPは
http://www.asuka-iwaidoso.com/f_kodaisyoku.html

それにしても蘇を出すんだって。
あれ作るの大変なんですよね。
どんなものを出してくれるんだろう、、、
興味津々。